護衛依頼追加始まりました。
久しぶりの更新です。
護衛依頼は追加で黒狼と黒熊の討伐が新たに加わる事となる。
もっとも黒狼は群れで行動しているので、冒険者達も集団で行動し、群れを発見し即討伐する。
黒熊に関しては森の奥から反応があるのだが・・・街道の遥か彼方から近づいて来る気配はない。
追加護衛依頼1日目は、休憩場所のログハウスから時計回りに冒険者達が黒狼の群れの討伐を始め、聖騎士の副隊長サウンド以下2名はログハウスの護りを固める。
ナナとティアは聖女候補生のマリアの護衛という事で、休憩場所を囲むように土魔法で防壁を構築していく。
ナナは寝不足でログハウスで仮眠をし、ティアはログハウスの周囲の薬草を採取し、静かにポーション調合をしていく。
マリアは黙々と調合していくのを、マリアは不思議そうに見つめていた。
「あの初めて調合を見てのですが・・・ティアは調合が上手ですね。」
「んー、ナナと一緒に調合してたから上手かどうかはわかんないよー。」
「そうなんですか?
ポーションの品質が良い気がするのですが・・・。」
「どうだろ?ポーションは手に職をと言われて覚えただけだし。」
「手に職って・・・ティアは冒険者でしょうに。」
「冬期間の仕事としてナナに教えてもらったの。
だからナナの方が調合は上手なはずだよ。」
「ナナさんは何でも出来るんですね。」
「んー、どうだろ?
ナナは普通に冒険者として暮らせばいいみたいだし。」
「ナナさんの普通ですか?」
「ギルドで依頼をして報酬で生活する・・・感じかな。」
「ナナとティアは冒険者ランクは?」
「確かランクEになったはず・・かな?
基本的に薬草採取と穴兎狙いです!」
「冒険者ギルドでは有名でしたね。」
「ん?そうなの??」
「採取した薬草の状態が良すぎると評判でした。
ただ穴兎や野犬を討伐したはずなのに、ギルドには納品がないのが不思議だとも。」
「穴兎は美味しいからギルドには納品するのはダメです。
それに野犬も下処理をしっかりすれば美味しく頂けます。
どちらも無駄無く活用しているので卸すなんて出来ません。」
「下処理で美味しく頂くですか??」
「はい、串焼きにしたりです。結構美味しいでしょ?」
「美味しいです、店売りの物より美味すぎます!!」
「なので食材の確保は大事なのです。
薬草の納品もナナと2人で調合する以外の物は納品してるんです。」
「調合したポーションはギルドに納品してるんですか?」
「んー、品質の低いのから順次納品しているはずだよ。
どれだけ納品してるかはナナに聞かないとわからないけどさ。」
ティアとマリアの会話はティアが調合を終えるまで続き、この日ティアは20本のポーションを調合する。どれも品質的に良い物であり、神父のシルバさんの『鑑定』したのちに、聖騎士達や冒険者達に配られる事になる。
時間潰し的に調合したはずのポーションはティアの臨時収入となる。
仮眠中のナナはティアの調合の成功率に喜び、ティアの頭を撫でまくるのであった。
森の中を散策し黒狼の討伐に向かった冒険者達は、ナナが準備した昼ご飯を頬張りながら大木を背にして食している。
昼ご飯といってもパンに焼肉を挟んだサンドイッチであったが、焼肉がたっぷり食べ応えがあり、尚且つ手づかみで食事が出来るので、周囲を警戒しながらサンドイッチを頬張り
「美味いし、これならいくらでも食えるな。」
「警戒しながら食えるのが嬉しいな。」
「それよりも冷めても美味いのって凄いな。」
「この味を知ってから保存食は・・・食えないかもな。」
「料理を覚えた方がいいのかもな。そうすればこの味を再現でき・・ないか?」
「焼肉の味付けを教えてもらえれば大丈夫かと・・・。」
「それなら戻ったら聞いてみるかー。」
「「「「おー。」」」
この日、満足な食事のおかげなのか午後からの散策速度が向上し、多数の黒狼の群れを討伐し、冒険者達のマジックバックには大量の黒狼が保管される事となる。
保管された黒狼は護衛依頼中という事で、後日追加報酬となる。
追加護衛依頼の晩ご飯後に、この日討伐した黒狼の群れの数が、当初の予想よりも多い事と、森の奥にいると思われる黒熊の動向について話し合いが執り行われる。
「今日だけで黒狼は42匹を討伐した。」
「群れを発見したら向こうから襲ってきたので残さず討伐した。」
「それと半数以上が痩せ衰えいるのが確認できる。」
聖騎士副隊長のサウンドさんが冒険者達の話を聞き
「黒狼の群れが溢れて森の中で食糧不足に?」
「飢えるのがわかっているのなら森から離れるのでは?」
「それとも森から離れられない事情があるとか?」
「発見した黒狼の群れは即襲って来るんだが、1つだけ気になることがあった。」
「森の奥に黒狼の群れが静かにこちらを見ていたんだが・・・。」
「警戒しているとか?」
「そりゃ警戒はしてるだろうさ、俺たちが黒狼の群れを倒しているのを遠目で見てるんだから。」
「遠すぎて確認出来てないんだが、森の奥からこちらを見ていた黒狼達の目が赤かった気がするんだが・・・。」
「ここに来て『赤目』の登場かよ。」
「しかもこっちを警戒している可能もあるか・・・。」
「もしかしたら、森の奥にいる黒熊も『赤目』の可能性ありか?」
「・・・確かめるしかないか?」
「黒熊に関しては動向を注視し、こちら目向かってきたら全力で対応しよう。
今現在の戦力で迎え撃つには万全と言えないだろう。」
休憩場所はナナが防壁を構築し、山村並の防壁があるとはいえ、『赤目』の群れと化した黒狼の襲撃には耐えれそうに無い。
しかも『赤目』の黒熊ともなれば尚の事、蹂躙されておしまいである。
この日の夜から寝ずの番はナナとティアに加え、冒険者達が交代で寝ずの番をする事となる。
ナナは周囲の警戒をしつつ土魔法で防壁を厚く堅甲にしていく。
それとログハウスの隣に簡易的な見張り台を造り、ティアが見張り台の上部で周囲の警戒をしていく。
次の日、厚さも高さも十分で堅硬な防壁を目のあたりにし、護衛依頼をしている面々を驚かす事になるのだが、ティアだけは見張り台の数の増設をナナにお願いしている。
ナナもティアも寝ずの番をしていて寝不足なので朝食後に寝落ちし、目覚めと同時に休憩場所の防衛面の補強をしていく。
防壁の完成は夕方には完成し、ログハウスと野営調理場に馬車置き場しかない休憩場所は、地方都市並みの高さ4mの幅4mの堅硬な防壁が街道に作られ・・・。
帰還した冒険者達は驚きながらも、「これなら寝ずの番はいらないな。」と思うのだった。




