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異世界戦記  作者: トマト
ランク戦
132/200

お城とドラゴン

「こっちに抜け穴あるんじゃねーか」

黒瀬は言うが鉄格子で塞がれている。

ネイサンは鍵穴にピッキングツールで開けようとする。


「そんなのより力で開けるんだよ」


「おいちょ待て」


黒瀬は蹴り上げる。鉄格子は勢いよく前に飛ぶ。


「どうよ伊達に500年も生きていないぜ」


「ありがとさん。お陰で鉄格子が邪魔で上に行けねぇけどな」


「そんなのずがずが行けばいいだろうが」

階段を上がる黒瀬。ついていくネイサン


そこは明かりが灯り、また牢屋に来る。


「人間をドラゴンの餌にしているってことだよな?」


「そうよ敵がどっからか拉致してきて食べさせてるんだろう。手に負えないギルドは評価として特務隊に排除命令を出したんだろ」


「うわ、めんどくさ」


「ギルドはあくまでギルド。傭兵や高度な戦闘技術を持った兵士ではない。めんどくさいことは誰かに押し付ける」


「じゃあめんどくさいことしますか」

階段を登っていく徐々にドラゴンがいると思われる部屋の扉へと進む。


「じゃあ開けるぞ」

黒瀬は開ける。天井から光が刺してその下にあのドラゴンが鎮座している。食べようとしてきたあのドラゴンだ。こちらを見て動じつドラゴンの唸り声が聞こえる。

ネイサンと黒瀬は一回深呼吸をして、気持ちを戦闘モードに切り替える。


「初めっかドラゴン退治」


「援護は任せろ」


勢いよく黒瀬は、ドラゴンの正面に向かって走る。

m203に投擲弾を装填して射撃する。ドラゴンの左首に命中して、ドラゴンは怯む黒瀬はドラゴンの顔に刀を振り下ろす。金属と金属がぶつかる音が、このどでかい部屋に広がる。

黒瀬は前方宙返りをして首の根元に立つ。ドラゴンは黒瀬を振り下ろそうとする。だがドラゴンの硬い皮膚と皮膚の間に刀を刺し、しがみつく。


ドラゴンの顔に5.56を当てるネイサン。効いているようには思えない。


「大丈夫か?黒瀬」


「大丈夫に見えるかボケェ。ロケットランチャーもってこい」


ネイサンの装備にあるのは小型気化爆弾である。殺傷能力は他の爆弾とは違って爆風衝撃波を利用して損傷させる。

この巨体ドラゴンとっては爆竹程度の威力だ。


「待たせたな」

ネイサンの左横からLAMがドラゴンに命中する。

そう我ら特務隊の隊長であるジョンであった。


特務隊も何人かは集まった。


「総攻撃開始!」


汎用機関銃が三方向から乱れ撃つ。曳光弾が煌びやかに光りドラゴンの皮膚に火花が散る。


その間にも近接組の大将黒瀬と更科はドラゴンの上に乗り、剣先を突き立てる。


LAM、無反動の装填にかかる。通常二組で行うが今回は一人一人で装填を行った。


アサルトライフルや汎用機関銃では歯が立たず、跳ね返せられている。


そしてLAMと無反動が発射され、ドラゴンの足と胸に命中する。


皮膚が剥がれたり血が出たりとはしなかった。

ここで遅れてきたテンジングループが到着する。

テンジンはドラゴンに詳しく、何やら言いたげだった。ジョンはそれを見逃さずテンジンに寄る。


「あれは古生龍です。人間が作り出した兵器は太刀打ちできません」


「じゃあどうする?」


「麻酔を使って眠らせます。そしてここを離れれば龍の怒りは鎮まります」

テンジンは手榴弾サイズの麻酔を取り出す。龍だけに効く麻酔らしく貴重なものであった。


「了解した。皆んなテンジンを援護してくれ」


テンジンは投擲に可能な距離まで近づく。だがドラゴンもそう簡単には近づかせてはくれない。


右からフローガは火を吹き、ドラゴンに注目させる。

黒瀬と更科は降りて、ドラゴンの気を逸らして、1メートルでも近くにテンジンを近づかさせる。


「テンジン。投げろ」

黒瀬は言う。テンジンはピンを抜いて投げる。そしてドラゴンの顔に見事当たり麻酔手榴弾は割れ、煙となりドラゴンの顔に漂う。

そして一分もしないうちにドラゴンは眠りにつく。


見事ドラゴンを狩った。いや、眠らせたのが適切だった。


ドラゴンの皮膚は、金属物質よりはるかに頑丈で、研究として一枚剥がすのに数人の力が必要となった。


「あれだな、もし冒険者として異世界にいるとすれば兵器改良が望ましいな」

少佐は言う。5.56、7.62、LAM、84。全て効果は低いと思われる。

その報告書も作成して技術者に提出だなと思う。


城から出て、無線でヘリを呼び回収された。

結局報酬はなし、ギルドメンバーたちは大いに拍手喝采だったが気分は晴れない。


そして後日、二つ良いニュースが飛び込む。


一つは特務隊全員の等級が上がる。eだったのに対し皆cより上になっていた。特にaランクは、黒瀬や更科、フェイクなど特殊能力持ちが1番上がっている。

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