かんざし
「結城さんわかります?」
「うーんRSA暗号見えるけどどうかなぁ...」
「准尉まずいですって依頼品をみるなんて」
「鑑定と一緒だ気にすんな。これはスパコンで計算するか」
計算の結果、適当に見られるアルファベットに変わる。
「またさらに暗号ですか?」
「二十三十になってるんだろうか?」
「こっからどうやるんですか?」
「これってエニグマみたいだな」
背後に気配を消していた黒瀬が言う。
「おぉ黒瀬いたんか」
「なんかこそこそやってるって聞いたから。なんだそれ」
「暗号だよ。数字が終わったと思ったら次はアルファベットだよ」
「黒瀬が言ってたエニグマって何?」
「あれねドイツ軍が使ってた暗号機で、確か同じ鍵でやると平文になるんだよな」
「もしかしたからこれも鍵があるかも」
「だけど鍵って何だし。復号化するなんて」
頭を抱える結城。だが頭の中に一つひらめく。
「いや、待てよ。クリブがあれば可能性があるぞ」
「クリブって何だし?」
「共通する単語だよ。それさえわかればこの暗号はわかる」
暗号というものはぱっと見ランダムのアルファベットに見えるが、共通する単語があったりする。それが [グリフ]なのだ。ドイツ軍のエニグマも欠点であるグリフをイギリス軍に見抜かれたのも敗因の一つであろう。
「もしかして鍵って...」
「かんざし?」
「鋭いね2人とも。それがグリフであり、鍵であろうな」
暗号を解いていく。時終わった時には夜を超え朝を迎えようとしていた。出た結果は座標を示していた。