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隠れ家に住む冒険者。  作者: 與吉
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今日から冒険者のはず

ロースポーツに到着3日後、元聖女候補生マリアは領主への報告に1日、聖王教会への報告に1日、冒険者ギルドへのこれからの活動について1日要した。

そして、冒険者ギルドでマリアは正式にギルドカードを受け取る。

元聖女候補生マリアは、聖女候補生とう肩書きを終えた事により、マリアは本名の『リタ』と名乗る事になる。


最後にリタがナナ達と共に冒険者としての活動に横やりが入る。




領主関係者、聖王教会関係者、何故か冒険者ギルド関係者が、領主館の会議室で話し合いが多なわれる。ナナ達も強制的に参加されられ・・・。


「リタ殿は是非領主私兵団の方がいいんじゃないのか?」


「いえいえ、リタさんは聖王教会で活動した方が得策でしょう。」


「リタさん自身冒険者を望んでいます。今更何を言っているんですか?」


私兵団の関係者らはリタの『回復魔法』を手に入れたく、高額な報酬などを提示し始める。


聖王教会は聖女候補生を卒業したという事で、立場的には教会関係者となるが、ロースポーツでの活動を本名リタに戻した事で、今までの経験は無くなり新たに、聖王教会の上位の立場で聖王教会に戻った方がいいと勧める。


冒険者ギルドの関係者は、リタが誰といつ冒険者として活動するかは本人次第、解らない事はギルドでも教えれるし、何より聞いた話ではナナさん達と行動を共にすると聞いている。ギルドとしては、採取系冒険者として活動してもらった方が安心できる。


「私兵団は新たに後方支援の団長にリタ殿を任せたい!」


「それなら聖王教会はリタさんを修道女筆頭に!」


「冒険者ギルドはリタさんの意見を尊重します。」


私兵団関係者と聖王教会関係者が声を上げて話し合いを始め、冒険者ギルド関係者は「はぁー。」とため息をつきつつ静観している。

ナナ達は会議室が無駄にうるさいと思い、3人揃って「帰りたい・・・。」と心の中で呟く。


内容の無い話は夕方まで続き、ナナ達は冒険者ギルドへ戻り、ギルドの会議室で


「それでリタさんの冒険者としての活動しますか?」


ギルド職員の率直な質問にリタはこくりと頷き


「はい、ナナさんとティアさんと一緒に冒険者をします。」


ギルド職員達はにこりと笑顔になり


「それでは冒険者ギルドはリタさんを歓迎します。」


そう言うとギルド職員らは丁寧に頭を下げる、慌ててリタも頷き返す。

何故かナナとティアはこくこくと頷き、リタは嬉しそうにニコニコ笑顔である。


「問題は領主館で未だに話し合っている彼らが何らかの接触があると思いますが・・・。」


「え、普通に断りますよ?」

「もしくは、逃げる?」

「面倒だから無視?」


「断るのは大丈夫ですが、逃げれては困りますよ、無視するのは構いませんが・・・。」


「話し合うだけなら問題無いですよ。紳士的に話し合うなら大丈夫でしょ。」

「逃げるとしたらロースポーツか・・・聖王国から脱出しますよ。」

「面倒になったら何も告げず、ロースポーツからいなくなりますから大丈夫ですよ。」


「いや、だから、ロースポーツからいなくなったら困りますって。」


ギルド職員達は何やら慌てている、ナナ達は何を慌てているのかわからず


「何が困るんですか?」


「ナナさん達は『魔法工房』関係であり、リタさんは元聖女候補生という事で国からいなくなっては困りますよ。」


「それはそれ、これはこれです。」

「『魔法工房』の事や『ケイトラ』の事は他所の国でも情報を開示するから問題無し。」

「何処でも冒険者出来ますし。」


「わかりました、ギルドとしてはリタさん達がロースポーツで活動できるようにします。」


ナナ達が面倒になればロースポーツを離れると本気で考えている思い、冒険者ギルド的に活動拠点にしてもらった方がいい、そして、リタも一緒にロースポーツで活動した方が得策である。

ナナ達の薬草採取にポーション調合、リタさんの『回復魔法』は再び大討伐時の貴重な戦力になる。


「ナナさん達は今日は冒険者ギルド系列の宿屋でお休みください。

明日から冒険者として活動お願いします。」


「もう会議は終わったと考えていいですか?」


「はい、後は我々が対処します。」


「了解です。」

「お疲れ様です。」

「それでは、失礼します。」


ナナ達はぺこりと頭を下げ会議室を後にする。


ナナ達がいない会議室は、領主の私兵団や聖王教会関係者の対応を話し合う。

何があってもリタさんがロースポーツから離れないようにする為に、ナナさん達がロースポーツからいなくならないように・・・。


「問題は私兵団の方が実力行使でもしたら対応に困りますね。」


「実力行使を実力で対処しそうですが?」


「ナナさん達は採取系冒険者と言われてますが、魔の森でも普通に野営する実力者なんですよね・・・。ランクEのはずなのに・・・。」


「ランクEという事で何か言われる可能性も考えられます。」


「ランクE冒険者にリタさんを任せられないと言われる可能性も考えて置こう。」


「聖王教会の方はもう1つ問題があって、ティアさんの事です。」


「何かありましたか?ナナさんと同じく採取系冒険者だったと記憶してますが?」


「確かにナナさんと一緒に薬草採取をしてますが、盗賊団大討伐時に後方支援に参加し、リタさんと一緒に『回復魔法』を使用したようです。」


「それはギルドとしては知らない情報ですね。」


「後はナナさんと一緒に『土魔法』の『土壁』で討伐隊の拠点の防衛強化をしたとか・・・。」


「魔の森で野営を可能した能力ですね。」


「それならナナさん3人に声がかかるのでは?」


「そのはずなんですが、私兵団のリタさんが欲しく。聖王教会はティアさんとリタさんが欲しいと?」


「そのようです。」


「ナナさんの方が何でも出来そうな雰囲気があるんですがね。」


「冒険者に登録してからナナさんは毎日薬草採取をしてましたね。」


「受付嬢からもそういう風に報告を受けてます。」


「討伐依頼の方はどうなんだ?」


「ギルドへは討伐依頼をこなしたとは報告は無いですが、ロースポーツでの『大討伐』の時に、他の冒険者と一緒に護衛依頼をし、問題無く獣の群れを倒していると聞きましたが?」


「ランクEで護衛依頼?」


「草原で薬草採取をしていたら襲われている馬車に遭遇しナナさん達が助けたらしいです。勿論ギルドを通していなかったので報酬自体無いのですが・・・。」


「無報酬で護衛を?」


「護衛時の食事を一緒にしていることから、食事代わりに護衛をしていたと報告を受けてます。」


「ひょっとして大討伐の時に聖女候補生の護衛依頼をしていたのか?」


「そう聞いています。聖王教会の方から指名依頼でしたが、聖王教会関係者がどのようにナナさん達の実力を知ったのかは不明ですが・・・。」


「ナナさん達に何があるかは気にしない方がいいですね。」


「『魔法工房』との繋がりもあり、ランク通りの実力という事では無いだろう。」


「とりあえず領主の方には冒険者の活動の妨げにならないようにお願いをしましょう。

ナナさん達が『魔法工房』の関係者という事、魔道ゴーレム『ケイトラ』の保持者、ギルドとして『ケイトラ』の試作を開始したので、今回の問題でナナさん達がロースポーツを離れた時の損害を伝えた方がいいな。」


「領主の方はそれでいいとして、聖王教会の方はどうする?」


「そちらもあまり騒ぐとロースポーツを離れる可能性と、最悪聖王国を離れる可能性がある事を伝えた方がいいな。『ケイトラ』なら数日で国を離れる事も可能だろうしな。」


「どちらも脅迫っぽい気がしますが・・・しょうがないですね。」


「本当に最悪なのはナナさん達の実力も知らずに脅迫やら襲わられた場合なんだけどね。」


「さすがにそれは無いでしょう。」


「そう思うか?」


「健全的に決闘で済めばいいと思いますよ。」



冒険者ギルドの会議室の話し合いは、領主側にはナナさん達に対しての強制的な接触を、聖王教会側にはティアさんとリタさんの引き抜きをお願いするしかない。

それを聞くかは不明だが、言う前に何らかの接触後に反発されても困る。





その後、ナナ達は薬草採取中に襲撃を受けては木に吊るし放置した。

ロースポーツの都市部で襲われては・・・やはり気に吊るし放置した。

どちらも叩いて潰し吊るした、手足の骨を砕いた・・・徹底的に砕いて吊るす。


襲ってきたのは誰から興味が無かったので、ギルドにも報告せず只々襲撃をきっちり潰し砕き吊るす。


その為にギルドでは薬草採取の報酬が少し高値の報酬額になっていたり、ポーションの納品報酬も割高になっていた。


ナナ達が砕いて吊るした者達に影響で、ロースポーツでの薬草消費やポーション消費が激しくなっていた。


「今日も囲まれてます。」

「毎日違う人達っぽいですけど?」

「同じ格好なので同業者では?」

「攻撃されたら反撃します。」


弓を構えた襲撃者の人が矢を射る。

『カツン!』

ナナ達の周囲には『結界魔法』を展開していたので、矢は音を立てナナ達の足元へ落ちる。


「はい、襲撃を確認。」

「「了解。」」


次の瞬間、ティアとリタの『土魔法』の1つである『土弾』を襲撃者たちに無差別で撃つ。

襲撃者たちを殺す事無く手足を狙い撃ち、倒れた者を執拗に徹底的に狙い撃ち、ナナ達は見上げるほどの木々に吊るす。


「毎日襲って来るのは何の連中なのかなー。」

「盗賊じゃないの?」

「常時『結界魔法』を展開しているのは安心できますが、『消音』も同時展開で彼らが何を言っているのか聞いてないので誰なのか不明ですが・・・。」



毎日草原や森の中で襲われては吊るしていたのだが、次の日には吊るされた者達は消えていたが、ナナ達は吊るし終わった後の事は綺麗に忘れ、『何故か毎日襲われてるな。』としか考えていなかった。


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