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隠れ家に住む冒険者。  作者: 與吉
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魔力を纏うとか

久しぶりの更新です。

『アレ』との戦闘後にナナとティアは自身の戦い方について思考を目えぐらせていた。

ナナは魔法で強化したのに『アレ』に対応できなかった事を・・・

ティアも魔法で強化したのに『アレ』には手も足も出ずにいた事を・・・


ナナは「ふぅー、はぁー」と深呼吸をし静かに拳を繰り出す。

それは昨日の戦闘を意識した動きであった事はティアも気が付き

ティアもまた「ふぅー、はぁー、ふぅー」と深呼吸をし

ナナに倣い拳を繰り出す・・・無心に拳を打ち蹴りを放つ。

ナナは『格闘』スキルを習得していたがティアは未修得という事もあり

早々に息が始めは動きが鈍くなる。


「ティアさんも無手での修練を始めましたか」

数分前より二人の修練を物陰から見つめていたハクトさんが声をかける。

ナナとティアは修練をやめハクトさんに挨拶をする。


「「おはようございます」」

「おはようございます」

「はい、弓だけではダメな気がして・・・」

「『アレ』と向かい合って生き残れただけで満点なのですがね」

「次も生き残れるかわかりませんから」

「はい、ギリギリで生き残れた気がします」

「あなた方お二人は冒険者ランク以上に実力あり

何より『アレ』を打ち破っているのでもう少し自信を持っても大丈夫ですよ?」

「いえ、あれを打ち破ったのは『あの魔法』のおかげです」

「身体全体を包む『あの魔法』のおかげです」

「あの魔法がなければ『アレ』と戦う事すら無理だったでしょう」


ナナの言葉にティアが静かにうなずく。

ハクトさんは目をつむり先の戦いを思い浮かべ

「んー」と思考を巡らしてから


「確かに『あの魔法』は『アレ』を打ち破ったかもしれませんが・・・」

「『あの魔法』はやはりアリスさんの?」

「そういえば『あの魔法』の説明をしていませんでしたね」

「私はアリスさんにこっそりお礼をしました」


ハクトさんとナナの話を聞きながらティアが手を挙げながら声を上げる。


「先の戦いの後に皆さんにお礼をしましたがアリスさんに『魔法』の感謝を忘れてた・・・」

「それについては大丈夫ですよ、逆にアリスさんを始め皆様方が恐縮と思われます」

「どうしてですか?」

「『アレ』と対峙するにはお二人では荷が重すぎました。

何より『アレ』と対峙するのはそれ相当の者が務めるものです」

「やはり上級冒険者とかが対峙するものなのですか?」

「上級冒険者・・・聖騎士団・・・・もしくは『英雄』と呼ばれる者達が対応するものです」

「上級冒険者ですかランクAとかですか?」

「冒険者ギルド的にはランクAは上級冒険者と言われてますが

『アレ』と対峙するにはランクA以上のランクS以上必要です」

「ランクA以上ですか」

「ランクS以上・・・どれだけ強い者か想像がつきません」

「実際に『ロースポーツ』に派遣された聖騎士団はギリギリランクA冒険者並でした」

「彼らより強い者たちですか・・・」

「ナナさんとティアさんも冒険者ランクは先の戦いでランクが上がったはずなので・・・」

「「ランクDになりました」」

「『アレ』と対峙した冒険者がランクDというのも可笑しな話なのですがね」


ハクトさんは苦笑いをしながら一つの話をする。


「冒険者ランクはクエストの評価です。

その者の強さがランクとは限りません。

実際に採取クエストのみで戦闘経験がないものがランク上位だったり

討伐クエストのみで採取経験がなかったり

パーティーでクエストを行い気が付くと実力以上のランクになったり

実力以上にランクが上がり右往左往する冒険者。」

「私たちはどうですか?実力的な意味でランクDというのは?」

「ナナと一緒にいるからランクが上がった気があるんですが?」

「ナナさんとティアさんは採取経験は豊富ですから大丈夫だと思いますよ?

討伐クエストの方は食料可能な野獣を主に行っているのが気がかりです」

「確かに食べれる野獣のみ討伐経験がありますね」

「美味しいのがいけないのです」

「まぁ、食糧庫には角うさぎや黒熊に大猪が解体されキチンと保管されてます」

「調理された物もストック済みです」


「お二人がランクDになっても不思議ではありませんよ?

逆に冒険者ギルド的にはランクが上がって「ほっと」してると思います」

「そうなんですか?」

「薬草と毛皮を冒険者ギルドに収めているだけで?」

「薬草採取はクエストの基本ですが・・・

ギルドの中には何人の冒険者が薬草採取をしているかご存知ですか?」


ナナとティアは首を傾げながら「10人くらい?」と言うと


「ナナさん達が所属しているギルドで薬草採取しているのは7名ですね。

お二人を除けば5名のみで冒険者ギルドとしても保管する薬草数は不足傾向にあります」

「知らなかった・・・」

「薬草採取は人気がないのか・・・」

「薬草採取は採取した数に応じて報酬額が変動するし

何より採取した薬草の知識がなければ薬草では無く

毒草や野草を採取してしまい冒険者としての信用を下げる可能性もある」

「採取するより討伐をしたほうがいいと思う者が多いのか」

「私は薬草採取の経験があるから気にしませんが・・・

やはり薬草採取は知識も必要ですもんね」

「冒険者として薬草の知識は大事だと思う者は少ない

遠征や長期間の移動中に夜な夜なポーションを調合する場合もあるが

最近の冒険者は自前で薬草もポーションも店売りばかりでのぉ・・・」

「薬草採取もポーション調合もどちらも大丈夫」

「遠征は未経験です、森でも野営は遠征になるんですか?」

「お二人の森での野営は衣食住はある意味違うものです

本来は焚火を囲み寝ずに交代で夜営をし

保存食を食べながらクエストをする」

「寝る場所を確保し調理済みの食事をし普通に寝る」

「大変な事は無かった気が・・・あれは野営じゃなかったのか」

「あれを野営とは言いません

本来ならば少人数では野営は不可能ですよ?」

「難しいものなのですね」

「確かに・・・」


「それよりもお二人はこれからどうしますか?」

「「??」」

「ナナさんは弓と蹴りに多少の魔法で遠近どちらも対応可能

ティアさんは弓と多少の魔法で基本遠距離からの攻撃が多いですね。」

「鉈剣と苦無もあるから武器使用でも戦えます」

「私は魔法を習得してますが討伐に使えるかは自信ないです」

「お二人は『弓修練』を習得ているので冒険者より狩人っぽいです。

魔法はナナさんは『結界魔法』で防御をしつつ

ティアさんの弓で矢を射る、もしくは、『土弾』で狙い撃つ感じです」

「『結界魔法』で守りを固めつつ弓を構えるのは難しい」

「私は魔法で守られながら弓を構えるので安心感があります」

「完全を確保して戦うので冒険者としては大事なことです。

逆にいえば格下のクエスト・・・野獣や魔獣のみしか戦った事が無い」

「弓が通じない野獣と対峙した場合か・・・」

「それと魔法も効かない時はどうしたら・・・」

「基本的には修練を繰り返し実力をつけるしかありません。

新しい戦う術を習得したりするのも必要になるかも知れません」

「『弓修練』を極め『格闘』を極めです?」

「スキルを極めれば強くなるものではありません。

スキルを極めても自身がスキルを十全使えなければ意味がありません。

逆に言えば習得スキルが低くてもスキルを十全に使えた方が大事な場合もあります。

スキル習得ばかりが強さではありません・・・一つの指針にはなりますがね」

「習得してもダメなのか・・・使いこなす実力も必要か・・・」

「スキルを十全ですか・・・難しいです」


「今のスキル構成にもう一つスキル習得してもらいます。

強化系スキルの魔力を纏う事を覚えてもらいます」

「「魔力を纏う??」」


「強化系スキルの高位スキル『魔纏衣まとい』」


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