百年戦争
「国王に会う必要なんてあるんですか?」
星野が言う。
「傭兵ってちゃんとした契約の元に動くんだ。口約束では働かないし、契約の主君の名の下に動く」
ジョンが言う。
「だから雇い主主君がコロコロ変わることもある。所詮金よ」
黒瀬が言う。
「PMCと同じなんですね」
「ちょっと違う。PMCは元々鉱山でのストライキの鎮圧をするための組織さ。そっからだ顧客が国家になったのは」
「国王に会ってどのくらいまでの契約か聞いてくるのが今日の仕事ってわけ」
「そのために170キロも移動しないといけないのかよ」
「道を知ってるのは黒瀬君だけなんだから頼むぞ」
「はいはい」
戦闘服のまま、国王との面会に参加した。
「これってちょっと不味くないですか」
少し見れば血痕や土埃などが付いていた。来る前に払ったが払いきれなかったそれどころか洗濯はしていない。まさに血と硝煙の臭いだ。
だが国王は血のついた身なりに歓喜に涙して咽び泣いた。
それはまさに戦士の姿であった。傭兵は基本金だ。捕虜の身代金や戦場の略奪が収入としていた。なのに報酬もなしに命がけで戦ってくれた特務隊を熱く労ってくれたのだった。
金貨を渡してくれたが、荷物になるため約束手形で契約をした。一人300万近くの契約だった。これは例外であった。我々は大きな期待をされていたようであった。なんせ現代兵器を扱えて、あの大国日本からのお出ましときたら、助っ人外国人のような扱いを受けていた。しかも結果を出した後の話でこれだ。
だが期間というのがとてつもなく遠く感じた。この戦争を有利で終わらせることであった。この国は第二次世界大戦のように首都ベルリン陥落まで相手国を堕としいれたいと考えていなかったどちらかといえば現実的だが、それは外交とか交渉のプロフェッショナルに任した方がいいだろうと思った。我々は戦争しかやってない。交渉などには口を出していない。
戦争で大事な決定的な勝利だ。攻勢を変える勝利が必要となる。
そして次に向かう先はジャンヌ・ダルクが言っていた沿岸部の城であった。
それと同時に基本ジャンヌ・ダルクと行動を共にして勝利を収めることを期待された。
今回はやけにプレッシャーを感じた。この戦争のキーマンとなった特務隊とジャンヌ・ダルク。ため息をして城に戻った。
もう昼を過ぎて夕方へと向かっていた。城につくなりベットに横になってしまった4人。
ジョンは息つく暇もなく、みんなにこのことを話した。
みんなは[おぉー]感心にも頷いていた。
「じゃあ皆これからも働いていこう。辛くなるけど」
今日の夜も酒を飲むことにした。今日は何かと酒とタバコがやけに進んだ。




