南部戦役 1 前日
「とりあえずその2人を担いでここから出るぞ」
ジョンは指示して黒瀬と自分が担ぐごとにした。
回収地点まであと4キロだった。意外に近いかもしれないがこっからは森だった。森の中をひょいひょいと駆け上がって行く。第1分隊の弾はほぼ全員撃ち尽くしていた。第二分隊は時間稼ぎといして殿を望んだ。弾を撃ってないからだった。
ただ人を無駄に殺して無駄に疲れただけだった。だがこの行為は正当化される。
しかもオスカーではない2人の美少女を捕まえただけだった。
「この2人どうします?」
「もしかしたらオスカーの武装JKなのかもしれない尋問して,違ったら解放だ」
ようやく平たい大草原に着く。そこにはowlが止まっていた。
第1分隊が機内に入ると、エンジンが回り,第2分隊が到着したのはそれから2分足らずだった。全員を収容してowlは飛んだ南部から近い
西部の前線基地【オトラント】に到着した。
基地の全員は特務隊を出迎える。周りから見ると特務隊は任務に失敗したということで片付けられた。南部属州総督を救出するのが失敗して,撤退してきたという話になっていた。それも全て根回ししたのが新城だった。もうテレビ画面では南部の情報が流れる。我々のことは一切流れなかった。
南部軍総司令官は,カテリニ市民,南部原住民,そして隣国ドラマに宣戦布告し戦争となる。
これがのちの南方戦役となった。南部の目的としては南部に残っている。南部原住民[亜人]とカテリニ市民の排除が目的だった。そしてカテリニを日本人みづから統治したいと意図が見える。
南部軍部たちは特務隊を大いに評価をした。なぜなら戦争する。口実が欲しかったのだ。
特務隊としてはオスカーを捕まえられなかったことが大いに残念であった。オスカーはこれが起きると知っていた。特務隊がいなくても起きるとは予想していた。いや,起こしたことが正解なのだろうか。
今となってはどうでもよかった。だが戦争に巻き込まれるのだけは勘弁だった。
「で,特務隊はこれからどうするんですか」
黒瀬が言う。
「戦争だろうな、何年かかるかわからないけど」
「今年の春までは終わるのでは?」
星野が言う
「まーた今年の春とか冬に終わるって言って終わった試しなんかないよ」
トムが嘲笑うかのように言う。
南部としては支援はいらないと表明した。だから基地に戻り,ゆっくりとするだけだった。が新城から連絡が入る。
「ジョン大佐おつかれ,今んところ怪我や死人は出てない?」
「特務隊には出てないですが、」
「それは良かった,いい話と悪い話がある」
「いい話は?」
「うん。本が見つかった」
「で悪い話は?」
「その本がさっき宣戦布告した隣国【ドラマ】から出土したってこと」
マイクをオンにしているので近くにいる特務隊全員に聞こえる。そして全員のため息がジョンのスマホを通って新城の耳元に届く。
「明日出発するように手筈している。今日は一日休んでくれ」
「あと2人捕まえたんだがそっちに送っていいか?」
「えーめんどいから焼くなり煮るなり好きにしていいよ」
軍人とは思えない発言だった。新城は電話をきった。
「と言うことだだから全員休め,明日の0800ごろ出発する」
ジョンは言う全員の『了解』と言い皆解散し始める。ジョンは2人のところへ向かう。
そうすると黒瀬が角での通路で待っていた。
「あの2人に会いに行くのか?」
「もちろんだ一緒に来るか?」
ジョンは言う黒瀬は黙ってジョンについて行く。
「2人の名前わかったのか?」
黒瀬が言う。
「これだ見といて」
ジョンはバインダーを黒瀬に渡す。くろせは読み始める。
白人系の美少女は名をフレイと名乗っていた。
もう1人の黒髪美少女は鯀と名乗る。
2人とも日本在住ではなかった。後は聞いてみるしなかった。
2人が幽閉されている部屋に入る。部屋が暗かったため,黒瀬は電気をつける。2人は眩しい顔をする。黒瀬と目が合うと,椅子を壊そうとする
2人は椅子に座っていた。一応立てないように紐が結んでおり,後手錠もしてある。
ジョンも椅子に座り,黒瀬は後ろのドアに寄っかかる。
「君達は何者だ?」
ジョンが言う。
「まずそっちが名乗るのが筋なのでは?」
フレイが言う。
「私はジョン・スミス大佐。特務隊隊長だ。でこっちが君達を怪我させ,気絶させた張本人黒瀬だ」ジョンは自己紹介をして皮肉に笑う。
「君たちの名前はわかってる。君がフレイで君が鯀だね」
「直入に聞くが君達の雇い主はこいつか?」
ジョンはオスカーの写真を見せる。
「あんたたちこの人知ってるの?!」
鯀が興奮して聞く。椅子から立ち上がろうとする。
「こら鯀!!だめでしょ」
「ごめんなさいフレイ」
鯀は普通に座る。
「その反応だとオスカーを知ってるようだな」
「私達そいつを探してるの。そいつを殺さないと戦争が起きるって」
鯀が言う。
「戦争って今テレビでやってることか?」
2人は戦争が起こったことをまだ知らなかった。
「もう起きてるの?」
「あぁついさっき宣戦布告をした」
「俺とオスカーなんで間違えたんだ」
「間違えたって,私達もあの道でオスカーを見つけた。で,今だって思って銃向けたらお前だったから,だいたい先に手出したのお前だからね」
フレイは逆にキレる。それに黒瀬も憤怒するが顔には出さず,怒りを鎮める。
「で君たちの雇い主はだれなんだ?」
ジョンは再び質問する。
「それは」
フレイが言葉を飲む。
「それは私たちの社長。マスターだよ」
鯀は答える。
「マスター?そのマスターはどこにいるだ?」
鯀が答えようとするが,フレイが止める。
「邪魔しないでよフレイ」
「答える必要なんてないんだよ。敵だったらどうするんだよ」
2人は小声で話す。黒瀬とジョンは目を合わせ,首を傾げる。
「君たちの処分は煮るなり焼くなり自由にできる。つまり,解放もできるし,このまま銃殺刑もできる。ここは質問に答えるのが無難だが」
「その保証はあるの?」
「黒瀬。昼時この2人の美少女に殴られたか?」
「いいえ,この傷は転んだ傷です。たいしことはありません」
「わかった。話すよ私たちのマスターはドラマにいる。日本との戦争をしないようにするためにね、でその戦争を止めるためにオスカーを逮捕するのが私たちの目的」
「君達もしかして,ドラマに帰りたいか?」
「帰りたいけど今戦争やってるなら私たちは捕虜になるんだろうね」
「いや,我々特務隊もドラマに行くことになっているだったら道案内としてついてくるか?」
「え!!いいいの?」
鯀が言う。また椅子が壊れそうになる。
「いいけど条件がある」
「条件って?」
「この縄と手錠をはずすことと道案内しているときも,手錠はなし,そしてこの傷を治して欲しい」
フレイが言う。だが傷は治すになる瀧が必要だった。
「瀧いないしな」
「おっとその話聞かせてもらった」
颯爽と瀧が現れた。瀧はさっそく診断を始める。
「あざに,打撲に捻挫ね。これなら私の力で治せるよ」
瀧は血療を始める。
「それって回復魔法?」
フレイが聞く。
「魔法というより,等価交換的な感じかなぁ。僕の血を使って治療するから永久的に使えない」
「どこでそれを覚えたの?」
鯀が聞く。
「この世界に来てから使えるようになった」
「私達の国だと魔法とか,術を使える人達がいるから何かわかるのでは?」
フレイが提案する。
「ドラマってそんな国なのか?」
ジョンが言う。
「幻想的な国それがドラマ私だって元はエルフよ」黒瀬やジョン瀧は思い出したような顔をする。
「エルフ聞いたことあるたしか、」
瀧がいう
「北欧神話に出てくる妖精か?」
黒瀬が言う。
「鯀だって元は妖怪よ」
フレイが言う。
「2人とも傷は治ったよ。どう?動かしてみて」
瀧は立ち上がり2人に言う。2人は痛かった箇所を触る。
「痛くない」
2人の驚きに瀧はホッとする。
「瀧。どのくらいの血を使ったんだ?」
「ほんの採血程度ですよ。後で肉奢ってくださいね」瀧は笑い,冗談を交え部屋から出る。黒瀬は手錠と縄を外した。
「これで交渉成立ね。よろしくジョン隊長」
フレイは握手を求めた。その要求にジョンも飲んだ。
「出発は朝の0800だ。これから肉を食べるが一緒にどうだ?」
ジョンは特務隊で基地内でバーベキューをやることにした。




