『魔纏衣(まとい)』の習得とか
また更新です。
「『魔纏衣』ですか?」
「それは『身体強化』や『速度強化』のようなスキルです?」
ナナとティアは強化スキルと聞き『魔纏衣』について考え始める。
ハクトさんは二人がスキルについて色々考察していき最終的に
「魔力を体に付加する魔法では?」とハクトさんに『魔纏衣』の詳細を聞こうとし
「『魔纏衣』とはその名の通り魔力を体に纏うスキルです。
『身体強化』は自身を身体能力を強化するスキルであり
『速度強化』は自身の速度を強化するスキルです。
そして、『魔纏衣』は魔力を纏うことにより
自身の能力に加え装備した物も強化するスキルです」
ハクトさんの話を聞きながらナナは手を挙げながら
「それは火属性の魔力を纏えば自身を火属性となる?」
「武器に火属性の魔力を纏えば魔法剣となる?」
「お二人の考えは正解であり不正解です。
まず『魔纏衣』で纏う魔力は純粋な魔力であり属性魔力では無いのです。
ナナさんの言う火属性の魔力を纏う場合はもう一つ上の『魔纏衣』となります。
ティアさんの言う魔法剣に関しては属性の魔力に耐えられる剣でなければ砕け散ります」
「それでは『魔纏衣』は無属性の純粋な魔力を意識し纏う事か・・・」
「聞いてる段階で難しいのか分からないよ」
「『魔纏衣』は上位冒険者の必須スキルと言われておるし
何より魔力を纏うことにより装備を一段階向上する事が可能となる」
「装備した物が壊れない?」
「装備の向上?」
『アレ』との戦闘でナナとティアの装備は破損し現在は替えの装備を使用している。
13~14歳の二人の装備は体の成長と共に随時更新し替える必要があり
少しだけ余裕のある大きめの革の上下を身に着けている。
初心者冒険者としてはお馴染みの革の鎧など破損している為
後日新たに革装備を作り直す必要がある。
革の手甲やブーツなどは消耗が激しいので替えはあるので最低限の装備は大丈夫である。
「先の『アレ』との戦闘でナナさんの『結界魔法』で耐え切れず革装備は破損しました。
あの時のお二人は無意識化でありますが『魔纏衣』を使えてました。
それは自身にと言うより鉈剣や弓矢にですが・・・」
「それで鉈剣や弓が破損していなかったのですね」
「『アレ』との戦闘でナナは攻撃を避け切ったと思うのですが?」
「そうですね、見た目は『アレ』の攻撃は完全に回避し避け切ったはずでした。
しかし、『アレ』の攻撃は見た目以上に危険な攻撃を繰り出していました。
『アレ』は存在自体危険であり『アレ』は破壊し腐敗し侵食し犯し侵され食い尽くすモノでした」
「見える攻撃より見えない攻撃の方が恐ろしいのか・・・」
「結構やばい状況だったんですね・・・」
「あの時は光り輝く衣を纏っていたので我々も大丈夫だと思ったんじゃが
ここへ帰ってからナナさんの破損した革の鎧を見たときは焦ったのぉ・・・」
「結構ギリギリでした」
「ギリギリの戦いは勘弁です」
「ギリギリの戦いの先に成長がある。
冒険者が危険なギリギリな状態を冒険という者もおる。
冒険の先に栄光と名誉があるという者もある」
「危険な冒険の先か・・・」
「危険の先に成長か・・・」
「二人がこの先どのような冒険をするか楽しみではあるが
決して無理はせず酷使せず冒険して欲しいのぉ」
「その為には今以上に強くなる必要があるな!!」
「『魔纏衣』の習得を目標に頑張ろ!」
「自身の身体に魔力を纏うことにより
まずは魔力の衣を意識し武器に纏う事を考え
ナナさんは鉈剣や革のブーツに纏う事を最優先にし
ティアさんは弓を構え矢に魔力を纏い射る事を最優先に実行していこうかのぉ」
ナナとティアはハクトさんから教えてもらった通り
魔力を薄い布をイメージし各自武器に纏わせていく。
ナナは鉈剣を包むイメージで魔力を纏わせていく。
ティアは弓を構え矢を射る姿勢で弓矢に魔力を纏わせていく。
『魔纏衣』は無意識化で使用したといわれても
ナナとティアにその意識がなかっらために
現在の魔力の布を被せるという事に苦戦していた。
息を整え魔力調整をし魔力操作をし朝練は終わっていく。
「朝練だけではなく時間の合間にでも『魔纏衣』の修練をしようか・・・」
「そうだね、身体の疲れよりも精神的に疲れるかも・・・」
「『魔纏衣』の修練自体難しいものではない
何より無意識化で『魔纏衣』を使用しておったし
後はイメージが現実になれば問題がないはずじゃ」
「イメージか・・・」
「イメージが現実に・・・」
「修練し習得していけば最終的に身体全体に『魔纏衣』が可能になるはずじゃ」
「『魔纏衣』が成功したらどうなるの?」
「やっぱり無属性の魔力を纏うから光るの?」
「そうじゃのぉ、最初の『魔纏衣』を使用した時の姿は
身体全体が少し発光しているはずじゃ」
「それなら『魔纏衣』が成功した場合は少し発光するのかな?」
「『魔纏衣』は魔力消費により効果が変わるはずじゃ。
使用魔力により攻撃力が増したり防御力が増したりそれにより発光具合が変わるのぉ」
「最初は武器のみの『魔纏衣』」
「最終的に身体全体に『魔纏衣』」
「『魔纏衣』習得までは薬草採取のみの方がいいじゃろぅ。
採取中でも『魔纏衣』の修練は可能じゃからのぉ」
「採取中の見張りをしながら修練すれば一石二鳥!」
「武器を構えながらの修練だから緊張しっぱなしかも!」
実際にこの後しばらくは薬草採取しながら『魔纏衣』の修練をし
いつも以上に見張り時の修練で精神的な疲れで帰宅後に即寝する日々が続くのであった。
武器への『魔纏衣』から始まり
各自全身への『魔纏衣』の習得まで7日間要し
その後は『魔纏衣』への魔力消費調整に3日間かかり
10日後にはナナとティアは『魔纏衣』を習得していく。
その間薬草採取ばかりであったが『アレ』での戦闘後に使い切った薬草を確保し
『ロースポーツ』ではポーション調合スキル持ちの冒険者ら頑張り
ギルドに保管するポーションを確保していく。
『アレ』討伐から一月後に新たな災厄を迎える。




