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二つの選択  作者: 青野ひかり
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第一章 暗闇の中で

私は目を閉じて座り込んでいた。

自分を守るように、身体を精一杯抱き締めて。何故か分からないが、酷い恐怖に駆られ、身体がガタガタと震えていた。


「ここは一体どこなんだろう?」

辺りは一面の暗闇で一筋の光すらない。

そんな暗闇の中にいつからいたのかも思い出せない。


「や~っと目が覚めたのね!待ちくたびれたわ」

いきなり、遥か頭上から声が聞こえて、私はヒッと軽い悲鳴をあげてしまった。


「そんなに驚かなくてもいいじゃない」

その声はクスクス笑いながら、頭上から地上に降りてきた。

顔を上げると、一人の少女が、目の前に立っていた。


ツインテールにした黒くて長い髪、黒フリルのついた黒いワンピース、黒い靴下、黒い靴。

そして大きな黒い瞳。肌だけは白い。

全身黒ずくめの可愛い顔立ちの女の子だった。


「あなたはだれ?」

私はおそるおそる尋ねた。


黒ずくめの少女はちょっと意地悪そうに見えるツリ目をパチパチさせて、気だるそうに微笑んだ。


「そんなこと、今はどうでもよくない?

そっちこそ、自分が誰か分かってんの?」


そう言い返されて、私は思わず考えた。

(私・・私は・・)

何の記憶も浮かんでこない。自分の姿も暗闇で見えない。ただ感じるのはどうにもならない恐怖だけだった。


自分の姿は見えないのに、黒ずくめの少女はハッキリと見える。私は訳が解らなくなった。


「その様子じゃ、何も解ってなさそうね。

いいわ。教えてあげる。あんたは生まれる前の魂。今からあんたがやらなきゃいけないことは選択すること。分かった?」

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