暗闇の地下
落ちた穴を見た。ネイサン。どうしようもできない苛立ちが舌打ちに出た。舌打ちは暗黒に広がった。
ネイサンは暗視ゴーグルであたりを見渡す。
剥き出した土壁が両方にあり、まっすぐに道がある。
進むしか選択肢がなかった。
数百メートルは光が入らなく。暗闇一直線であった。光が見えてきたのは右からの曇っている太陽の明かりであった。
暗視を外し目に入ったのはヘリで見たことがある橋であった。
「ここまで落ちたのか」
つぶやくネイサン。城は霧にかかっていて、風雲城である。
この先の道は暗闇から抜け、右は崖となっていた。さらに横風も追加され、ひんやりとした下向きからの風が吹いている。
しばらくすると左側に、独房のような鉄の柵が確認できた。
「手では無理か」
ネイサンは手でこじ開けようとするが不可能だった。だが諦めてはいない。ネイサンは何やらリュックから取り出す。小型に改良され障害物除去のサーモバックである。
本来は航空機に搭載とかであるが、特務隊に試作品として手榴弾サイズのが渡された。
柵につける。十分に距離を離す。小型とはいえ、鼓膜破れるたり内臓破裂する可能性があるからだ。
きた道をさがる。起爆してドンと太い音がしてすぐに衝撃波がネイサンを襲う。
「小型とはいえ、サーモはサーモか」
柵の方に向かう。柵は木っ端微塵で道も破壊してしまった。
柵を通り、石畳になっていた。南方向に向かう。
松明が左右に光っていて暗視は必要ではなくなった。ネイサンは一本を取り、前に進む。いくつもの独房があり、人は収容されていなかった。かったより、していたのが正しい。
白骨化がすすみ、腕だけか頭だけがそれかどこの骨だけとなってしまっていた人間たちである。虚無感で見渡す。
でもこいつらはなんの罪で収容されているのか、捕虜であればすぐに金と交換する。ここは城であるから収容所ではないはず。
この城は何かしらの秘密があるかも知れない。
歩けば水の音が聞こえ始め、水車の回る音も聞こえ始める。
下水道にしては、綺麗である。水に疎れていると、足音が聞こえる。しかも上から下えへと駆け下りる音だ。
ドアを開ける音がした。ネイサンは隅で狙いを定めていた。敵は10人と確認できた。
分散する寸前で発砲開始する。30発は一気になくなる。
グレネード弾を撃ち手榴弾を投げて、ドアはおりまがり、敵は無惨にも倒れている。
階段を駆け上がり、合流を目指した。




