b班
あの子というのは火を使える女の子だった。
ハンナはその子をずっと見ていた。話しかけずただ見ていた。絵画見るようにただ。
酔っている3人は女の子ことを気づかずそのまま宿へと戻る。
3人はそそくさとベットに潜りいびきをかいて寝た。ハンナは考え事をした。初めてのことだった。朝になって寝れず、ただ時間だけが過ぎた。
「おはようハンナ」
力が言う。力の声は少し枯れていた。
「力。今日寝れなかった」
「え?。なんで」
ハンナは昨日のことを3人に話した。3人は承知した顔になる。
「そもそも俺らの敵ではないから。ハンナそんなに深く考えなくていいぞ」
3人は宿を後にする。支払いを済ませ駐車場へと向かうが髭を生やしたおじさんとその火を使える女の子が揉めていた。
トムが割って入る。話によると女の子は宿賃未払いだと言う。
「お前お金持ってないのか?」
女の子に言う。女の子は腕を組んでそっぽを向いた。
「この宿ぼったくりだわ。こんなに払っているっていうのに」
1000円も満たない額だった。
「もしかして,飲み屋でさんざいして金なくなったか?」
トムが聞く。トムの考えは当たりだったようだ。
女の子は赤面する。
「はぁー?そんなわけないし!」
「じゃあだったら払えるよねお嬢ちゃん」
後ろからジャックもくる。
「私はこのボロ宿にはこの額しか払えないの」
女の子はキメ顔で言う。
「でもお前ミニバー代すげぇ額だぞ」
女の子は視線を逸らす。トムはじっと女の子見て威圧する。
「本当にこの額しか払えないのかい?そもそもこれ以上持ってないじゃないのかな?」
女の子は挙動不審になり目が泳いでいた。
「全く。仕方ないな。masterこれで払えるか?」
「この額は!いえいえ十分です。貴方達はどこの国からきたんですかですか?」
主人は驚いていた。この国の大卒の初任給を主人に渡したからだろうか。
「日本という国からかな」
トムは主人からの質問には答えにくかった。
「払ってくれるの?」
女の子はそう言う。
「金はたんまりある。そして君に話がしたかったからだ」
「てかあんたたちもしかしてあの時の人達?」
「覚えてるようだね」
ジャックは微笑む。
「あんたらの目的って何。もしかして私?!!?!」
「違うわ!!。そもそもなんで火が使えるんだ?」
トムが言う。
「火が使えるって....当たり前のことじゃないの?。フォークとナイフを使って食事をするのと一緒だよ」
「何が何だかさっぱりわからないよー」
ハンナは言う寝不足だろうか混乱しているようだ
「君以外使えるのか?そもそも君は人かい?」
「失敬な。私は人に似た亜人よ。逆に言えば貴方達の方が珍しいのよ」
「そうなのか?」
「そうよ周りを見てみなさい」
4人は当たりを見渡す。それはまさに異世界。
人がいなかった。ケモ耳に耳長族。ドワーフみたいな男。羽の生えた人。二足歩行の獣だっていた。
これだけしか言葉で表現できなかった。種族と言えばいいのだろう。つまり亜人なのだろう。
「なるほどつまり。人間のいる世界ではないと言うことだね」力や他の3人は納得する。
「そう。これが当たり前,私たちの世界なの」
「そうだ自己紹介がまだだったね。私はフローガよ」
「我々はこの世界で言う日本から来た。使者だ」
4人は自己紹介をした。
「よろしくね日本からの使者さん達」
「ところでフローガ質問いいか?」
ジャックが言う。
「何?」
「フローガという言葉の意味知っているか?」
「意味はよくわからない。おばあちゃんからつけてもらったの。皆、そうゆう風習があるの」
「なるどね」
「なんかあるのか?ジャック。」
力が言う。
「フローガ。そう読むが、フローガという言葉はφλόγαということに置き換えることができる」
ジャックはメモにか書いたものをみした。
「これもフローガなのか何文字だこれ?」
「これは古代ギリシャの文字だ。そして意味は炎だ」
「もしかしてギリシャ文字が存在しているってこと?」力が驚いた顔で言う。
「かもしれないね」
ジャックが言う。
「つまり俺たち以外の人間もこの世界に来ちゃっているってことだよな?」
ジャックに問うトム。
「可能性は極めて高い。この世界はずっと前からあっちの世界と繋がっていたかもしれない」
「こりゃ...面白くなってきてんじゃないの?」
力が言う。
「で?なんの話?」
フローガが言う。まるで蚊帳の外の気分だった。
「フローガ。人間に会ったことはあるか?」
「うーんこの先西南の方に行った先であったような気がするね」
それはズノイモの方角を指していた。
「ありがとうフローガ」
「ありがとう。貴方達ズノイモにいくつもり?」
「そうだが?」
「私もズノイモに行きたいの連れて行って」
「行ってきたんじゃないのか?」
「これ以上東には進めないし,そもそもお金ないし」
フローガはとぼけた顔をした。
「のけてもいいんじゃないですか?」
力が言う。仕方なくフローガを乗せた。5人になった装甲車は少し狭く感じた。




