三人の親友
「3人の親友ねぇ・・。」
黒ずくめの少女は、ノートを捲り、答えた。
「1人は別の中学校。あとの2人は同じ中学校だけど、別のクラス。あんた以外の3人は中学生活を上手くエンジョイしているの。
プライドの高いあんたは自分だけがハブられて、落ち込んでいるなんて言えなかった。
親友なのにねぇ・・」
黒ずくめの少女は私を哀れむ眼をした。その惨めなものを見る目つきに腹立たしさが込み上げた。
それにもうこれ以上は話を聞かない方がいい気がした。
私の気持ちを察したのか、黒ずくめの少女はサッサと話を再開した。
「中2であんたは酷いイジメを受ける。相手も巧妙でね・・物理的なイジメはしてこない。モノを壊すとか盗むとかね。だから、教師にも親にも気付いてもらえない。
悪口、無視。イジられたり、睨まれたり、休み時間に付きまとわれたり。ありとあらゆる精神的なイジメ。あんたはイジメっ子をもちろん嫌いになるけど、それ以上に自分を嫌いになった。イジメられるのは自分に原因があるんじゃないかと思い始めた。人見知りで、性格が暗くて、人付き合いも上手く出来ない・・だからイジメられる。」
「やめて・・お願い・・」
私は小声で何度も呟いていた。