質問
ジョンは武装女子高生が幽閉されている部屋へ向かっていた。
「大佐!大佐!!やめてください大佐!!!」
瀧はジョンの腕を掴み,止めようとするが、ジョンは振り切る。瀧の後ろから,お手すきだった。各班員までジョンを説得させ止める。
「なぜ止める?話をするだけだぞ」
ジョンは不思議がるが、顔は穏やかではなかった。
「何をする気なんですか?相手はまだ子供ですよ。それに怪我だって治っていないのに」
「大丈夫だ。オスカーの居場所を掴むだけさもし私があの子に指一本でも触れたらネイサン私を撃ってくれ」
ジョンは自分のホルスターから愛銃m1911をネイサンに渡した。
「その時は躊躇なく撃ちます」
ネイサンは頷く。それを見たジョンも頷き武装女子高生のところへと向かう。
「本気なんですか?ネイサン?」
「もちろん」
「何でそう2人は....ーーーーーツっ?!!」
瀧は言葉にならない叫びが廊下に響く。
宮古で襲撃してきた5人の武装女子高生【武装JK】と呼称する。うちわけは2人は死亡。重症2人。軽傷1人。だった。
軽傷の1人は,監視のもと、治療をして病室に幽閉状態だった。監視兵から部屋のドアを開けてもらい,中に入る。
武装JK(C)はベットに座っていて部屋に入ってくるジョンを見た。武装JK(C)は頭と腕それに足に包帯を巻いていた。
「その椅子に座っていいか?」
ジョンは目の前にあるパイプ椅子に指を指す。
武装JK(C)は何も言わずに,目線をジョンから壁へと移す。
「君とは馴れ合うつもりもないし,凌辱するつもりもない。ただ君の飼い主居場所を知りたいだけだ」
日米共同作戦とかに参加をしたことがあるがこんな感覚は初めてだった。つい1週間前に銃でやり合った敵同士だった。あの時は敵の顔なんて覚えてられなかった。もしかしたからこの子に撃ったかもしれなかった。責任逃れみたいだが仲間を殺したのは事実だ。逃げられることはない。
武装JK(C)は俯いて,ぐったりとしてまるでオスカーに血を抜かれたようなかんじだった。
「この子の身元ってわかったんですか?」
監視カメラで動向を伺っていた瀧が永井に言う。
「まだはっきりとはしていないですが多分孤児でしょう。修道院から抜け出した子だろとわかりました」
永井は修道院で撮られた5、6年前の写真を瀧に見せる。その写真には笑顔でカメラにピースをする可愛らしい女の子が写っていた。
「普通の子だったのに,何でオスカーは銃を持たせるのだろうか?戦う理由なんてないのに」
瀧は嘆く。
「主従関係だから銃を持って撃つってのは芸をするのと一緒なんだろうな」
ネイサンが呟く。
「で、君はオスカーの居場所を知ってるのか?」
「君は何のために忠義を尽くしてんだ?」
「何で君たちはそこまでして命をかけて戦うんだ?」
ジョンの質問には武装JK(C)は返答はしなかった。
「黙ってちゃどうしようもないだろ。君はこれからどうしたい?。何か食べる?それとも寝る?」
ジョンは武装JK(C)のベットの端に座る。ポケットからチョコを取り出す。
武装JK(C)はジョンから距離を置いた。
「チョコだ。そういえば、病院食も食べてないんだって?。お腹空いたんでは?」
ジョンは腕の伸ばし,武装JK(C)に届くくらい伸ばした。武装JK(C)はチョコを受け取り,ガツガツ食べ始めた。
「いまは居場所の話は無しにしよう。君とオスカーが出会った話し聞かせてくれる?」
「主人様と出会ったのは、6年前。昨日のように思い出す。私のママとパパが戦争で死んで1人でいるとあの人はまるで天使のように現れて私に手を出して繋いでくれた。あの手の温もりは今でも手に残ってる」
そう言い武装JK(C)は自分の手を触った。
「君にとってオスカーはどんな存在だ?」
「私の全て。主人様は命令をしてくれた。仕事が終わって報告するといつも褒めてくれた」
「今は連絡はとれるのか?」
武装JK(C)は首を横に振る。
「私が好きなことは戦うこと。それだけなの。後はどうでもいいの」
「他に好きなのは?。例えば..買い物とか?」
「どうでもいいの、戦いしか知らないから」
「戦いをやめて普通に生きればいいじゃないか?」
「普通とは?戦うこと?」
「普通に仕事をして,ご飯食べて家で寝ることだ」
「仕事はもうできないし家はないしご飯はどうでもいい。私には帰る場所ない」
「ならここで働けばいい,家もあるし,ご飯も食えるチョコもたくさんある。帰る場所はあるぞ」
「そう...」
武装JK(C)は静かに言う。
「オスカーは何か言ってなかったか?どっか行くとかなんとか」
「どっか...南の方に火が出るから油を注ぎに行くって言ってたような。でもいつかはわからない」
「なるほどわかった。ありがとう」
ジョンは部屋から出る。各班員に会う。
「今度は南か..隊長見当はつくのか?」
ネイサンが言う。
「まぁある程度は..1時間以内に各員本部に集まれ」
ジョンが言う。