古代文書
3人は呆然と石段に座って都市の風景を見ていた。そよ風が体に当たる。
「でも真実を知れてよかったじゃん」
重い空気の中を切り裂いてはっした結城である。
「隊長に報告するのか?」
「あぁもちろん」
「帰還するのは、道徳的に無理だと?」
「もちろん。我々にはまだ希望はある」
「?」
「やっぱりまだあの本が見つかっていないからですか?」
「そうですドクター」
「まだわからないって事か。だったらやるきゃない」
立ち直り、次に向かって動き出したその時だ。
建物の上から塹壕の時に出会った敵が降りてきたのであった。
銃を構え4人を囲み、八方塞がりとなってしまった。
「お前何もんよ」
敵はしゃべらずただ銃口を向けている。そして聞いたことのある声が4人の後ろから聞こえた。
「久しぶりだね特務隊」
振り向けばあのオスカーであった。ガス兵器で街を壊滅させた男だ。
「お前が呼んだのか?」
「いやいや、このことは知っていたけど。いつ知るか楽しみ楽しみで見てたけど、まさか私だと思ってるのかい?」
「お前しかいねぇだろうが」
「失敬だな、私は帰還することには興味はない。君たちを見ているだけで十分さ。さぁ楽しいことをしようよ」
「あぁもちろんやってやろうじゃねぇか」
黒瀬の1番近くの敵を頭突きして銃を奪い、オスカーに発砲した。それと同時に結城も敵を蹴散らした。救いだったのはアクマが力を発揮してくれたおかげで敵は難なく倒せたことだった。
「准尉!2人を頼む」
「死ぬなよ」
准尉たちは石段を駆け下りて車の方へ逃げるだが敵は回り込んでいた。後ろからも追ってきていた。まさに挟み撃ちだ
「クソッ。ドクターあまり離れるな。アクマは左の敵に気をつけろ」
結城は前方にいる敵に向かって発砲した。悪魔は石で壁を作ってくれた。だが後ろの敵に脇を撃たれたみたいだ。
崩れ落ちる結城。悪魔は石をゴルフサイズまでにして敵に向かって乱発した。敵は大きい蜂の巣になって倒れる。
「じっとして准尉」
私は痛みを堪えた。ドクターはすぐに来てくれて血療を始めた。
みるみる傷は治る。
「ありがとう。まだいけるか?」
「あぁ大丈夫。急ぐぞ」




