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異世界戦記  作者: トマト
ランク戦
127/200

城に侵入

一番城内に侵入できたのはジョン班である。


ジョン、フェイク、力、リチャードといった階級がやや高めのメンバーである。城といっても城主はいないだろうか、人の住んでる気配は見受けられなかった。


城に入る。吹き抜けになっていて壁には王らしき人物の絵が描かれていた。だが埃やツタなどが蔓延っていて外からの光を阻害していた。

廃城とも言える。内部の構造や敵の情報はなく、手の付け所がない。城にそろりそろりと侵入して解明するしか方法はなかった。

悪いことに、班での無線は聞こえるが隊の無線は不通ということになっていた。

赤外線や電子機器も使えないという城内にEMPが貼られているみたいだった。


「この環境下で戦闘とは中々ハードですね隊長」


「どうやら仕向けられているみたいだ」


極限状態の中どう戦うのか、異世界現代兵がどこまで戦えるのかと世界は注目しているらしい。

そっとため息をついたジョン隊長。


「フェイク君の力は使えるか?」


「もちろん。ですが、我々以外の生物が潜んでいます。だから特定するのは難しいです」


「きびしいな。とりあえず上いっとく?」

水先案内人として力はあえて先導する。これは実戦だからだ失敗はきかない。失敗というのは、ジョン隊長が戦死か、全滅かの二択だ。

できればジョン隊長さえ生きればそれでいいのだ。特務隊は入れ替えが激しい。特に下士官は。


城の裏から侵入した。


ハンナ、更科、ヴォルフ、結城の4名は、侵入するのに時間がかかっていた。イケイケドンドンで前に進む女子2人。2人の手綱を握るには手間がかかりそうだった。


「違う違う右だ右」

指示を与える結城。出来るだけ穏便に済ませたかった。


「えっ?でもこっちからいけるよ」

ハンナは近道を選択する。敵などいないと思っていたからだ。更科もハンナの方へと向かう。

少佐はキューブで城内を偵察していた。


「脅威はなしか...ハンナそのまま打ち破れ」


「はっ?」


「うんりょうかーい」

ハンナは城の中へと進む。


「少佐。ここは慎重に...」

結城は諦めたかように言う。


「あいつらは猛犬だ。簡単には死なない」

少佐は3人に信頼している。特務隊に一年も配属はしてないが、仲間の選球眼はあるようだ。


「准尉置いて行きますよ」


「あぁわかった」



本丸付近で降りたのは、テンジン、ネイサン、フローガ、瀧、で早速小型モンスターに遭遇する。


「全員戦闘開始」ネイサンの号令とともに安全装置を解除して、発砲を開始した。

4人は円形になる。小型モンスターは誰彼構わず襲い掛かるが4人には敵わない。


「制圧完了と」


「いや〜ハズレくじでしたね」


「よし。前に行くぞ」


4人は中庭から中へと入る。扉を4人でこじ開ける。


「よっしゃ俺に任せろ」

ネイサンはオノを取り、木製の扉を開ける。がネイサンの足元にヒビが入り、穴に落下してしまった。


「ネイサーン!!!」

穴はこだまする。返答はなかった。


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