閑話とかかかか
第二次討伐後の閑話となります。
『ロースポーツ』での第二次大討伐終了から7日目
聖王国各地で一斉に野獣魔獣の氾濫は沈静化していく。
山村部などが氾濫のにより蹂躙され
沈静化された現在でも被害状況を確認することは不可能であった。
聖王国から派遣された聖騎士団も全体の4割以上の再起不能・行方不明になっていた。
冒険者ギルドの方も上位冒険者の6割が多大な被害を受けている。
各都市部では怪我人があふれ街中が沈んだ状況になり
冒険者ギルドでは街の周囲の警戒と同時に
薬草採取とポーション調合を寝ずに行う必要があった。
街の各所には『治療所』では聖教会から派遣された神父や修道女達が忙しそうにしている。
重傷者には回復魔法を唱え怪我人にはポーションにより治療を行い
魔力管理の徹底とポーションの調合による確保など
支援する冒険者や住民によりギリギリの状況になっていた。
各地の氾濫から10日後になり聖王国・聖王教会にも現在の状況を知る事になる。
聖王国各地へ派遣された聖騎士団の生存状況7割に唖然とし
そのうち2割弱は重傷者であり騎士として復帰不可能者と知る。
都市部以外の被害も甚大で村ごと街ごと氾濫に蹂躙され死者の数はあまりにも多すぎていた。
また、僅かではあるが冒険者ギルドから派遣された冒険者達が住民を避難され
氾濫後に村や街へ戻り始めているのを知ると聖王教会から神父や修道女達が支援に向かうのだった。
冒険者ギルドでは現在の状況確認と同時に薬草採取を優先的に行い
ポーションの確保に努めることになる。
聖王国の一室では今回の氾濫について事後報告の確認を行っていた。
「聖王国の各地での氾濫は確認から1カ月で沈静化しました。
被害報告は手元の資料に書かれていますが・・・
正確の負傷者や行方不明者に関しては不明となっています。
山村が7つに農村が3つが氾濫にのまれました。
都市部も半壊が2つで無事なのが3つです。」
「聖騎士団の被害状況も深刻です。
ポーションや回復魔法により回復した者たちは全体の6割となり
残り4割は騎士としての活動不可能となっております。」
「冒険者ギルドからは上位冒険者の5割は引退となり
これから暫くは冒険者の人材不足に陥ると思われます。」
各報告を聞き聖王国の国王は暫く目を閉じ
静かに言葉を紡ぐ。
「負傷をした者たちには支援を残された者たちにも同じく正確褒章をお願いする。
それと今回の氾濫について何か分かったことはあるか?」
冒険者ギルドの総ギルド長が
「それについてですが詳細と言いますか不審な点がいくつかあるので報告します。
最初は『赤目』の野獣の目撃状況からの一斉氾濫ですが
各地で目撃された『赤目』が『一角兎』であったり『角うさぎ』であったり
中には『黒熊』や『大猪』の『赤目』の目撃情報がありました。
原因は不明ですが『赤目』発見から氾濫まで1カ月から2カ月の間があり
『一角兎』や『角うさぎ』は早期討伐により被害が少なく
『黒熊』「や『大猪』は討伐に時間がかかり被害状況も大きくなっていました。」
聖騎士団の総団長も
「聖騎士団としても実力者を各地へ派遣されたはずなんじゃが
まさか全体の損害率がこれほどまでとは・・・
騎士団全体の修練不足が明確になりましたなぁ。
冒険者ギルドのランク的にはランクB以上の実力者を揃えたはずなんじゃがのぉ。」
聖王教会の神父長からも
「派遣された神父や修道女たちは各地に治療所を作り
負傷者の治療にあったっております。
ギルドから提供されたポーションと回復魔法のより
ギリギリではありますが何とか現状維持に努めております。」
各責任者から報告を聞き国王は予想以上の現状に
深く息を吐き少し思考を巡らせる。
「被害は甚大であり復興は難しいかもしれん。
亡くなった者や負傷した者も多く残された者たちも多くおる。
負傷者の治療を最優先にし元の生活に戻せるように尽力を尽くしてくれ。
聖騎士団と冒険者ギルドでは人材の育成を優先的に進めておくように。」
「「「「はっ!」」」
会議が終わり部屋の中には各責任者が座り
ある者は新人の育成の頭を悩ませ
ある者は破損し破壊された都市部への修復について
ある者はギルドの手の提携や回復魔法の使い手を増やす方法を考え
各々が深くため息をつくのであった。
「今回の氾濫で冒険者不足からギルドの維持が難しくなる。」
「多分その心配は不要じゃろう。
氾濫後ということで冒険者になる者たちが増えると思われるぞ。」
「出来れば防壁の修復なども冒険者ギルドでお願いしたいのですが・・・。」
「その辺は各ギルドに対応を任せるつもりじゃ。
人材不足はどうしようもないがギルドでのクエストとすれば大丈夫じゃろう。」
「聖騎士団と聖王教会の派遣された者達の帰還はどうなってるんですか?」
「氾濫の終息を確認後帰還予定だが・・・どうしてだ?」
「氾濫後という事で各都市部では治安の乱れが予想されます。
暫くは数人の聖騎士団や聖王教会の皆さんが形だけでも治安に努めてもらえればと思いまして。」
「なるほど・・そういうことなばら聖王教会と相談して何とかしよう。」
「聖王教会としては負傷者の治療が終わるまでは都市部へ残るつもりです。
聖女様からも聖女候補生も暫くは都市部へ派遣される様です。」
「氾濫で聖女候補生は無事だったんですか?」
「はい、護衛もありましたが…全員無事です。
ただ何名かは全線で聖騎士と共に戦い負傷した者がおりますが・・・。」
「それは何と言いますか武闘派の聖女候補生ですね。」
「未来の聖女は戦場をかけるか・・・。」
「そういえば今回の氾濫で優秀な聖騎士や冒険者たちが亡くなりましたが
新たに有能な聖騎士や冒険者が現れたのではないですか?」
「『赤目』と対峙し生き残った者達か・・・ある意味英雄といえる者達か。」
「戦場をかけ生き残った者達なら問題ないのだが
都市部の安全圏で警備任務をしていた者たちも同じく英雄視していいものかどうか・・・。」
「それはこれからの復旧し冒険者として聖騎士として活動再開したときにわかる事じゃ。」
「そういえば『赤目』討伐時に使徒が降臨したと噂があったが・・・。」
「『ロースポーツ』で光り輝く騎士が降臨した・・・でしたか?」
「光り輝く姿をし大剣で『赤目』を討伐したという・・・。」
「目撃情報から使徒を見た者はいるが・・・詳細は不明と。」
「聖女様からも使徒ではないと『神託』があったらしいですし・・・。」
「それでは光り輝く騎士は使徒ではなく???」
「その辺に関しては聖王教会から言う事はありませんね。」
「聖騎士団からも騎士の中にいない事は確認している。」
「冒険者ギルドからも同じく該当者はいませんでした。」
「冒険者でも聖騎士でもないもの・・・住民の誰かという事でしょうか?」
「使徒を目撃した聖騎士の話では光り輝く大剣で『赤目』を討伐後にいなくなったらしい。」
聖王国でのその後の話。
お偉い方々の名前は物語に関係ないので名乗らない方向で。




