機械島 仕事開始
仕事開始は翌朝となる。朝には霧が発生していた。
「おはようクロちゃんあの霧あんまり吸うなよ」
ネイトがあくびをしながら言う。
「もしかしてスモッグか?」
と答えた黒瀬。
「おぉわかってんじゃんって仕事はいつからだ?」
「パルチザンはよくわからないがとりあえず情報が乏しい」
黒瀬はネイサンに向かっていった。
「現地人を雇って情報を得るしか方法はないな」
ネイサンは肩をすくめて、両手の手のひらを上に向けた。よくやるジェスチャーだ。
「俺はよりあえず行方不明になった人の家に向かう他の二人は?」
「ドグと佐々木でスラム街に行って情報収集だって俺はお前と行くぞ」
「了解した」
と黒瀬は入れた手の紅茶を飲んだ。
黒瀬とネイサンは家に向かった。
喧騒な町やスラム街を抜け静寂の家々狭い街路を行き,薄寂しい家に着いたそこは狭くやっとの思いで家を建てたようなものだった。
家にの玄関のドアには鍵はかかっておらず、すんなりと入る。
「ここって土足okなの黒っち?」
「いいんじゃね?」
土足のまま入る。
部屋は一人暮らしのような感じである。キッチンがあり,テレビが置いてあり,洗面台風呂トイレそして書斎があるという間取りである。
「彼はここで何を?」
「ようわからんが休暇で故郷である機械島にもどったきり帰ってこないから同僚が心配して依頼してきた」
「行方不明者を捜すのは警察だろう?なんで俺たちなんだ?」
「多分管轄区域外だからだろう?軍だって政府だって別じゃないか?」
この国の管轄は5当分にできる。まず中央部という大きな島がある。面積は870万kmこちらの世界で言えばオーストラリア大陸より少し大きいぐらいだ。
中央部には軍は存在せず各方面司令部と総司令部と中央部国民を守る親衛隊,貴族,王族を守る近衛師団になる。
警察も中央警察となっている。南部というものは元々この国に反逆したものが流れ着いた場所である。
中央部からの命令は全て無視そのことによって南部独自の都市発展した。また我々がいる西方は少数民族,他国との貿易,交流によって異国情緒あふれるものとなった。
しかし西方には亜人,異人,そして異世界から来た異世界人などの異質なものたちが集まった場所でもある。
中央とはうまく連携は取れているが中央からは差別的な態度を取られている。東方は長きにわたり隣国との戦争をして衰退しておりまともに統治などはできていない軍なども正規軍は作らず,終戦後教育部隊を編成し教育を担当する方面として役に立っている。
最後に北方の説明である北方は発電所や研究所などが多く最初の頃は軍隊など存在しなかったが発電所や研究所を守る自警団が拡大したことによって中央部から軍隊として認められ今に至る。
「つまり言えば中央部からのご依頼は引き受けできませんってことか?」
「そのようだそして何でも屋の特務隊にすがるような思い出依頼してきてのだろう」
二人は部屋の中を物色する。だがヒントになるようなものは見つからない。書斎に移る。
書斎は入って奥の壁に本棚が二つ右にも二つそして入ってすぐに机があってその後ろに一つの本棚がある。床はぎっしりと本が散らばっており足の踏み場はなかった。
本の分類は人体から考古学または医学だったり物理学であったりと多種多様であった。
「おいこれ埃かかってるぞ読んでないのか」
とネイサンは本についてあるホコリを見て指で触った。
「かえっていちからやりなおすか?」
黒瀬は諦めたような口調で言った。
「おいまてよクロちゃん机の後ろの本だけホコリがないぞ」
ネイサンはその本に手を差し伸べるとその本はまるで隠し扉を開かせたとように機械音がして机の下に部屋が現れた。
「おいおいこれって隠し部屋じゃん早く入ろうぜクロちゃん」
ネイサンはまるで子供のようにすぐさま入っていった。
電気が通っており電気をつけるとそこにはびっしりとメモ書きのようなものが貼り付けられていてそこには二人ではよくわからない計算がしてあった。
「この計算わかるか黒っち?」
「いや,ネイトは?一応大学出てるんだろ?」
「わかるわけないでしょ俺の専攻は建築学だしこんな数式使わないよ」
「とりあえず分析班に送って結果を待つか」
黒瀬はスマホ取り出しあたりを写真撮って分析班に転送した。
すぐさま返信が来た。
分析班長の結城准尉からのリモートが来た。
「おい、黒瀬顔が写ってないぞ」
「いえ、准尉地下にいるので多分電波で映らないと思います」
「そうか,そうかお前が送った計算式だが凄いぞ」
「どんな数式なんですか?」
「あぁーこれはな簡単に言えば新たなエネルギー源を表している」
「エネルギー源?」
「そうだ。全く新しいエネルギーだ。蒸気でも石油や,火力,水力,風力、太陽光,原子力では全く別なものだこれは凄いぞこの世界にノーベル賞があれば間違いなく受賞しているだろうし石油王みたいになれたがしれないぞ!」
結城は電話越しに興奮じみて二人に説明をした。
「ありがとうございます准尉助かりました」
「おうよまたわからなくなったらすぐ頼んでいいぞ」
リモートは切れた。
「新しいエネルギーかもしかしたらな」
ある仮説ができた。
「もしこのエネルギー源の研究資料を誰かが独り占めか奪いに来てこの人をさらったとかもしれないな」
「もしかしてパルチザン?」
ネイサンは言った。
「この人を金と交換するためにわざわざするのか?しかもこの研究はだれが知っているのかもわからないのに」
「じゃあ今から探すか」
二人は地下部屋から出たしかし,実戦経験豊富な二人はこの家を取り囲もうとしている輩の存在にいち早く気づいた。
「今度こそパルチザン?」
「わからんがとりあえずどうするここはアメリカ流で頼む」
黒瀬が言う
「まぁ射ってきたら敵だが,ここは日本の四字熟語である先手必勝一撃必殺で行こう」
「先に出る後は援護よろしく」
黒瀬は息良いよくタックルして窓ガラスを体で割って外に出た。
黒瀬の読みどうり縦一列になっている敵兵が5人いたその真ん中の兵士の首を黒瀬自慢の日本刀で敵の椎骨動脈をぶった斬った。周りに血が飛び散り
黒瀬の黒い服も赤斑点がついた。
「まず一人」黒瀬はその場去る
この場合突入班と後ろから見ている別働班がいる
黒瀬はまず突入犯に対して牽制を入れ別働班掃討に向かった。
ネイサンは壁越しにm4a1射つ。4人目と5人目を倒したと思われる。
ネイサンは玄関から出てすぐ右を見て一番前の兵士に銃弾を打ち込む。二番目の兵士も顔を出すが待ち構えていたのでネイサンに撃たれた。
敵を撃ち殺し弾倉をリロードしている最中インカムで黒瀬からの連絡が入った。
「後方の5人やった。刀で撫で斬りして返り血を浴びたわそちらに戻る」
「了解,逆襲には気を付けろよ」
ネイサンは部屋の中から周囲を見渡す黒瀬が帰ってくるまで待機した。そんなにはかからなかった。黒い服が漆黒から玄の色のような色付きとなっていた上半身は朱殷色に染まり顔は血の汗のような感じだ黒瀬は顔の血を拭い仕事が終わりに道端で一服した。
「あのバカ狙われたらどうする」
ネイサンは黒瀬を呼び寄せる合図を出した。
その時ネイサンはすぐ気づき200メートル先の狙撃兵を撃った。
「おい道端でタバコ吸うなよ狙われてたぞ」
「俺,不死身だしタバコぐらいすわしてくれよそれにネイサン曹長が俺の背中を守ってくれるって信じてたし」
黒瀬は笑って煙を吸い込みうまそうに吐き出した
「たくーお前はー」
タバコの臭いが部屋の中でも感じる。黒瀬は幸せそうな様子だった。
「あなたたち私のお父さんになんかようなの」
甲高い女性の声が突飛に聞こえた。
黒瀬は刀を鯉口を切りネイサンは安全装置を解除して右手の人差し指の第一関節をトリガーの手前まで置き,臨戦態勢をとった。
その女性の服装はスチールパンクで武装はレバーアクションライフルのようなもの携帯してこちらに向かって銃を向けていた。




