猛獣狩り
牛飼いから2頭の牛を借りて清水は森と牧場の境界線あたりを行ったり来たりして誘い出している。
そこから3キロ離れた村に4人は潜んでいた。
石造の三階建ての最上階の南側の部屋窓からジャックと力が潜んで隠れていた窓側に机を壁に寄せ脚をたて、m82対物ライフルとMG42汎用機関銃が銃口を光らせ待っていた。
トムとハンナは偵察用装甲車で待機していた。偵察車専用ではじめて光学迷彩をしようして待っている。
「来るかな」
ハンナが言う。
「そうだな」
トムは双眼鏡から境界線を見ていた。そよ風が針葉樹を揺らす。昼を回った13時その時だ。
「森からきますね」
それは清水からの無線だった。
「いいか、そのまま射線から出て一目さんに逃げろ」
トムは言う。
その無線は5人に聞こえていた。
それぞれの銃をコッキングして薬室内に弾を装填する。セーフティを外していつでも撃てるようにした。
先っまでの静けさの森がやけに暗く闇で騒がしく見えた。只者ではないものが来ていると感じた。やけに汗をかいているに感じだ。
「来るぞしばらく引きつけろ」
トムが言う。そして何人ものを食い殺した化け物が森の闇から姿を表した。
目は赤く、毛並みは狼だが大きさが熊以上爪も長い。異世界に来て何年も経つがこんな生き物は初めてだ。
化け物は日陰から日向に出た時に清水を見つけた。清水に牙を剥き出しにして襲い掛かろうとする牛はそれを察して清水の手綱を振り切って逃げた。
「撃て」
トムの命令と共に発砲を開始する。
化け物の場所は一気に銃弾が押し寄せてきて、穴だらけになる。後ろの木々はチェーンソーに斬られたかのように横一線で切れて倒れる。銃弾の閃光が村から森へと一直線に描いている。清水は黙って見るしかなかった。
「トム。弾ちょうだい」
50口径の弾を要求した。
「撃ちすぎだ」
弾箱を渡す
「ちくしょう銃身が熱こもってる」
力は赤く膨張した銃身を引っ張り出して交換する。後ろの方に投げた。後でわかったが床が焦げていた。
草はハゲ土煙が立ち込める。200は撃っただろうか。
「撃ち方やめ。標的が見えないだろうが」
化け物は多分森に消えたのだろう。
5人は弾着地に向かい手がかりを探す。
「これって血痕では?」
清水が早速見つける。それは森に続いていた
「やはり森か...」
だがもうすぐ日が暮れてくるこれで森に入るのは自殺行為であった。
「今回はここまでだ明日は森に入るぞ」
トムは言う。ここで今日は引き下がった。
宮殿に戻る。だが次の日、また被害が出ていた今度は、我々に協力してくれた村だった。




