傭兵対傭兵
b班は西部のある都市へと向かっていた。本が見つかったとの情報である。直ちに急行した。
a.c.dは北方で忙しく,急行できたのがb班だけであった。今回は監視である。
「その男が持ってるのが本なのか?」
力が聞く。
「持ってるんだけど強引に奪えないと言うので監視して盗める時に盗むと言う流れだ。」
トムが説明する。
「民間人が持ってるんなんてよくその情報手に入りましたよね」
ジャックが言う。
「d班のヴォルフ少佐からだ。なんせ情報局でだからなんでもで知ってるでしょ?」
トムが言う。
「でもその監視っていつぐらいまでかかるん?」
ハンナが言う。
「わからない盗めるとわかってから盗むから時間かかるかも」
トムが言う。
「え〜長くなるの〜?きついのはやだよ」
ハンナが文句を言う。
「文句言うなってハンナ仕方のないことだろ?本のために頑張ろうぜ?なぁ?」
力が言う。
「大丈夫さハンナ監視するのは俺とジャック二人でだ。」
トムが言う。
「ん、?俺とハンナは?何するんですか?」
力が言う。
「君たちには重要な任務を与えよう。部屋の侵入と男から本の奪還を頼む」
トムが言う。
「おぉーいいね,いいね!かっこいいね」
ハンナが喜ぶ。
「えー危なくない?」
力は心配する。
「しっかり安全とってから突入してもらう」
トムが言う。
「待機してる間は何したらいいの?」
ハンナが言う。
「好きにしていいぞ近くにいてターゲットにバレなかったら」
トムが言う。
「やったー力。一緒に買い物しよー?ねぇねぇ?」
ハンナは力の腕を掴んで引っ張った。
「わかったーわかったーいっしょに行こう」
渋々,力は行く約束をした。
目的地の街についた。アラビア様式で建てられた街である。この似たような建物がひしめきあう中に本を持ってる男性の家があった。男の家はすでにd班が探し出してくれた。家からそう遠くない距離,スコープから監視ができる状態の空き家を今回の任務の拠点とした。二階建てでバルコニーもある家だった。トムはバルコニーから監視兼力とハンナの無線役,ジャックは部屋の壁に穴を開けそこから銃口を覗かせながら監視をすることにした。ジャックとトム交代交代の監視である。
初日 晴 風見には感じない。 湿度 やや高い
そういった状況の中での監視であった。
男はほぼ家で仕事が多く,翻訳家か学者で、部屋で作業をしている。つまり、【ほぼ家にいる】
ということだ。どういったけいで本を入手したかはわからないができれば乱暴な真似はしたくはなかった。
「トム、外は暑くないの?」
ジャックは心配をした。
「いや大丈夫だ壁面緑化《緑のカーテン》がある」トムが言う。
トムとジャックはアメリカ海兵隊武装偵察部隊【United States Marine Corps Force Reconnaissance】
通称: Force Reconに在籍していた。
そして相棒【バディ】でもある。信頼や絆がある。
男は窓から見える。依然として書斎からは出なかった。
「トム、ジャック,ご飯買ってきたよ」
ハンナが笑顔で部屋に入ってきた。
「ありがとうハンナ」
ジャックが言う。トムは先にご飯をすました。焼いた鳥にクスクスと水である。
「ハンナは食べたの?」
トムが聞く。
「うん食べた,力と」
昼はすぎ,夕方になり太陽は月へと変わっていった。男は書斎から出て,飯を作っているところであった。風呂に入り,夜10までには部屋の電気が消された。トムとジャックはため息をつく。夜空が二人を照らす。
「今日一日外に出なかったですね」
ジャックが言う。
ジャックはスコープから覗くのをやめ、椅子から立ち上がり,軽く体操をした。
「うん体が痛いのか?」
トムが言う。
「ずっとこの体勢はつらい。それに,もう歳かな」
ジャックはぜんこうくつしながら言う。
「いやいや,歳はとらんしょこの世界では?それにオタク。23でしょ?」
トムが言う
「正直言ってきついですよそれに,歳は取ってないですけど、きた年数数えたら70くらいになりますよ」
ジャックが言う。
「そんなったのかあっという間だじゃ俺は80近いな」
トムが言う。
「ただいま〜」
「帰りましたー」
ハンナとリキが帰ってくる。
「今日一日動かなかったのですか?」
力が言う。
「いや,男が動かなかったから君らは動かなくて済んだよ」
トムが言う。
「外にいたから暑いよトム変わって」
ハンナが言う。
「もう飽きたのか?買い物とかしなくていいのか?」
「いいのなかった。ねぇ力」
ハンナが言う。
「そうだね次は西の方に行ってみる?明後日はキャラバンが来るって店の人が言ってたよ」
力が言う。
「行く行く!!」
ハンナが言う。
トムとジャックは目を合わせて呆れ顔した。トムは笑った。
「よし飯にしよか」
トムは言う。
「今日の夜ご飯はこれね」
ハンナはパエリアを出した。
「おぉーパエリアね」
ジャックが言う。
「今日帰ってくるときに買ったんだ。力が食べたかったたんだって」
「いや〜すいません。ついご飯が食べたくて」
力は頭の後ろに手をやる。
「うちも家族で食べてたよ」
トムが言う。
「パエリアって日本食なの?」
「本当はスペインが発祥なんだよ」
「スペインって?」
「僕らがいた世界にある国だね」
ジャックが言う。
「へぇーいいところなの?」
「多分」
ジャックが言う。
「日本の方が安全だよ飯うまいし」
力が言う。
「それにあれだよな核2発落とされても安全だからな」トムが言う。
力は険しい顔をして,トムの顔を見た。
「ジョークだ力」
トムが言う。
「早く食べましょせっかく買ってきたパエリア冷めますよ」
ジャックが言う。
四人はパエリアを頬張る。本場のパエリアは皆食べたことはなかったが美味しかった。
「明日は何食べる?」
口にパエリアを入れなが,ハンナが言う。
「こら,ハンナ食べてから喋りなさい」
力が叱る
「だって美味しんだもんこのご飯」
ハンナが言う。
「ハンナのセレクトでいいよ後,水と目薬買ってきて」
ジャックが言う。
「目薬?」
ハンナは首を傾げる。
「ずっとスコープ覗いてると目が乾燥するから欲しんだ。」
トムが言う。
「うんわかった」
ハンナが言う。
2日目男が行動を開始した時から監視は始める。
彼はまた書斎で何かを書いていた。ジャックとトムは監視開始する。
ハンナと力はまた,街に溶け込む。今日は西の方の街市場へと向かった。
「力これよくない?」
ハンナは服を試着していた。
「いいけど呑気だなハンナは」
力が言う。
「え,それって私が楽天的ってこと?」
ハンナが言う。続けて言った。
「私のモットーは【その場限りで全力でやる】ことだよ。楽しむときは楽しむ,やる時はやるじゃん?」
ハンナはキメ顔,試着服を着ながら言った。
「ずっと着てたら,万引きに見られるだろ」
力が言う。
「これいいけどさ,いくらするのこれ,現金持ってきた?」
ハンナが言う。
「一応持ってきたけど遊ぶ金は持ってきてないぞ」
力が強めに言う。
「力〜それはケッチだぞ」
ハンナが言う。
「じゃあ結城准尉に相談するんだなぁ?」
力が言う。
2人で話していると店員が近寄る。2人には緊迫し心臓が跳ね上がる気持ちである。
「おきゃくさま....」
と言う店員。
「はい....?」
力がつまらせたかのようなみたいに言う。
「お荷物お持ちしましょうか?」
と言われた。
店員は2人のとても大きいリュックが重そうに見えたからだ。
「あ..大丈夫ですよ」
力が言う。店員は2人からさっていった。
「武器持ってきすぎじゃない?」
ハンナが力のリュックを見て言う。
「必要最低限がこれだ。逆にハンナが少なすぎなだけだ」
力はそう言い切る。
「そんなことよりこの服買って」
ハンナはただをこねる。
「わかったよハンナ,買ってあげるから少し静かに」
「やったーー店員さんお願いしまーす」
ハンナは嬉しさに昂揚し,力は会計を済ませた。
こんなことしている場合ではないと心の中ではそう思う力であったがハンナの笑顔には勝てなかった。ハンナが笑顔でいて,嬉しかったらそれでいいと、力の心の中に言い聞かせた。
「今日の、昼ごはん何にする?」
ハンナは言う。
「そうだなまた屋台に行って試食しながら決めようか?」
力が言う。
「そうだね」
ハンナが言う。
トムとジャックも相変わらず変化はなかった。
男は変わりなく,変化なく,違いなかった。ただ文章を書いてその日は終わる。二日目は終わる。
「もう無理だわ我慢できねぇ」
トムが言う。
百戦錬磨の2人だってなまけはじめた。
「何日までやるんです?」
「ずっとだあいつが外に出るまで」
外出をしない人なんているのだろうかとそう思う。飲みに行ったり,女とかと遊んだりとかはしないのかと,そう思う。そして今日は土曜日だ普通なら休みで外出はするだろうとトムは予想していた。
「明日もし出なかったら,次から1日交代でやろう」
トムはそう提案した。
次の日。街は想像以上に騒がしくなっていた。
街にキャラバンが来たのだ。この街にキャラバンが来るとなると,キャラバンが去るまでの間は連日大騒ぎになると言う。そして今日は日曜日となると尚更騒がしさは増す。しかし男は外出はせず外の光景なんて見向きもせずに机の上に向かっていた。
「こんな日にでもノートに書くって中々の異常者だな」トムが言う。
キャラバンが男の家の付近まで近く,男の家はもうお祭り状態であった。その賑やかも終わりを告げる。
男は立ち上がり,玄関の方へ向かうが仮面をかぶった2人組が男を羽交い締めをして,何か尋問をしているように見えた。
「すぐにターゲット付近に集合」
トムは残りの2人に無線で伝える。
「撃つかトム?」
要請を出すジャック。
「いやまだだ。背にしているから男に貫通してしまう」
トムは止めた。トムとジャックは監視をしているしか選択肢はなかった。
男は何も答えなかったのだろう。2人組に殴られて,そして拳銃で頭を撃ち抜かれた。男の血が書斎の壁に塗られる。
監視の対象が死んだ今,残ることは1つ,邪魔者を消すことであった。
「射てるならいつでも撃て」
トムはジャックに指示した。
「了解」
ジャックはトリガーに指をかける。
二人組は書斎を荒らしたりしていた。だが2人組の1人が動きを止めた。その時だった。
ジャックはトリガーを引いた。7.62ミリ弾が,700メートル先の目標に1秒で到達し,人間の頭を貫いた。人は倒れた。もう1人の人間は,倒れた人に近寄り,外を警戒するが遅かった。続けてもうと1人を撃った。右脇腹に命中するのをトムが観測した。
「よし俺は2人に合流する形で部屋に入る。ジャックは後ろから援護よろしく」
トムは部屋を出てターゲットの所まで走った。
ジャックも移動した。
トムの無線が聞こえ、力とハンナは向かう。狭い入り組んだ路地へと入り。2人はバックパックから武器を取り出す。
ハンナはウィンチェスターM1897,通称トレンチガンを取り出す。そして刃長500mmの銃剣を腰に添える。
そして武器の数が多い,力も出すがやはり時間がかかる。メインにmtg44,腰にmp40,そしてmg3はバックパック給弾式マシンガンへと変わる。重さは数十キロになるだろう。
二人は現場へと急行する。
「力遅い早く早く」
ハンナは風のように走る。力はハンナから見たら鈍足なのかもしれない。ハンナについてくために走る。ハンナが路地を左折し大通りに出ようとした時に敵は待ち構えていた。銃弾がこちらにくる。そそくさとハンナは戻ってきた。
「敵3人,やばいよ」
ハンナが言う。
「俺が撃つハンナは近づいて」
そう言い,力はstg44で壁からのぞいて撃つ。ハンナはトレンチガンに着剣する。息を整えて,前に出る。右に回り込み左にいた兵に銃剣を突き刺す。刺しだけでは死なないと思い,そのまま引き金を引く。反動で刺してある銃剣は抜けた。他の二人もそれに気づきハンナに銃口を向けるが,ハンナはトレンチガンを振り飾り,首元を狙い切る。男の悲鳴と共に切れる,血は出る。もう一人の男には12ゲージを2発食らわせる。上半身は見る影もなく,木っ端微塵となった。
倒したと束の間,すぐに増援がきた。白兵戦となる。ハンナより大きい兵士に対して銃剣を刺し,
または弾を打つ。スピードローダーを使いリロードをして,右からくる敵に撃つ。
その間には力が来る。
「ハンナ伏せて」
力はmg3で敵を蹴散らす。2秒しか撃たなかったが数人はやれた。
「行こう」
ハンナは前に行く。ついていく力。
トムも後100メートルと迫ったが敵も簡単には通してくれなかった。
トムも応戦するがこちらは1人,あっちは2人と多勢である。
「ちっこれ以上は進めないか」
敵も中々の腕前である。民兵ではないと感心する。
裏から回ってきた敵を1人撃った。もう1人やってきだが,トム側に遮蔽物がなく,後退するしかななかった。手榴弾を投げ,いっときの時間稼ぎをした。遮蔽物のところまで後退し,相手の出方を見る。
顔を出した敵兵は左上からの狙撃で倒れた。
「トム。後もう2人いて,東南方にいるから」
ジャックは無線で伝える。お礼の無線はいなかったが、敵がいるところに撃つ。壁に隠れると,撃ってきた。ジャックは逃さず2人を撃った。
これで邪魔者はいなくなった。前に進むトム。
ついに男の部屋へと突入する。 男は即死していて仮面の二人組も部屋に倒れていた。トムも目的である。本を探す。漁っているとついに見つけた。
元の世界に帰れる《カギ》である本を見つける。しかし男の机にも本があった。比べてみると驚くほどそっくりであった。トムは考えた。もしあのかいていたのは,
【解読するためではなく,コピーするためだったのではないかと】そう頭の中で考えついた答えであった。トムはすぐに,f班〈分析班〉班長である結城に連絡した。
結城もすぐに出る。
「大変だ結城,俺らが探している本はコピーされているかもしれない」
「なんだって?トムそれは本当か?」
「本当だ。転送するから分析頼む」
トムは本を転送して,あとは分析班に任せることにした。部屋にもう1人入ろうとするものがいた。
トムは入り口の死角の壁に張り付き,敵を待ち迎えた。銃身を出したあたりで,銃身を持ち,ひっぱり出して拳を上げる。が見たことある姿であった。
「なんだトムじゃん」
ハンナもナイフを取り出してトムの右脇腹ギリギリで止めていた。
「危ないなハンナ。こっちは片付けたぞ」
トムは安堵する。
「こっちも結構いたよ,力があのでかいマシンガンでなぎ倒してた」
「了解。現状としては本は見つけだがこの男が,偽物を作っていた。もしかしたら何冊かばらまいているかもしれないそして,この敵の特定だな」
2人のうち1人は顔が変形していて確認は難しかった。もう1人は倒れていた。トムは仮面を外す。
「子供かこれ?」
子供ぽい顔立ちであった。
「しかも女の子じゃん?」
女の子であった。が体つきは申し分ない。兵士の体である。
「これがオスカーが飼ってるイェーガーか?」
トムが言う。
「かもね。こいつも分析に回す?」
ハンナは女の子を軽く蹴る。
女の子は目覚めた。
目覚めた途端,ナイフを振り,机に置いてあった本を奪い窓ガラスを破り,外へと逃げていった。
「あ,逃げた」
「おい追うぞ!」
「え,なんで?」
「あれが原本だ!!原本を取られた!!」
「わかった」
トムとハンナは追う。ハンナは女の子と同じく窓から外へと飛び降りる。
「おい力本が取られたついてこい!」
「おうよ」
状況は把握してはいなかったが,とりあえずついてく。女の子はすばしっこく,逃げられるかと思った。ハンナはついていく。
「あの傷でこの速さ,一体イェーガーって何?」
ハンナは疑問思うが,それは捨てて今は捕獲に集中する。
ハンナに無線が入る。ハンナは了解といい,北の方向へと向かわせる。
女の子は大通りに出た。その瞬間,女の子の足に,1発,弾が命中する。ジャックが撃った弾だった。女の子はその場で転ぶ。ハンナも追いつく。
がしかし女の子もすぐに立ち上がり,
ハンナとナイフ戦闘となる。
すぐに決着がつくと予想していたがしばらく続く,両者互角と見える。
ジャックは支援したかったが、ハンナに当たるかのせいがあるため,座標だけ送り,見てるだけとなってしまった。
ハンナはやや長い銃剣と中型ナイフだった。小回りが効かず、かなり手こずったが、やはりハンナの俊敏さと,瞬発には勝てなかったのだろうか。
「君,強いね,でも私の方が強い」
ハンナは止めをさす。ハンナは本を持ってジャックの方に手を振る。
「戦闘終了。ハンナの勝ちだ」
ジャックも手を振り返す。
「大丈夫か?ハンナ」
ハンナを抱きしめる。リキ。
「いや,どう見たって大丈夫でしょ,それよりお腹すいた」
ハンナは冷静に言う。
「ハンナ、本を貸してくれ」
ハンナはトムに本を渡す。トムは何ページかめくる。
「何かわかるのですか?」
力が言う。
「もしかしたら偽物だと判別できるものがあるか探していた」
トムは本を閉じた。
「帰って分析班に任せるか」
土曜日の分です