故郷3
「とりあえず逃げましたけどこの後はどうしますか?先輩」
「そうだな星野このまま行こうちょっと休憩しようか」
と黒瀬は水筒を取り出してソラに差し出した
3人は日陰に座った。
徐に黒瀬は口を開く
「一つ仮説を立てたんだが二人とも聞いてくれないか?」
二人は興味を持って聞く耳も持った。
俺が疑問に思ったのは三つ。まず一つは案内板だ
あの案内板だが実際との建物との位置は異なってることがわかった。
「なぜわかったのですか?」ソラが聞く
簡単だよソラ案内板には建物と道が記されているだろう。その道があっていなかったんだ。
そして二つ目ずっと前に行ってもかわらない景色
最後の三つ目俺の腕時計が止まっていることちなみに俺はソーラー電波だ狂うことはこの時計をつけてから一度もない。
星野は自分の腕時計を確認する。
「私のもです止まってます」
そうこのことを踏まえ考えてみた結果我々は何かしらの時間の進まない空間の中にいるのだ。
つまり我々が歩いた時間、この空間にいる時間全てが止まっている。
「じゃなぜ止まっているのですか?」
と聞く星野こっから黒瀬の長い説明となる
「そもそも空間というのは3次元の広がりであり、人間が認識した時点で空間となる。話が変わるが時間というものは自然ではない、人間が生み出したものだ
24時間、365日、西暦、年号、とこれは時間というものになる。しかし空間は認識しなくても外界のいかなるものとも関係がなく、常に同じままで不動の状態である同時に時空として平行になっているとつまりこの空間は我々が過ごしているとは別の空間であると」
そう言って人差し指を天高く空に向けた。
「そして止まっている理由は我々は彷徨っているんだこの空間と時間の中で」
さらに続ける
「我々は亡霊のように帰る場所を探してるんだソラみたいに帰る場所を」
「待ってくださいじゃああの男性は死んでるんですか?そしてソラちゃんも」
「それはわからないだが成仏できずにそのままなのかもしれないそして今はお盆に近いまぁこっちの世界はお盆はないかそして浮遊霊なんて自分が死んだことなんて気付いてない」
「つまりソラ、」ソラに正対する黒瀬。
「君は彷徨ってるんだ。家はもうわかるだろう」
ソラは首を縦に振った。振った瞬間道路に一筋の光が燦然と輝いた。それはまるで道標のようにまたは案内をしているようだった。
「よし行こうソラちゃん」
星野はソラの右手を繋いだ。
「ほら先輩も繋ぎましょうよ」
「わかったわかった」
黒瀬はソラの左手を繋いだ。
そしてソラの家と思われるところについた。
「ソラちゃん着いたねお家に」
「うん,ここまでありがとう。後これ」
ソラはリュックサックからあの本を出した。
「この本私たちが探していた本ですよ」
「うんお父さんがずっと読んでたから遠くの方に行く時もこれくれたからあげる」
星野は本を受け取り,「ソラちゃんありがとうまた会おうね」星野は手を振った。それをみて黒瀬も軽く振った。ソラは光に消えていった」
そして時間も戻り正常になった。
「黒瀬さんひとつ質問があるのですか?」
「なんだ新入り?」
「ソラちゃんが死んでいたらなぜ本を持っていたのですか?」
「もしかしたら本にソラが憑依したのかもしれないな。浮遊霊は憑依するからな,髪が伸びる人形とか式神もその類だろ?」
「なるほど」
言った瞬間インカムからフェイクの声が聞こえてきた。
「おい二人とも今どこにいる?ずっと送信してたのに聞こえなくなるから心配してるんだぞ」
黒瀬が話す
「えーこちら黒瀬,星野と一緒ですそして本も回収しました。」
「え、うそまじ!やったじゃあすぐに戻ってきて」
「了」と言って二人は戻った。




