第十四話
「ガッハッハ!……なんだぁ…これは?」
「ラブハートから新たなエネルギー源発生!」
「増幅し続けています!このままでは肉体が持ちません!」
「魔法陣の侵食50%を超えました。急激に上昇。精神体への汚染開始。」
「体外に展開された魔法陣の構築が完了、安定しています。…黒い靄を放出、ラブハートの身体を包んで…うっ、おぇぇ…」
「結膜が黄色に変色しました。黒い靄が身体と融合、衣類と頭髪が黒く染まりました!」
「これは…新たな可能性か…ラブハートの子よ。」
「内部に核が形成されました。クールハートの胸部に形成されたものより…寄生されし物に近い反応値を示しています。」
「魔法陣の侵食80%を確認。お、汚染された精神体の拒否反応なし!…包んだ…愛がっ、や、闇を包んだんだ!」
「狼狽えるなっ!……ラブハートの身体、精神と共に安定しています。内部変貌が完了したと思われます。」
「体外の魔法陣が皮膚に張り付き定着、細胞の暴走は見られません。」
「新たなエネルギー源と、元よりあったラブハートのエネルギーが合わさりました。ステッキへの侵食…完了。寄生されし物の能力と見られます……これはもう…人間じゃありません……」
暗い。真っ暗な空間だ。落ち着くのは何故だろう。それに…なんだろう…何かやらなくちゃいけない事があった…うん、あったことは覚えてる…。
ークロ ニ ソマッタ オメデトウ ラブハート
…なにこれ…服とか髪がまっくろだ。それなのに、肌はまっしろ。とても冷たい。
ーオマエ ハ ラブハート'クロ' ダ
ーアイ ノ カノウセイ シン ノ ラブハート
…違うよ。これも私なんだ。等身大の私。
'クロ'なんかじゃない。
ーオマエ ハ ラブハート'クロ' ダ
ーオマエ ヲ ミンナ ソウ オモッテル
…………
ーモトメラレテル ゾ
ーアイ ヲ トドケロ
…誰に…?
ーミエテイル ダロウ
…うん。
ーイコウ ラブハート
わかったよ。…これが、私の役目なんだね。
ー……スマナイ
きて。私のステッキ…私の思い。
ーコードネーム'ラブハート'
チカラヲカイホウセヨ
「ゲートオーバー…」
ージアイ ヨ トドケ
「全てを受け入れ 目覚めろ感情
魔法少女ラブハート 慈愛モード」
真っ黒なフリフリのドレスに、綺麗に巻かれたツインテール。スラリと高い身長と、全てが等身大の変身体は、迷い無く平等な恐怖を与えることに特化している。全身には、禍々しい魔法陣が刻まれた。