市街地戦
火に油を注ぐのは多分この場所だろう。
そうジョンは予想した。
日本南部属州特別区【カテリニ】は隣国ドラマからの租借地であり,カテリニ市民は日本の統治に不満を持っていた南部及び中央政府はカテリニの暴動を放任していた。そのため独自に属州総統は治安部隊を動かしこれらを弾圧していた。政府に反感を持っている南部原住民とカテリニそして,属州総督この三つ巴だった。
「素朴な疑問なんだが,南部原住民とカテリニは統合したりしないのか?」
ネイサンが質問する。
もちろん南部原住民とカテリニは同じ南部政府に敵対心を持っていた。だが,二つは違う敵対心だった。
まずカテリニは隣国ドラマへの返還を求めていた。反対したのは南部政府とまさかの南部原住民である。カテリニは今や重要な港と陸路を保持しており,今や南部の重要都市となっている。手放さないわけがなかった。後50年租借地である。
南部原住民はもともと日本との併合は反対だった。だが中央政府は無理に南部との併合した。が中央政府は南部に無関心で統治などは南部に任せていた。統治は日本だが政治や統括は日本でないといったかんじた。
「つまり怒りの矛先が違うんだな?」
「そんな感じだ。自由になりたい南部と国へ返還してもらいたいカリテニそして,南部は中央政府の思惑などがあって今は一心即発状態だ」
「それにこの日、属州総統が視察しに来るその時に狙うだろう」
「まるでヨーロッパの火薬庫みたいですね」
「もしかしたらサラエボ事件のようになるかもしれないね」
「そうだそれで火のついたマッチ棒を持って現れたオスカーがいたらどうなる?」
「まぁだいたいそうぞうはつくだろつな」
黒瀬が言う。
「で、隊長どれに加勢するんだ?」
「どれも加勢はしない。今回はオスカーを見つけ次第殺す。それだけだ」
「あと南部までどうやっていくんだ?。アンタルヤとは違ってくるまではいけないですよ」
リチャードが言う。
「大丈夫今回は上からだ」
座標秘匿 時刻2100 カリテニ上空 C130機内
「おいどうしたクロちゃん震えてるぞ」
ネイサンが黒瀬の肩を揉み言う。
「いやいやまさか空挺降下って思うかよ」
「まさかお前初めてか」
「おーいみんな聞いてくれクロちゃんジャンプ初めてだってよ」
ネイサンは周りに言う。エンジンの音で聞こえてるかわからなかったが。皆黒瀬の方を向いた。
「大丈夫だ安心しろ黒瀬。お前はネイサンと一緒に飛んでもらう」
ジョンが言う。
「マジかよ」
「よかったなクロちゃんじゃあ準備はいい?」
そろそろ赤ランプが点灯し始める時間だったからだ。
ジャンプマスターはジョンだ。ジョンは赤ランプが点灯を確認すると皆んなを立たせた。
「立て!!」
「フックをかけろ」
手の合図と大きい声で言う。
「装備チェック!!」
後ろから始めて“よし”と言う声が聞こえて来る。そして佐々木がジョンの装備を確認して,よしと言う。
「降下よーい」
赤ランプから青ランプに変わり【GO】降下のサインだ。
「let's go!!!」
佐々木から降りて行く。ジョンはフックを引っかからないように回収する。そして黒瀬とネイサンの番が来た。
「降りるよー」
そう黒瀬言いに外に飛び出す。飛び出したと同時に落下傘が開き,制動する。グンという衝撃があったが,耐えられないほどではなかった。ゆっくりゆっくりと緑地に落ちて行く。
「重くないのか?」
黒瀬が聞く。
「予備パラシュートと他の装備とか外してるから大丈夫だ。後は着地で怪我をしないことだね」
着地まで1分もかからなかった。ゆっくりと優しく着地する。ネイサンは足でブレーキをかけ,パラシュートとの紐が絡まないように瞬時に避け,ハーネスを外す。パラシュートを畳み,黒瀬とネイサンは第1分隊に合流する。
今回の編成はaとdの第1分隊。bとeの第2分隊。cはそれぞれに分かれた。暗闇の中合流する。
街まで直線で12キロの地点に降りた。街まで行進する。
街では四六時中、デモ。暴動。銃声も聞こえる。そんな中、特務隊は武力介入する。
森の中をひたすらに街に向かい歩く。補給物資はなく,弾も装備も普通より多めに持って来ているせいか汗や疲れはどっと出る。
0900時 市街地ラリサ パレードまで1時間に迫った。
第2分隊は街が見渡せる場所で待機。第1分隊は街に溶け込む。パレードのルートには人がごった返していた。人々を分析していくと過激派南部原住民や国際指名手配のカテリニ市民が紛れ込んでいた。
「これもしかして本当にあるでは?」
佐々木が言う。
「かもしれないな」
「俺はオスカーを探してくる」
黒瀬はそういい出て行く。
「おい単独行動は...」
ネイサンが言いジョンの方を見た。
ジョンも納得いかない顔だったが黒瀬の単独行動は受け入れた。
無線で第2分隊からの連絡が入る。ドローンでわかったことだが、二つある一つは治安部隊を隠して待機させていること。そしてここから重要で,視察に来た属州総統は影武者だったこと。ドローンの人物探知は正確で信頼性は高い。
「つまりこれって起こるべくして起こるのでは?」
力がジョンに言う。
「予測だが,三つに根回しをしている。あらかじめ,属州総統に視察にテロが起きると言うのを伝える。それを聞いた治安部隊は影武者を暗殺されることによってこじつけができる。だから黙って見ているってことだ。でも実は南部原住民とカテリニ市民には伝えている」
「これってもしかして,オスカーにはめられた?」
「カテリニや南部原住民はそれでも決行するのだろう?」
「今は戦う準備ができているが,理由が欲しいんだよ。戦う理由がね」
予定通りパレードが始まる。ジョンは地図で暗殺の位置はここだとみんなに言い予想する。皆は配置についた。
一方黒瀬は屋根の上にいた。オスカーのあの独特な殺意の気配がしていた。双眼鏡で探すが一向に見つからない。人物センサーでオスカーを探す。
特定の人物にしか反応しないセンサーで,正確である。150メートル先2階の一角からセンサーが反応する。黒瀬は急いで向かう屋根と屋根を飛び越える。もうパレードは始まっているからだ。
オスカーがいると思われる部屋の窓を突き破り突入する。そこには紛れもなく,オスカーがいた。
「黒瀬くん待ってたよ。これから面白いのが始まるよ。君を見て行きなよ」
「あいにくそんな時間なくてな」
黒瀬は刀を抜刀する。
「今回は何もしていないよ。これから始まるショーを見に来ただけさ」
「暗殺見て楽しいか?」
「暗殺だけではないよもっと大きく壮大で大規模な戦争になるよ」
「なんだと」
斬りかかろうと思ったその瞬間爆発音がする。
「ほら始まった。これからもっと忙しくなるね」
オスカーは逃げた。
黒瀬は追いかけた。そして銃声も大きくなってゆく。
市街地戦闘
「第1分隊無線聴こえるか!!」
ジョンが無線で伝える。第1分隊は属州総統暗殺現場にいた。五つの交差点が交わっており,どこから来るかわからなかい常態であった。
「先制はするなオスカーを見つけここから離脱する。弾を撃ってきたら交戦を許可する。第二分隊は合流してくれ」
「弾が飛んできたってどうやって判断すればいいんだよ」
佐々木鎌言う。
「ピューって音がしたからこっちにきてる音だ。パスンとかそれは近く着弾した音だ」
ネイサンが説明してくれる。
ドローンで治安部隊が出動するのを確認できた。
そして武装している南部原住民とカテリニ市民も確認できる。これはつまり合戦である。
特務隊に手を出したのは,過激派南部原住民だった。
ピューという音が近くから聞こえる。
「撃ち方始め、撃ち方始め!!」
ジョンの声高で言う。
一斉に第1分隊は撃ち始める。もちろん武装している人にしか向けてない。それに治安部隊も合流する。治安部隊とはいえ,中身は軍隊そのもの、治安部隊は特務隊を味方だと勘違いしたが,治安部隊にも容赦なく撃つ。
これはもう立派な戦闘である。
南部原住民はカテリニ市民との戦闘。それに治安部隊であった。
第1分隊は移動を開始した。メイン道路を北上して,黒瀬に合流する。後ろからも敵が撃ってくる。
佐々木と機関銃手のウィリアムが応戦する。
「佐々木前に行け援護する」
m249の脚を立て,伏せ撃ちをして,追ってきた10人くらいの敵に向かって掃射する。ある程度後方に下がった佐々木も89式小銃で加勢する。3点バーストで撃つがあまり当たってないので単発に切り替える。
「援護する」
佐々木が言うとウィリアムも下がる。
「なんで単発に切り替えた?」
「連発はウィルに任せた」
佐々木は30発弾倉をリロードをして,再び撃ち続ける。
「前方1時から敵」
左に側にいた。ネイサンが言い交戦を開始する。敵は2階からや壁に隠れたりとしたつまり待ち伏せにあったのだ
「俺と星野で回って回り込みする。ついてこい」
ジョンと星野は裏道を回り,隠れている敵を側面から挟撃することにした。
「ネイサン2階の敵は任せたぞ」
更科は自分自身の血で作った刀で突撃して行く。
ネイサンはm16に装備しているm203に榴弾を装填して,2階に目掛け撃った。激しい轟音と瓦礫が飛んできて見事2階の部屋は木っ端微塵となった。
いちばん手前にいた敵は更科の餌食となる。近接となれば,更科が強い。
側面に出た2人は見つけ次第敵を撃った。
「クリア」
星野はネイサンたちに制圧をしたという合図を送る。
黒瀬はオスカーを追う。だが路地裏出るとそこは人がごった返していた。多分銃撃に逃げているものと応戦しに行くものたちだ。そしてオスカーを見失う。
「ちくしょうあの時と同じじゃないかよ」
オスカーの殺気について行く。ほぼここからは自分自身の感に頼っている。
「止まれ」
静かに黒瀬の後ろ側頭部に拳銃を突きつけられた。
黒瀬は無言で両手を頭の付近まであげる。声から察するにオスカーでないし,オスカーの殺気も感じられなかった。
「誰だ?人違いだ。俺は今人を追っているれ
黒瀬は弁明する。
「ちょうどよかった私たちもオスカーを追ってるところよ。あんた何者?」
謎の人はいう。
「だったらこうゆう事だ」
瞬間に黒瀬は銃を奪い,銃の薬室から弾を抜き,マガジンも取り出す。
「俺の背後をとるのは10年早い」
そう黒瀬は決めセリフを言う。
とられた謎の人は軽く手首を痛めたのか回していた。
「それよりそのフード外した方がいいんじゃないか?」
黒瀬は余裕の構えで言う。フードを外すそれは美少女で,髪は白く,肌も白かったので白人系だと判断した。
白人の美少女は黒瀬に闘いを挑んできた。女だろうと容赦はしないそれが黒瀬の流儀だった。
白人美少女は右ストレートを黒瀬の顔目掛けてくるが,それを左手で流し,右からもくるがそれは受け止めて,隙がある腹に1発入れる。黒瀬は倒れさせ絞技を決めたかったが,美少女は粘る。俊敏さと持ち前の筋力で黒瀬に立ち向かう。
少女は右脇腹に蹴りを入れる黒瀬は両腕で受け止めた。が,怯んだせいで美少女にマウントを取られてしまう。
美少女は右や左からのパンチを繰り出す。避けたり,受け止めたりしかできず反撃はできなかった。美少女が回し蹴りをしようとした隙に,胸部あたりに1発キメル。美少女はひるみその隙に大外刈りをきめ、倒れさせ,絞技できめた。
「降参しろ。お前は誰だ?」
「でももう1人いたら?」
もう1人謎の人物が背面から拳が飛んでくる。黒瀬は避け,そのまま一本投げをきめた。相手は軽く多分女性だと判断した。投げて相手の腕を掴み、腹に1発ジャブを食らわせ,腕を背中に回して確保した。フードを取ると黒髪の美少女だった。黒瀬は銃を取り出し黒髪の美少女の頭に突きつける。
「降参しろお前らは誰だ?」
黒瀬は言う。美少女は吐血を腕でふいた。だが白人系の美少女はまだやる気だった。黒瀬は撃鉄を起こして,トリガーに指をかけた。
「そこまでだお前ら」
きたのは特務隊ではなく、銃を所持した治安部隊だった。黒瀬は銃口を真っ先に治安部隊に向け撃った。黒瀬に向かって治安部隊は撃つが、黒瀬は拳銃を捨て日本刀で治安部隊を斬り刻む。その刹那さに驚く時間もなかった美少女2人,2人は黒瀬に同時攻撃を仕掛けたが呆気なく取り押さえられ,2人を気絶させて結束バンドで手首を締め押さえた。
「間もない」
黒瀬は言い血を吹き刀をしまう。そして特務隊も到着する。
「誰だそいつら?」
第1分隊も到着する。
「こっちがききてぇーよ!!!」
黒瀬は酷く怒っていた。




