b班
今楽しみというのはズバリ、飯だった。今回は荷物の都合により3日分の携行食しか持ってきていない。後は現地調達ということになってるが、現地の飯はb班の口に合うだろうか。
「街に寄ってみます?」
ジャックは提案した。gpsには街が確認された。現地との交流を兼ねてのことで寄りたいと思った。
「だけど言葉通じるのか?」
トムが言う。日本を出れば日本語や英語などは通じないと言われている。そもそも日本は国外に関しては無関心であったため,生活水準は正確にはわかっていないのが現状だった。
だから中世みたいな生活のなのか、それよりも下なのか現代なのかそれすらわからない。つまり、行ってみて見ないとわからないと言うことである。
「これ神代さんからです」
力はお守りを出した。
「ご利益なんかあるのか?」
「あれらしいです。翻訳できる札を入れてるって言ってました」
力は3人にわたした。
「便利なもん作ってんじゃん」
4人はドックタグ同様に首にかけた。
「これで言葉には怖くないな。さっそく行ってみようか」
車は、街へと向かう。
街は車が入れないくらいの賑わいをもたらしていた。街は現代ぽいではなかった。車すら見てなかった。装甲車を邪魔にならないところに止め,力を監視に置いて3人は街に入る。
人種といえばアジアやヨーロッパ、アフリカ,アメリカ,オセアニアとは違った。亜人も何人か確認できていた。街並みはレンガや石造りとは違う。漆喰壁での木造作りだ。街道は石ではない。
「やっぱり異世界ってこんな感じなんだね」
ハンナが言う。
人々は3人をジロジロと見る。迷彩服で着ているのが不思議なんだろうと思う。3人は市場へと向かう。
市場は果物や野菜,肉などが稚列している普通の市場に見えたが、文字から察するに我々が日本で口にしていた食材ではなかった。
「いろんな物あるね」
ハンナはいろんなものを物色し始める。次第にトムやジャックから離れてしまいそうになる。
「ハンナあまり遠くに行くなよ。逸れても知らないぞ」
トムはそう言う。
「ねぇねぇトム。これかって」
ハンナがトムの袖を引っ張る。それは綺麗な宝石がちりばめたブレスレットだった。
「値段っていくらなんだ」
計算は少しややこしかった。政府は密かに特務隊だけに、金貨やとの交換ができる。兌換紙幣を発行していたのだ。名前を明治元年に発行された太政官札からもじった。
太政官札は金貨や銀貨も同様に兌換できるということ。金1.5グラム1円と日本銀行は制定した。今持っている太政官札は1枚金貨100枚と同等の価値があった。あとはこの紙切れが金貨と等価交換できるかだった。日本から見て他国はどうでもいいが他国から見て日本は信用されているのだろうか。
トムはとりあえず。1枚ブレスレットを売っていた男性に差し出した。そうすると金貨30枚お釣りとして帰ってきた。ここではこの紙幣は通じるみたいだ。
「ありがとうトム」
ハンナはさっそくブレスレットを腕につけた。
だがジャックと逸れてしまったようだ。