宮古6
梯子を降りて外へ出る3日振りの外であった。
新鮮な空気は吸えないが吸収缶から通された空気は新鮮に感じる。3人は地下に続く階段まで後数十メートルのところで待機した。アレクに合図を出す。
ドローンがホムンクルス達の頭上にホバリングする。ホムンクルス達に注目してもらいたがったが見向きもしなかった。揺らしてみたりと試したが無理だった。
「はぁー」
ため息するヴォルフ。
「強行突破」
と手信号で2人に送る。了解の合図が帰ってくる。
ヴォルフはうなずき,小銃の安全装置を解除して,【GO 】のサインを出して3人一気に走る。
ホムンクルス達は3人に気づいて、すがりよってくるが銃口を向け発砲する。ホムンクルスは倒れる。頭を撃つ余裕はなかった。どちらかと言えば腰撃ちだった。構える余裕はなかった。
「バン、バン、バン」と4日振りに聞く銃声。
これから始まる戦いのgongかに思えた。
発砲音に気付いて他のホムンクルスが走ってきたが,3人はすでに地下に侵入した。ホムンクルスは3人が地下に入るや否やピタッと静止し降りては来なかった。理由は分からなかった。
ガブリエルは小型カメラを起動する。拠点と本部に映像が届く。
「暗くてなんも見えないじゃん」
黒瀬が言う。黒瀬の言った愚痴が聞こえたのかは分からないが、すぐにヘルメットとフラッシュライトが点灯した。 ヴォルフとライアンが階段を降りるのが確認できた。地下もまだ濃霧が漂っている。
「これ撮ってるの誰?」
トムが言う。
「俺だよトム」
ガブリエルが言う。
階段を降りる。数百メートルも長い地下廊下に着いた。下を照らすと救助できなかった被害者たちがいくつも倒れていた。ご遺体に目立った傷や腐ってる様子は散見されなかった。
ライアンは合掌する。それをみた2人も合掌する。
合掌が終わると3人は前へと前進を開始する。
「酷いな」
ネイサンは呟く。
「今何やってるの中継?」
結城が颯爽と登場する。
「お、准尉何がわかったか?」
ジョンが言う。
「とりあえずはまぁなんとか」
結城が言う。
「説明してちょ」
ハンナが言う。
「今からの解説はホムンクルスを作り出した錬金術師に直接聞いて作ったから文句は受け付けないぞ」
結城が言う
「え、いたの?」
驚く黒瀬
「この錬金術師も異世界人だった。東方全面戦争で軍のホムンクルス研究に参加してた。これが証拠」
結城は一枚の写真を見せる。顔に赤丸してあるのが錬金術師らしい。
「でこの錬金術師はどう釈明したんだこの事件に」
黒瀬が言う。
「事件については何も知らない。まぁ外部には漏らしてないし」
「なぜ作ったかについてはあの戦争の補充兵.....」
「ちょっと待って画面に動きがあったよ」
ハンナが言う。
画面にはホムンクルス達が群がって3人に襲いかかっていた。3人は躊躇せず、発砲する。暗闇に3つの光,曳光弾も入れてるためなおさら光り輝いた。
「銃声しか聞こえないんだけど」
シューティングゲームかのように撃っても次々と現れるホムンクルス。3人は屈せず銃弾の雨を降らせる。地に伏せるホムンクルス。撃つのをやめなかった
3人は血飛沫も上げないホムンクルス達に物足りない気分だった。
気づけば足元は薬莢だらけだった。足場の踏み場もない。
「残り何発ある?」
ヴォルフが言う。
「155」
ガブリエルが言う。
「260」
ライアンが言う。
「まだあるなよし行こう」
前進する。がホムンクルス達も襲うのをやめない。
柱に隠れて一体ガブリエルに襲ってくるが,ももに1発腹に2発撃たれ倒れ込んだホムンクルスの頭に1発ととどめをさる。
「なんか血が出ないとつまらないですね」
ライアンが言う。
「あぁまるでゲームみたいだ」
ガブリエルが言う。
ガブリエルが持っている探知機は濃度が高いところを指している。道案内もガブリエルだ。
「こっちだ」
曲がり角を左に曲がる。左に曲がるとまたホムンクルス達が集まっていた。気付いたのはこちらが先だった。ヴォルフは迷わず,手に届くホムンクルスに床尾を思いっきり振り下げ頭に命中させた。倒れたホムンクルスの頭を撃つ。
腹いせに飛びかかってきたホムンクルスをフルオートに変え,弾倉に残ってた弾を全弾ぶっ放した。蜂の巣になり倒れ込む。でも頭を撃ってなかったからリロードをして再度頭を撃つ。ホムンクルスが片付くと下に続く階段が確認できた。
「この下か?」
ヴォルフが言う。
「この先を示してるけど遠回りかもしれませんね」
ガブリエルが言う。
「急がば回れって言うし降ったほうがいいんじゃないか?」
ライアンが言うそしてライアンは先に進む。
「おい待てライアン」
ガブリエルが静止するが下がっていった。
「行くぞガブ」
ヴォルフも階段を降りていく。
「了解、少佐」
ガブリエルも降りていく。
階段を降りるとそこは一つ大きい空間となっていて,何もなかった。
「先行きますか」
ライアンはそう言い先に行く。すると突然
「うわ,眩しい?!」
太陽のような眩いライトが突然目の前に光いくつも出す。
「やぁやぁ初めまして,てか僕のこと見えてるかな?」
声からするに張りのある若い男性の声だった。
数十秒で瞳孔が伸縮して,目の前の男性が確認できた。身長は180cmくらい体型は標準か痩せ型で,スーツを着用していて,ガスマスクは総面していなかった。
「それよりそんなマスク外して,僕と話そう。それに君たちのマスクを通しての声は聞こえづらい」
と男性は言う。ガブリエルとライアンはヴォルフの方を見る。ガブリエルは検知器に目を向ける。
機械の故障なのかさっきまで危険値数を示していたのに今はゼロを示していた。
「少佐これは一体?」
ガブリエルが言う。
「そうともここ一体には結界を貼ってある。ガスは入ってこないよ」
男性はそう言う。
3人はガスマスクを脱ぎ投げた。
「久しぶりだね僕の猟犬」
男性はヴォルフに言う。
「誰ですかこいつ?」
ライアンが言う。
「こいつは..」
「いや僕から自己紹介しよう。僕の名前はオスカー聞いたことあるよね」
オスカーは自己紹介をした。本部で見ていたa班とb班は釘付けになる。
「こいつって西部で本を探してた時に襲ってきた犯人?」
ハンナが言う。
「そうそして,少佐の元雇い主。今はうちとのライバル関係だよ」
力が言う。
「こいつがオスカーか」
ジョンが呟く。