b班
2人はどこへ行ってしまったのだろうか、ジャックはそう心中で言う。国から出ればスマホは役には立たない。衛星電話は車に置いてしまった。
23歳にして迷子となってしまった。一呼吸をしてするそうすると屋台の美味しいにおいがする。肉を焼いた匂いだ。そこの屋台は串刺しにした肉を焼いていた。
文字は読めなかったが肉の繊維を見て豚肉ぽいだと推定する。串を一つ購入する。味はスパイシーで、脂身は少なかった。
どくどくな臭みはあった。鹿のような味だった。ジャックは父と一緒に行ったハンティングで狩った鹿の味を思い出した。
ふけていると悲鳴が聞こえた。盗っ人はジャックの横を通る。ジャックは足をかけ,盗っ人は引っかかり,その場で転倒する。盗っ人は立ち上がり逃げようとするが、
ジャックは逃そうとはしなかった。盗っ人と少し小競り合いになる盗っ人は隠しナイフを出してジャックに挑む。
盗っ人はナイフを突き出すが、ジャックにはがいじめになってしまった。
ジャックは盗っ人から盗んだものを取り返した。
そうすると警察官らしき者もきて、盗っ人を差し出す。
だが盗まれた被害者が来なかった。ジャックはそこら辺の人に聞くが誰も知らないという。
ここでトムとハンナが戻ってきた。2人に事情を説明する。
「名前とか書いてないのか?」
「えーっと何これ」
例えで言えばルーン文字と同じ形をしていた。言葉はわかるが文字となるとよくわからなかった。
「やれ解読してみるか」
3人はいったん車に戻った。力は運転の疲れか熟睡をかましていた。3人は渾身の力で装甲車を揺らし力を起こした。
「あれ?飯は?」
力は寝ぼけていうが、飯より今は解読だ。
「解読が優先だ」
「解読なんの?」
トムは車に置いていた。眼鏡をかけた。このメガネは分析班と繋がっていて、かけるだけでなんでも分析してくれる便利道具だった。近々コンタクトのような。体に取り付けるらしい。
「名前はメアリーという名だ」
ありふれた名前だと思い。またこの落とし物持ち主であるメアリーに渡すことにした。
「今度こそご飯買ってきてくださいね」
力が言う。力の目はとろんとして今にも眠りそうだった。
「メアリーってやつに渡せたらな」
3人はまた人混みの中に消えていく。力は車内から見送るとまた目を瞑った。