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異世界戦記  作者: トマト
宮古事変
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宮古7

「まず何から話そうかなんでもいいよ」

オスカーが言う。オスカーは腕を組んで頷き仁王立ちをしてまるでかかってこいよと言わんばかりの態度だった。


「これも全てお前の仕業か?」

ヴォルフが言う。


「少し違う。手伝っただけだよ」

オスカーは満面の笑みで答える。実に腹立たしい。


「手伝っただと?どうゆうことだ?」

ヴォルフに眉間皺がよる。罵倒のように返答する。ヴォルフの怒りの沸点が超えそうだった。


「このガスもホムンクルスもこの国が長年隠してた事だよ」オスカーは自信があるかのように答える。


「例えばさ開けちゃいけない箱があったら君たちはどうする?」オスカーは気の抜けた。質問をしてきた。3人は一瞬固まる。急に間抜けな質問されたからだ。


「はいじゃあ、ガブリエル君」

なぜか知らないがガブリエルの名前を知っていた


「俺だったら様子を見るが開けて良さそうなら開ける。あとなんで俺の名前を知ってる?」


「だよね、だよね。僕もそうなんだ好奇心が勝っちゃっていつも開けちゃうんだよねそれでいつも怒られたんだ...なんで名前知ってるかって?簡単だよ。僕はなんでも知ってる。君達のことも特務隊のことも全てね」

オスカーは自慢話したかのような面持ちで頷く。


「なんの話をしてるんだ」

ライアンが言う。


ゴホンっとオスカーは咳払いをする。

「こりゃ失礼。要するに僕が開けちゃいけない箱を開けたってこ」


「ホムンクルスとガスもか?」

ヴォルフは聞く。


「そう。そもそもホムンクルスって材料って何か知ってる?」ニコニコとしたオスカーヴォルフは腹が立って今にでも殺しにかかりそうだった。



「あれだろ尿と人間の血だろ。あと精子か」

ライアンが言う。3人の中で1番冷静なのはライアンなのかもしれない。


なんで知ってるんだよ....特務隊全員が心の中でツッコむ。


「あぁー考えは合ってる。けど違うんだな」

あと一歩惜しいような顔をした。


「正解は人命だよ。1人につき一体。わかる?」


「なんだと....」

ヴォルフは驚き信じられなかった。

3人がここまで来るのに何人やっただろうか、数えてはいない。化け物でも人の命で動いていた。


「それって本当なのか准尉」

黒瀬が結城を睨みつけて問い詰めてくる。


「本当だ。命は死刑囚とかの人権がなかったものしかないと書かれていた。だがこの人数...」

結城は沈んだ表情でいう。


『だけど見ただろ?こんなに死刑囚がいるわけないだろ?なぁ』

オスカーの自信の中にある確信を持って話しているように見えた。ヴォルフ達の方へと近づく。


「間抜きされたんだよあの子達は。悲痛な叫びを聞いてなかったのか?」


「残念だが耳栓をしていて何も聞こえなかった。今度は聞こえるように首を絞めて殺すよ」


「ガスは結局、戦争に使わなかった。けど日本は隠し持っていたなんでだと思う?」

オスカーは耳元でヴォルフ囁く。ヴォルフはオスカーの質問には飽き飽きしていた。


「なんでだろうな、サプライズでとってたんじゃないか?」

ヴォルフは答えた。


「君はそんなに反抗的な感じゃなかったはず。だって僕の猟犬(Jaeger)だもの」


「あいにくだが飼い主は居なくてな、気に食わない奴には誰にでも噛む性格でな」


「じゃあ僕がわからせてあげる」


「何?」

ヴォルフが言うとヴォルフの左脇腹から痛みと生暖かい血液がドバドバと流れ出す。ヴォルフはあまりの痛さに地に伏せた。


「飼い主に歯向かうとどうゆうことがわかったかな?」オスカーは血のついたナイフをヴォルフが着ている戦闘服で拭いた。し


「『少佐!!!!』」

ライアンとガブリエルの声が地下空間に反響する。


「テメェ!!」

ライアンが怒り狂い銃口をオスカーに向けながら言う。

ガブリエルも銃口を向けるが爪が甘かったようだった。刹那的に現れ,武装した女子高生だった武装女子高生2人はナイフをガブリエルとライアンの急所の箇所で寸止めをしていた子供ながらさいつのある目つきだった。


「2人とも銃を下ろせ」

膝を追ってヴォルフは苦しみながら投降を命じた。


「しかし少佐」

ライアンが言う


「いいかこの子供達は、、、オスカーに命ずるままに動く。「殺せ」といえば、、誰だろうと殺すし、、、、「死ね」といえば躊躇なく自殺する、、、まるでロボットのような人間達だ」激しい息づかいの中、痛みを堪えあげながら説明をした。


「ロボットとは心外だなヴォルフ君。僕の可愛い猟犬(Jaeger)になんて言うんだ!!」

オスカーはヴォルフの髪をつかんで思いっきり地面に叩きつける。何回も何回も叩きつける。ヴォルフの顔は血だらけで歯と鼻は折れた。


「さぁ君たちはどうするの?」

オスカーは笑っていた。2人はとりあえず銃を自分の足元に落とした。


2人は立ち尽くしたなかった。この場面から2分ほど戻り,本部の話へと移る



「ヤベェーじゃねぇーかよ」

黒瀬が慌てる。


「助けないとでもどうやって?」

星野が言う。皆は考えるが方法はない。


「僕の出番だね」

皆は後ろを振り返る。そこにいたのは神代だった。


「神代でもどうやって?」


「僕の結界を使って移動するんだよ俗に言うテレポートって奴」


「可能なのか?」


「まだ人では試してないもしかしたら失敗するかも」


「いつも紙でやってるじゃんあれとは違うのか?」

力が言う。


「あれは入り口と出口がはっきりしているからだだけど今回は出口ははっきりしていないから思った通りにテレポートできるかはわからない。それでもいいかい?黒瀬くん」


「試す時間なんてあるもんかぶっつけ本番だろ!」

黒瀬は立ち上がる。愛刀とhk45をホルスターに入れ,mp7を腰のホルスターに隠した。


「準備はokだ神代」

黒瀬が言う。


「おいおい1人で行くのか冗談だろ?」 

トムが言う。


「冗談なんか言ってねーよ逆についてくる奴はいるのか?えぇぇぇ???!!!!」

黒瀬はイラついて喋る。


「私も行きます」

星野が手を挙げ,タクティカルベストを装着して小銃を手に取った。


「私も行こうオスカーと対面したい」

ジョンも言う


「しかし大佐あんたはここにいたほうが...」

トムが止めに入る。ジョン大佐がやられれば特務隊の指揮は終わるからだ。


「私の部下を虐めておいて黙ってはいられなくてな」

ジョンは言い部下達も納得した。愛銃のコルトm1911に弾倉(マガジン)を込めコッキングする。


「それでこそうちの隊長だよ」

ハンナが感銘したかのように言う。


ジョンは愛銃のコルトm1911をホルスターに入れ,ベストを着てm4に弾を込めた。


「準備はokだ神代早くやってくれ」


「わかっただけどこのワープは何秒かかるかわからない。一日かもしくは何日か,それだけは保証はできない」


黒瀬は一言「わかった」とだけ。ワープの恐怖感はなかった。



神代は六芒星をその場で描きそうすると空間が開いた。

「さぁあっちと繋がっている急いで!!」

神代は急かす。黒瀬,ジョン,星野という順番で結界内に入った。


結界内は何もなくただ暗かった。滞在時間は10秒もかかってはいなかった。眩い光が目の前に広がり,そしてオスカーの10メートル右横にワープした。


「死ねぇー!!!!オスカー!!!」

黒瀬の雄叫びと同時にホルスターからhk45を取り出してオスカーに撃った。

11発の45口径がオスカー目掛けて発射される。だがオスカーは間一髪避けた。

ガブリエルとライアン一部始終を見ていたがスローモーションに見えた。その出来事に振り向いてしまったガブリエルにナイフを向けていた武装女子高生。ガブリエルは油断したと思い。思いっきり,拳で武装女子高生の顔を殴った。


反動でぶっ倒れた隙に,地面に落ちている小銃を手に取り3,ライアンの方の武装女子高生の足元を撃つ。2発ぐらい当たり,そのまま倒れ込む。


「ライアン!!」

ガブリエルは自分の小銃を投げて渡す。


受け取るライアン。しかし伏兵の武装女子高生に

モモを撃たれる。痛みと衝撃で倒れるライアン。

ライアンが撃たれた後銃口はガブリエルの方へと向けられた。


終わりと思った瞬間。星野が援護して,武装女子高生の肩に弾が命中する。致命傷ではないようだ。反動で倒れた。


「ナイス!!星野」

ガブリエルは星野に親指を立てる。星野も頷いて返す。星野はライアンを救助する。


「ライアンさん大丈夫ですか?」

星野が近寄って傷口を押さえながら言う。太ももに撃たれた銃痕から血は止まらなかった。懸命に抑える。


「俺は大丈夫だ,,,それより,,少佐を」

ライアンは苦しみながら言う。星野は頷きヴォルフの方へと向かう。


「少佐!、少佐!!!!」

星野はヴォルフに近寄り,肩を強く叩いて叫んだが。ヴォルフはピクリとも動かなかった。星野は首元の脈拍を調べる。まだ動いていて微かに息をしていた。星野はヴォルフのベストを掴み,その場から撤退する。残り2人の武装女子高生が星野に向かって発砲する。ガブリエルは応戦を開始する


ジョンはオスカーに向け銃を発砲する。オスカーは柱に隠れなんとか弾を避けていた。黒瀬もオスカーに向け発砲するが,弾丸は的外れなところに飛んでいく。


「おいもっと狙って撃て。危ねぇだろ」



「銃がおかしいんだよ!壊れてやがる」

黒瀬はマガジンをリロードして銃に文句を言う。


「壊れてるのはお前の照準だ」


「おやおや楽しそうですね実に愉快」

オスカーが笑う。


「『うるせぇ』」

ジョンと黒瀬はオスカーに向けて銃弾を浴びせる。それを見た残り1人の武装女子高生は黒瀬に銃口を向けた。黒瀬は武装女子高生には気付いてなかった。黒瀬から見たら死角なのだろう。ジョンは咄嗟にオスカーから武装女子高生に向けて発砲する。弾丸は黒瀬の頭スレスレを飛び,見事武装女子高生当てる。


「お前こそあぶねぇだろ」

黒瀬は怒る


「後ろを見ろ,それにお前は不死身だろ?」

黒瀬は後ろを確認して,怒るのを抑え、軽く頷いた。残りはオスカーだけとなった。

オスカーはヴォルフ達が来た反対側の階段を登って逃げていった。


「待て!!」

黒瀬は追いかける。それに続いてジョンもついていく。


「ガブリエルさんこれ使って」

星野は神代からもらったお札(おふだ)を渡す。


「これは?」

星野から受け取り,書いてある文字を見たが解読不可能だった。


「テレポーテーションです。それを使えば瀧さんがいる拠点に行きます。早く少佐とライアンさんを、、頼みます」

星野はガブリエルの手を掴んだ。ガブリエルは少し照れるが顔には出さなかった。短かったがガブリエルにとってはこの時間は長く感じた。

そして,星野はオスカーを追いかけに行った。

ガブリエルはお札(おふだ)を使い拠点へと戻る。一部始終を見ていた瀧は医療の準備して待ち構えていた。


「さぁ,この机に,少佐を。エラ,ライアンにcat《キャット》を巻いてあげて」

瀧はエラにcat(キャット)を投げて渡す。


cat (キャット)とはCombat Application Tourniquetの略称で訳すと戦術止血帯だ。四肢の血流閉鎖に用いられる。


リチャードとアクマは呆然と立ち尽くしていた。咄嗟に動くことは出来なかった。


「そこの2人見てないで担架を作ってください。後神代に連絡して札を持ってくるように。できれば氷のうも」


「ここでやるんじゃ?」

アクマが言う。


「ここでできるのは応急処置だけ、手術は本部でやります」

瀧はさっそく触診を始めた。


「心拍は弱い。意識はあるね。鼻骨骨折による鼻血。歯も三本欠損している。口の中は大丈夫だね。顎は..上顎骨骨折。これだと頭蓋底骨折可能性あり,髄液漏もあるかも」

瀧はヴォルフに応急処置をした。呼吸困難にならいように施し,出血は血療(ちりょう)で治した。


「よしこれであとは本部に送る。」


「デューク俺の方も見てくれ」

ライアンは言う。


「ごめんライアンすぐ治す」


ライアンの傷は銃創であった。


「よかった。弾は貫通してる。モルヒネね投与するね」瀧は血療(ちりょう)で治した血療(ちりょう)でも痛みは残るため瀧はモルヒネをいつも投与している。


「本部に転送の準備できたよ」

リチャードとアクマは担架を作り,札をもらい瀧に報告した。


一方黒瀬の方達はオスカーを追って地下通路を突っ走っていた。


「やっとお話ができて嬉しいよ黒瀬くん」

オスカーは逃げながら黒瀬に話しかける。


「話したいなら止まって言えや」


「逃げてるのではないのだよ,次に向けての移動だよ」


「移動どうゆうことだ?」


「僕は、また楽しいことをやってこの国のパンドラの箱を開けるだけだよ」


「次は何を開けるんだ?」


「教えたらつまらないだろ?それに,君たちとはまだ遊びたい」


「遊ぶなら他を当たってくれ,俺はお前を殺すために、付き合ってるだけだからな」


「ハッハッハッハッハッハッ君は面白いね。また殺し合おう」


「一般人を殺して何が面白いんだ?」


「この国は一般人の命よりも重いものを隠してるんだよ。まだ気づかないのかな黒瀬くん。500年も生きて何も分かってないんだね」

オスカーは道の角を曲がる。黒瀬もついて曲るがオスカーはいなかった。


「どこだオスカー!!!出てこい!!」


「ヒントを言うなら、渡辺くんを調べるといい。そうすれば次の箱をわかるよ。それに君たちが探してる本もね」

オスカーの声が反響して,黒瀬に届く。どこで発声してるかわからない。


「本なんかいらないだろ?早くよこせ」


「君たちはあの本がなんだかわからないようだね

元の世界に帰られるだけではないんだよ」


「とりあえず教えられるのはここまでだねまた今度会おう」

反響はしているがオスカーの声は背後から聞こえたと思えた。背後から殺意の波動が,黒瀬の感が働く。



「バン!」1発の銃声が聞こえ,黒瀬は愛刀を抜刀し,拳銃の弾を真っ二つにして避けた。


「お見事」

オスカーは黒瀬を褒める。もう何発か撃つが黒瀬は弾を愛刀で切ってオスカーに近づく、黒瀬が斜め右上から振りかざしたが,オスカーは拳銃のトリガーガードで黒瀬の渾身の一振りを抑えた


「こんなもんなんだ黒瀬くんは」

オスカーは鼻で笑い黒瀬の弱さにガッカリした。


「なんだと!!」

黒瀬の憤りは刀に伝わる。刀を振るがオスカーは避けるか拳銃で受け止めるだけだった。


「僕はあのメイド達とは違うよ。まだ僕の事は殺せない」

オスカーは避けながら言う。黒瀬は隙を見てオスカーに見事首を切ることができたが,それは残像だった。


「また会おう黒瀬くん今度は僕は殺せるようにね」オスカーは消え,殺意も消えた。オスカーは完全にこの地下からいなくなった。


「くっそーーー!!!!」

やり場なのない怒りをどうはどうしようもできなかった。













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