消したい街2
トム達の建物からは銃声が鳴り響く。
ヘッドショットを決めていく。清水は黒瀬をスコープで確認する。
「黒瀬って何者?」
「あいつは不死身さ、マンガとかで出てくる超人的なやつだ。邪魔にならないように撃っとけ」
トムが言う。
私はできるだけ特務隊の力になりたいと思い、無線を黒瀬に飛ばした。
「あの黒瀬さん」
「今は取り込み中。また後で」
スコープでも見ている通り今はゾンビを斬るのに真っ最中であったからだ。
だが黒瀬の後ろからゾンビが来ているのを確認した。
今は前のゾンビに気を取られいる
いまだと思いトリガーを引いて後ろにいたゾンビを片っ端から殺していく。
「ありがとう清水感謝する」
というお礼の無線が飛んできた。
二時間黒瀬のサポートして日が沈む。日が沈むとゾンビは動かなくなる。
夜は一人一時間起きて警戒するということになった。
しばらくしたには帰れない。
一方車両基地は
「ほら持って帰ってきたぞ」
それは生きているゾンビであった。
「おぉお、!馬鹿野郎何持ってきてんだ」
「だってゾンビかどうか調べるんでしょ?」
「それより黒瀬やばいぞ服」
ありとあらゆるものを黒い服にぶっかけたような有様であった。
「今んところ感染してないから大丈夫だって」
「それよりドクター調べてよ」
「ゾンビなんて空想の世界だと思ってたけど本当にいるんだな」
ゾンビはとりあえず声は出ている。だが言語は喋れてないから知的能力は低下つまり脳に障害が発生するわけで...
「なんか口にはしてたかゾンビは?」
「俺が見たところ共食いもしてないしただ移動しているだけだった」
「そもそも人を襲うのか?」
「試してみるか?」
「えっ?」
黒瀬はゾンビにつけていた縄を斬った。
斬った瞬間真っ先に向かったのはドクターの瀧にだった。
言葉にならない悲鳴をあげる瀧。
だが一瞬で黒瀬はゾンビの腹に刀を刺して地面まで貫通すると動けなくした。
がそれを見ていたエラは黒瀬の胸元を掴む。
「ちょっと、あんたバカじゃないの?先生を殺す気?!!」
怒っているエラを見たのは初めてだった。
「冗談さ。エラ。そう怒るなよ」
「少しは弁えなさいよ!」
エラは去っていく。
「結局襲うだろ?」
「やっぱり体を張るのも大変だな」
「だいたい俺が前に出てバタバタ斬ってやってんのに呑気に機関車でも治してるのか?」
「治さないと一生出れんぞ」
「はいはい呑気にやってろ」
黒瀬はゾンビにトドメを刺す。
「これでもう襲ってこないですよ。安心して観察できますよ」
黒瀬はバリケードを飛び越える。嫌味な感じであった。
瀧が驚くべきことを発見する。
「血固まってますよ。生きてないですよ」
「ゾンビだから生きてないだろ?」
「ゾンビは一応生きています。ウィルス性で映画とかにででくる系はでもこれは違う」
「その..どう違うんだ?」
「もっと空想的に言えばこいつは元々死んでいてそれを何かしらの力で動かしいていると思います」
「それは神代はできるのか」
「人間を動かすのは私の分類ではないのでわかりませんが、術を使えば可能だと思います」
「術?」
「要するに魔法ですよ。簡単にくくれば」
「1番良かったのはゾンビはウィルス性ではないってことだ」
「黒瀬っていつ戻りますかね?」
「朝なったら機嫌治るさ」
結局黒瀬を見失って数十分が経過するがまだ見つからない
暗視スコープに切り替え探す。夜のゾンビは微動だにせず、直立をしてまるで日の出を待っているみたいだった。
「あのゾンビって動かないだろ?」
「そうですねって黒瀬....?」
突然と現れた黒瀬におどろいてしまった
「その体制ってキツくないか?」
「いいえ慣れれば」
「あそう。タバコ吸っていい?」
「いいけど黒瀬って未成年?」
「はぁっ?」
口に咥えていたタバコを落としてしまう。
「いやいや俺は異世界人。歳を取らないの」
「いやどう見たって同級生でしょ」
「あのな、俺は500年以上生きてるの、酒も飲めるし、このタバコだって吸えるんだよ」
火をつけた。暗闇に一つの点が薄暗く確認できる。
「清水っていくつなの?」
「17でもうすぐ18」
「若いな。青春を謳歌しないのか?」
「わたしには居場所が学校しかないからさ」
「家は?」
「戦争でなくなっちゃった。父も母も兄も妹も。親戚は連絡取れなくて、どうしようかなってときにこの学校を進めてくれたんですよ」
「戦争となると西から南か?」
「西の方にある国だったんですけど今は..わからない」
「家族を失うのはきついな。18でこの世界に来て異世界人だから身寄りがないから、途方に暮れたよ。そうしたら軍人が助けてくれてそのまま軍に入隊そしていくつもの戦を渡り歩いたわけよ」
「まぁ500年生きた俺がアドバイスすると生きるのは本当に辛い。でも楽しいことはあるさ」
しばらく沈黙が続く。タバコを吸い終わり捨てた。
「ココアでも飲む?」
「じゃあいただく」
「そういえばなんでタメ口なんだ?」
「えっ?同級生じゃないの?」
「さっきも説明しただろ?」
「それってどうなの?体は18だけど年齢は500歳なの?
「そういえば考えたことないな。成長はしてないし、老いてもない。ずっと18」
「まるで切符じゃん」
清水は笑う。そしてココアを入れた
「めっちゃうまいなココア。そういえば今日何も口にしてなかったな」
「それヤバくない?」
黒瀬は人差し指につけていた指輪を投げて四次元にあるリュックと交換をする。
中からお菓子やサラミを取り出した。
「それってどうゆう原理?」
「物々交換ってやつ。仕組みはようわからんけどさっきの指は四次元に繋がってるらしいで指輪となにかを結びつけることができるわけよだから持てない荷物とか大き物とかを結びつける」
「清水も後で神代から貰えば?」
「うーん欲しい時に言うわ」
黒瀬は指をはめ、座りサラミに齧り付く。
「これからどうするんだ?軍人になるのか?」
「うーんわからない。特務隊に来ようかな」
「特務隊は解散したり再編したりして忙しいぞ」
「やめとけやめとけ、そいつは疫病神だからな」
トムが言う。
「はぁ?意外っと気にってんだけど疫病神っていうあだ名」
「なんで疫病神?」
「特務隊に来てからいろんなもん持ってきて初めて会った時もそう」
「下手したら世界滅亡とかなりそうだよ」
ジャックが言う。
「待て待て言い過ぎだぜ。海兵さん達よ俺の評判を下げないでくれ」
「君のせいで何回死にそうになってんだか」
「覚えてられないよ」
「清水もインターンシップ終わったらよく考えて決めろよ」
「うんそうだそうだ」
「うるせぇ、起きてんだったら警戒しろ警戒」
「てか四人増えたんだからローテンションに組めよ」
「やだよ俺はもう寝る」
「黒瀬ずるい」
「清水もうるさい」
黒瀬は本当に寝た。そのまま夜明けを迎える。




