宮古4
「ハァハァハァハァ」と息が絶えるc班
マスクをして,装備もしていると本来の力は発揮できなかった。
「20メートル先、左に曲がれ」
声がした。
「左に曲がれ!!」
ヴォルフがいい。c班左に曲がる。そこには両側の車の屋根にライアンとアレクが立っていて銃口を【人間ではない物体】に向けていた。
c班がライアンたちを通り過ぎると発砲を開始した。
ライアン装備のM27 IAR (ベータcマグ)とアレク装備のAK12(筒型弾倉)合計,195発が数十体の【人間ではない物体】に命中させた。
追いかけられたc班もすぐに反撃に出る。
「feuer!」
濃霧に紛れ銃弾の閃光と異なる銃器が鋭い爆発音を奏でて、まるでオーケストラ演奏のようだった。だが弾が尽きれば演奏が終わる。
「こっちだ!」
ライアンとアレクは車の屋根から降りて,c班たちを先導する。路地裏へと案内をする。
ライアンは路地裏の壁にお札を貼った。
「何それ?」
エラが聞く。
「神代からもらったお札だ。人間じゃない物を寄せ付けないようにするとかなんとか。まぁあいつらには効くらしい」
ライアンが言う。
「あいつらは何なんだ?俺らの位置なんでわかった?」
ヴォルフが言う。
「あいつらはまぁ後で言う。ドローンを飛ばしてc班を見つけたんだそうしたら追われてるから助けてやったってことよ」
アレクが言う。
「この梯子をのぼれ」
アレクが言う。アレクが最初に上り後からc班、最後にライアンが登った。登り屋上へ着くと,建物から建物へと繋がる橋が設置されていた。
「こっちだ」
アレクが先導する。
橋を渡る,そしてe班が設置した拠点についた。
拠点
拠点ではリック大尉とアクマが特務隊本部との通信の準備をしていた。
「2人ともおかえりそして,ようこそc班さぁさぁそのむさ苦しいマスクを外して,新鮮な空気を吸いましょう」
c班はマスクを外した。銃や装備を置き,ソファーや椅子に座る。随分くたびれていた。アクマはc班に水を渡す。
ヴォルフは水を飲んで乾いた喉を潤す。
「大尉あれはなんだ?」
ヴォルフが言う。
「あれはホムンクルス,人造人間だ。多分濃霧と一緒に紛れて誰かが放ったのだろう」
「放った意味とかあるのか?」
「これはテロだ。不満がある奴らのメッセージだろう。コウノトリ作戦の時と一緒だ。【|あいつらは《人間ではない物体強化人間》】の失敗作だ。ホムンクルスと言った方がいいだろう」
「ホムンクルスという証拠はあるのか?そして誰が放ったんだ?」
「証拠はまだない。上の連中は濃霧と一緒に揉み消すのだろうね。この国が古来から強化人間の研究をしていたのを知っている人物だろうな」
「強化人間ね...」
「大尉。本部との通信繋がりましたよ」
アクマが言う。
「隊長ー見えますかー聞こえますか〜?」
アクマは画面に手を振る。数秒後に本部が映し出され,a班,b班が映っていた。
「聞こえるよアクマ映像も確認できた」
スピーカーから大佐の声が聞こえる。
「そっちの状況を説明してくれ」
大佐が聞く。
説明したのはリチャードだ。結界内の状況。人が足りないことや物資の事。ホムンクルスについてもだ。
「あとホムンクルスついて少しいいか大佐」
「どうぞ少佐」
「ホムンクルスあれはこの国が研究していたのか?」
「そうだ。研究していたのは聞いている。確か東方全面戦争の時だ。兵が足りないと言う事で研究をしていたと聞いたが、その後どうなったかはわからない」
「大佐以外に知ってる人間は?」
「東方全面戦争に参加したやつとどっかで秘密文書を読んだやつしかいない」
「あの戦争に参加したっても80年以上前の話だろ大佐」
画面の端から結城が言う。
「准尉、分析終わったのか?」
トムが言う。
「うん終わった。結構このガスはすごいぞ。てかe班も結界に入ってるのかみんないるし話すか」
結城はバインダーに挟めたページをめくり,ガスの成分について教える。
「ガスの物質については結論からゆうと何も出なかった」
「え?!何も出ない?」
皆が驚く
「詳しく説明すると検査機からは何も出なかった。G剤(サリン,ソマンなど)、V剤(g剤と同じく神経ガスであり,VXガスなどがある),ビラン剤(皮膚をただれさせる化学兵器であるマスタードガスもこの分類に入る)
どれにも該当はしなかった。全く新しい化学兵器ってことになるな」
「症状としてはめまい、肺水腫、吐き気と嘔吐、下痢だ。めまいは神経ガス、肺水腫はビラン剤の症状だ。つまり,神経とビランと混合になるそれにだ。ご遺体を解剖した結果,死因は骨髄損傷による,白血球減少,赤血球減少での敗血症が発見できた」
「それってつまり被曝?」
瀧が言う。
「流石だドクター。そうゆう事だ。ガスなのに死因は放射能による被曝障害と似ている」
結城が結論を言う。
「じゃああのガスは放射能って事でいいのかよ?」
黒瀬が言う。
「まだ断言はできないそしてここからは秘密事項なんだが皆よろしいかい?」
結城が言う。全員当たりを見渡してカメラがないか見るかそんなのはどうでもいい。
「焦ったいですよ准尉」
力が言う。
「早く言ってくれよ」
黒瀬が言う。
「発表するけど驚くなよ。この濃霧を原因を作ったガスは西部軍が極秘に開発した化学兵器だ」
全員の驚きの声がスピーカーと地声で本部に響き渡った。