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隠れ家に住む冒険者。  作者: 與吉
7/87

焼き肉祭りからの

『ロースポーツ』収獲祭は『焼き肉祭り』の言葉通りに

中央広場をメイン会場とし第二の防壁内の至る場所で焼き肉を焼く匂いに溢れていた。

ナナは中央広場へ向かおうにも宿屋の食堂でも同じく焼き肉をしている。


「黒毛牛のステーキ焼上がったよ~。」

「大猪の追加焼き上がったよ~。」

「火吹き蜥蜴の姿焼も焼き上がったよ~。」


厨房は肉を焼くのにフル回転していて大変そうだったが

みんな楽しそうに焼き上がる肉をガツガツと食べている。


食堂は酒場と化していたのでナナは大皿に焼き肉を盛りつけ部屋へと戻る。

部屋へ戻ると『魔法工房』へ送り手を合わせ「焼き肉を送ります。」

そう言って再び酒場へ戻り大皿に焼き肉を盛りつけては『魔法工房』へ送り

宿屋で焼上がる焼き肉を全種類送り宿屋を出て色々な焼き肉を堪能する。


「大蛙の唐揚げどうですか~!」

「一角兎と穴兎の串焼きセット焼き上がりました~!」

「黒毛牛のテールスープもありますよ~!」


露店街もいつもと違い殆どの店が色々な肉料理を提供している。

焼き肉は宿屋などゆっくりと腰を据えて食べれる所で提供し

他の肉料理は露店など食べ歩きに向いた料理が多そうだ。


ナナは唐揚げや串焼きを食べながら美味しい物から買い溜めをし

一定量ごとに『魔法工房』へと送り露店街をぐるりと回る前に満腹になってしまう。


露店の料理を提供する各店ではオリジナルの味付けがあり

店によっては有料で調味料の購入が可能という事で

ナナは料理よりも各店の調味料の購入をしたり

肉料理に合う野菜の購入や料理方法を聞いては味見をし

お勧めの肉屋や八百屋を教えて貰っていた。


この日だけは肉屋でも肉料理を提供していたり

八百屋では焼き肉を野菜で巻いて料理を提供していた。


後日、肉屋ではお勧めされた肉をブロックで購入したり

八百屋では肉料理に合う野菜の他に季節ごとの野菜や酢漬けした野菜などを購入した。


「こっちの世界は漬物よりもピクルスか・・・。

美味しいから問題ないが・・・これなら自家製のピクルス作れそうだな。」


最後に神様のお土産を買おうと思い酒を取り扱う店で

『店主曰く贈答用』と教えられた数本のワインとエールを購入する。


「これだけあれば大丈夫かな?」


ナナはリュックに入れる素振りをしながら『魔法工房』へ送り


「よし、食べたし送ったし宿屋へ帰ろう。」


宿屋への道すがら顔なじみの露店の店主から串焼きや焼鳥を受け取り

持てなくなる前に『魔法工房』へ送っては再び串焼きを受け取り・・・

宿屋へ戻る前に20本以上の焼串きや焼鳥を『魔法工房』で保管される。

その中にはナナに酒を飲まそうと言う店主もいたがナナは「ありがとう。」と受け取り

一口飲んでから「おいしい・・。」と呟き小瓶で欲しいんだけどと聞くと

「今日はサービスだから小瓶1本だけね。」とこっそり渡してくれた。


「果実酒というよりアルコールが殆ど感じないジュースっぽいな。」

「女性に人気の酒ですからね。酒が苦手な方用の品です。」

「やはり冒険者には・・・酒としては弱いですか?」

「飲兵衛には飲んでも酔えないと人気が無いです。

そのかわり女性には人気がありますから一定数の人気商品です。」

「普通に露店で買えますか?出来れば小瓶よりも量を多く。」

「買えますが自分用ですか?贈答用ですか?」

「贈答用です、お世話になっている方へ送ろうと思いまして・・・。」

「それでしたら搬送を考えて樽の商品もありますがどうしますか?

大中小とサイズも選べますしお勧めですよ。」

「それでしたら小サイズを1つお願いします。

それと酒好きな方へお勧めのも教えてもらえますか?

出来れば同じく小サイズの樽で購入できる品を・・・。」

「それでしたら・・・『ロマーネの果実酒』がお勧めです。

口当たりと香り豊かな果実酒が良いと思います。

先程の『ルルーシュの果実酒』と共に小サイズの樽がございますので・・・。」

「あの今日は収獲祭で宿屋まで運べないので

出来れば宿屋まで運んでもらえますか?

冒険者ギルド直営の宿屋を使用してますから・・・。」

「それではお客様の名前を教えてもらってもいいですか?」


ナナはギルドカードを取り出し


「ナナと言います。ギルド直営の宿屋に届けて下さい。

今日支払いを済ませたいのですが・・・いいですか?」

「はい、大丈夫ですよ。

それでは契約書を準備しますのでお待ちください。」

「はい、お願いします。」


そう言って店主は契約書を製作していく。

契約した日付に酒の種類に量・・・受け渡し欄に『ナナ』と書き

届け先に宿屋の名前を記入し


「それでは明日届けますが時間はいつがいいですか?」

「それでしたら午前中にお願いします。」

「朝方では宿屋の食堂は込み合ってますから

冒険者達がいなくなってから方が届けるにも受け取るのも大丈夫でしょ。」

「では、明日の午前中に宿屋へ伺いますね。」

「はい、お願いします。」


そう言ってナナは酒代を支払い宿屋へと戻る。


時間は夕方になっているので収獲祭も終盤かと思えば

宿屋では相変わらず飲めや食えやで騒いでいたので

宿屋の女将さんに「晩ご飯はいらない。」と告げ

部屋へ戻る前に「明日宿屋へ露店から荷物が届く。」事を知らせ


「それじゃ、今日は早めに寝ますね。

初めての収獲祭楽しかったです。」

「そうかいそうかい、楽しめたんなら良かったよ。

月2回あるから飲み過ぎと食べ過ぎには気を付けるんだよ。」

「はい、気を付けます。」

「それじゃ、おやすみなさい。」

「はい、おやすみなさい。」


ナナは部屋へ戻り施錠し『魔法工房』へと向かう。


『魔法工房』の屋敷の一室ではナナから送られた料理が並べられていた。

それを酒の肴に楽しそうに飲んでいる神様達・・・。


「串焼きには日本酒も合うがビールにも合うな。」

「わたしはこっちの焼酎の方が追うと思うのですが・・・。」

「それにしてもどれもこれも味付けに違いがあって美味しいのぉ。」

「そうですね、先程ナナさんから調味料が届きましたから

色々料理するのが楽しみになってきました。」


「こんばんは~。」


「はい、こんばんは。料理を届けてくれてありがとうな。

どれも美味しくて手が止まらんよ。」

「ステーキに串焼きに唐揚げにテールスープ・・・

肉の種類によって料理と味付けに変化がある・・・。

一概に焼く煮る以外の料理に味付けは心躍ります。」

「肉や野菜も多めに送ったので色々試食をしてみて下さい。

肉屋と八百屋も教えてもらったので定期的に送りますね。」

「ありがとうございます。」

「食事を必ずとも摂取する必要のない身体でも

食べる喜びを知ってからは三食頂くと言うのも乙なものよのぉ。」

「わたしは料理し食べる事を知りましたよ。

そして、美味しく食べてくれる喜びも知りました。」

「それでは色々な食材や調味料を送りますね。

それとさっき酒も買ったので明日届けます。

2種類購入したので楽しみにして下さい。」

「ほうほう、それは楽しみじゃ。」

「そうですね、食べる事と飲む事が出来る喜び。ここは楽しいですね。」

「それは良かったです。」


ナナは嬉しそうに食事をしている二人を見ながら

「お世話になっているのはこっちのほうなのに。」と考え


「こちらこそ、今後とお願いします。」


と頭を下げるのだった。



この日のナナは宿屋へは戻らず『魔法工房』に宿泊する事になる。

久しぶりのお風呂なのにシャワーで済ませたり

寝る場所を生前の自室では無く客間で寝ようとして注意されたり

自室で寝ようとしたら神様らが押し掛け一緒にゲームをしたり

楽しくもおかしい一日の終わりは深夜近くになり

ナナは寝落ちする様にソファーに座りながら朝を迎える。

『ロマーネの果実酒』

口当たりと香り豊かな果実酒が良い。

酒場で飲まれてい果実酒より格上の酒となっている。

贈答用や記念日に飲まれる酒。



『ルルーシュの果実酒』

口当たりが良くアルコール分が少なく

酒が苦手な女性を中心に人気が高い。



『ロースポーツ』収獲祭は『焼き肉祭り』

中央広場をメイン会場とし第二の防壁内の至る場所で焼き肉をする。

露店街もいつもと違い殆どの店が色々な肉料理を提供している。

焼き肉は宿屋などゆっくりと腰を据えて食べれる所で提供し

他の肉料理は露店など食べ歩きに向いた料理が多い。

露店の料理を提供する各店ではオリジナルの味付けがあり

店によっては有料で調味料の購入が可能。

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