東部 宮古
c班は東部の首都宮古基地でuav研修を受けていた。時間は10時をすぎあたりだろうか、基地内に化学警報が鳴った後緊急招集警報が鳴り響く。
基地内の隊員たちは,速やかに各部隊の指揮下に入る。c班は情報収集のため基地に駐屯している歩兵大隊に聞きに行く。
ヴォルフは歩兵5大隊第2係主任のところまで出向く第2係は情報または保全を担当する部署である。
2科主任は慌ただしく電話や伝令などにひっぱくされていた。とても聞ける状態ではない。少佐は諦め,近くにいた下士官を止め事情を聞く。
「今は宮古で化学兵器が散布されました」
「テロなのか?」
「今のところ犯行は分かりません」と下士官は去っていく。
宮古基地に急遽、化学兵器対策本部が設置された。ヴォルフ少佐たちc班は中に入り詳しく聞くことにした。
司会となるものが状況を説明する。
「化学兵器が散布されたのは0950頃、通行人が紙袋を持ち上げ、中身を確認したところ霧のようなガスが発生した模様。紙袋は現在未回収であり,まだ複数あると予想されます」
モニターが今の宮古を映した。そこは首都が濃霧に包まれていた。
「今映し出されているのは全てガスです。次をご覧ください」
次は宮古の地図が映し出される。
「今この赤い範囲が散布地域です」
全員はざわめく。
「ガスの範囲は120キロでほぼ中心部をガスが散布されている状況です。東部の首都は機能麻痺している状況であります」
「ガスの種類はわかっているのか?」
宮古基地司令官が言う。
「現在まだ不明とのこと」
「対処している部隊は?」
「現在,2個歩兵大隊が救助作業中。東部化学防護隊、特殊対NBC兵器対応部隊が作業中です」
このガス散布は30分もしないうちに各部、各方面各基地へと情報が回る。特務隊は本部兵舎のテレビを釘つげで見ていた。
「a班、b班は出撃準備そのまま待機。f班はガスを分析を頼む。全員取り掛かれ」
ジョンは命令を下す。
ジョンはc班に連絡をする。
「少佐そっちはどんな状況だ?」
「化学防護隊が分析をしている。まだ誰も近づけない。我々c班も中に入れるように,防護服が欲しい。できるか?大佐」
「サポート班がいるそいつらとコンタクトを取ってくれ,必要な装備は全てあるはずだ」
「後大佐増援が欲しい」
「今e班が東部にいる。合流できるならしてくれ,後、d班は支援のため参加はできない。少佐できればガスのサンプルを送ってくれないか、f班に分析を頼みたい」
「わかった。容器はサポート班に言えばもらえるんだな?」
「そうだ少佐。そろしくたのむ」
〜中央部 総帥官邸大会議室〜
大型モニターには現在の状況が映し出されていた。各閣僚、腐った貴族や,華族。太政官。お偉い方集まって議論をしている。
「親衛隊は何をしてるんだ何のための親衛隊だと思ってるんだ」
王族の偉い人が親衛隊長官に怒鳴りつけている。
親衛隊といえばナチスなどを思い浮かべる人もいるがここの世界は違う。
創隊した理由について
軍がドザロとの東方全面戦争が勃発し,軍の役7割が東部に集結した。その穴を埋めたのが親衛隊である。最初は貴族たちの護衛に過ぎなかった彼らが気付けば国内の災害、治安,軍の後方支援活動など,多岐にわたる。だが行動は国内に限られている。
軍は国外の情勢で逼迫している。つまりいえば国内で国難が発生したなら、真っ先に親衛隊が出動するのが当たり前なのだ。親衛隊は陸の戦力しか保有しておらず,海空は対処は難しい。
「親衛隊化学防護隊が現地に向かっております」
親衛隊長官が言う。
「ガスの被害は拡がっているのか?」
王族が言う。
「今は東部専属魔法特別中隊が宮古に結界を張りガスの被害を抑えています」
「では後は除染するだけだな」
「いいえまだ問題が残っています。ガスが紙袋から発生したのですが,紙袋を回収しない限り,無限に発するとのことつまり中に入り,紙袋を回収すれば,ガスは収まるということです」
「場所はわかるのか?」
「いいえこの半径120キロ内に複数あると思われます」




