表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界戦記  作者: トマト
猛獣狩り
162/200

猛獣狩り 終わり

「あいつどこ行った?」

トムが言う。もうすぐ日が登るというのにまた見失ってしまう。


「宮殿の方に行ったかも」

力が言う。


5人は宮殿の方に向かう。車に乗るより駆け足で来てしまった。

森を出て、宮殿へと通じる舗装された道は馬車や人だかりで渋滞を引き起こしていた。


「おいなんなんだこれ」


「いやーすごい人参ったね」


「宮殿に向かうぞ」


宮殿の橋を渡る橋まで人だかりだ。検問していた衛兵に話を聞いた。

国で年一回開かれる。国内最大の市場が開かれると言うので国内の商人たちが集まってきたと言うことだ。


「なんでこんな日にやるんだよ」


「文句は後。いくぞトム」


門を潜ると人でごったがえしていた早速売るための準備を始めているものもいた。


中も外も人でいっぱい。


「二手に分かれるジャックと俺で宮廷内にあとは探せ」


衛兵にはこのことを伝えている。門はもう閉まっていた。あとはこの中から化け物人間を探して王の前に出すだけだ。


中は衛兵が武装して探し回っていた。隠れそうなところを探していた。


王は何事かとあたふたして寝巻きでうろちょろしていた。丸みを帯びた腹がガウンから身を乗り出していた。

説明を求めていたが誰一人として話さない。なんせこの中にいるかもしれないからだ。


箱や棚を蹴っ飛ばしてまで探し出す衛兵。今までにない乱暴であった。王はその行動を唖然として玉座に座って見ているしかなかった。


王はトムに縋る思い出で現状を聞いた。

王のジドロモドロ具合がたまんなく面白かった。どうせどこかに隠れているからあんしてくれと言った。


化け物の目的は王を殺すことをだと思う。

となれば邪魔をしようが、王を真っ先に殺すのだろうか。


トムはあたりを見渡すがいない。いないというより殺気がない。トムはホルスターから拳銃を取り出して天井に向かって2回引き金を引いた。2回の発砲音は周りを静寂へと向かい入れることになった。衛兵はトムに注目して動きも止まる。


そして一人の足音がどこから聞こえてきた。そしてトムはその方向に向かって弾がなくなるまで撃った。

そして中途半端な化け物が向かってくるではないか。

中途半端というのは人間でもなければ化け物でもない本当に中途半端だ。キメラとかいった方がいいか人間の心も捨て、だけど化け物にはなれなかった哀れな人間の姿だった。あれほど人喰い猛獣と恐れられてた数ヶ月間、今や弱い者を選んで殺していた人間じゃない生き物だった。


拳銃では殺せずだがまだよちよちに足を動かしてこちらに来る。


ジャックは手榴弾の安全ピンを引き抜いて、

人間じゃない者の口に無理やり入れ込んだそれは食道に引っかかり自力では出せなくなっていた。


「地獄で裁きを受けにいくんだな」


手榴弾は爆発して上半身もろとも吹き飛んだ。あたりには肉片が転がる。ゆういつ救いだったのは床がレッドカーペットだったことだ。

トムは肉片となった足の一部を王が座っている玉座に向かって投げた。王はあまりにもの生々しさに嘔吐しそうになっていた。王はその肉片を弾いて、嗚咽を奏でていた。


この一連がまさか王の逆鱗に触れ、一切金品が出なかった。だが一件落着したのと特務隊の有名度がさらに上がったことだ。この事件は新聞となりそれが隣国おろか全域に広がり、それは長きに渡り猟奇連続殺人事件として語られた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ