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隠れ家に住む冒険者。  作者: 與吉
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討伐後とか

今回はナナ視点少なめで『魔法工房』の神様達の視点で展開します。

第二次大討伐後と言う事で東の森へ聖騎士達が見周りをし

『ロースポーツ』の住民達は先の『アレ』の襲撃により

破損し破壊された防壁の修復作業に勤しんでいた。

負傷した者や怪我をした者達は神父や修道士達の魔法により治療し

全ての者が『ロースポーツ』の復旧に忙しく動き続けるのだった。


それから半月後には東の森に危険性が無いと言う事で

聖王国から来た聖騎士団や勇士の冒険者達

教会関係者と商業者ギルド関係者達は一部の者を残し帰還する事になる。

今回の『アレ』の出現により聖王国では各都市に聖騎士を派遣する事を決定する。

『ロースポーツ』の教会にも聖騎士15名と神父や修道士6名が滞在し

何故かシルバさんとマリアさんも留まる事になる。

勇士の冒険者も数名が残り冒険者ギルドで冒険者達を鍛え上げ

数カ月後には冒険者達はランクを1つ上げる事に成功する。


『ロースポーツ』収獲祭は冒険者達が育つまで中止となり

半年以上経ってから『ロースポーツ』収獲祭を開催する。

それは『ロースポーツ』の復旧が終わり本当の意味で元の生活に戻った事を意味する。



ナナとティアは次の日には普通に活動できるほど回復し

草原で薬草採取を再開していた。

大討伐後と言う事で薬草不足な為に冒険者達が多数草原で薬草を採取し

ナナ達もまた人込みを避けるように森付近まで遠出し採取をする。


「街から離れたけど野犬の姿はサッパリ見かけないなー。」

「穴兎の反応はあるけど警戒して隠れてるね。」

「まだ『アレ』の影響があるのかな?」

「影響か・・・ナナは身体大丈夫?」

「シルバさんとマリア様の回復魔法で治してもらったからね。」

「そういえば・・・あの時の光って何だったの?」

「空からの光の事・・・?」

「そそ、その後に私達の身体が光ったでしょ?」

「あれはルナさんの魔法かな。

目立ちたくないと思っていたから丁度良かったよー。」

「光ったのは戻ったけど・・・わたしの弓が強化されたままなんだけど。」

「ん?強くなったままなら問題ないでしょ。」

「・・・そういえなそうだね。買い替えたと思えば問題無いか・・・。」

「そういう事。」

「そう言えば『アレ』は何だったんだろ・・・燃えてる身体で強かった。」

「さぁー、名も知らないから『アレ』呼ばわりだし。」

「もう戦いたくない相手なのは決定だけど・・・。」

「わたしももう戦いたくない・・・面倒すぎるし強すぎる。

のんびり薬草採取する生活の方がいいよー。」

「薬草採取をし生活費を稼ぎ『魔法工房』に泊る暮らしがいい。」

「今日は久しぶりにアリスさんの手料理が食べれます。」

「たのしみー。」


疲れ怪我を治したた身体は精神的に疲労し

ナナ達は休憩を繰り返しながら採取をし

夕方まで薬草10本1束にした物が30束程になり

『ロースポーツ』へ戻るのも億劫になり

ナナとティアは『魔法工房』へ向かう。

当然の事の様に第二次大討伐の報告を行い

晩ご飯の前にお風呂に入り疲れを落とし・・・食堂での食事中に寝落ちする。

それの2人揃って食べながら気を失うように眠り始め

ハクトさんがナナを背負い

アリスさんがティアを背負い

工房の2階へ運び布団へ寝かせる。

数日間まともに眠らず護衛や戦闘を繰り返した2人は

自分達でも気がつかない程疲労がたまり倒れてしまった。



ナナとティアが疲れ果て倒れ眠っている。

屋敷の大広場ではナナ達の体調は見るから疲労である事を知り

魔法による治療を取りやめ自然回復での疲労回復するまで待つつもりでいた。

ハクトさんとアリスさんはナナとティアの装備を手にし


「これでは修復は不可能です。

革の上下の魔法陣も焼き切られてます。」

「こっちもです。革装備は燃やされたように修復不可能です。」

「魔法陣があったから原型を留めているのかも知れんな。」

「本来なら革の上下だけでは『アレ』の攻撃を防ぎきれんし・・・。」

「ルナの恩恵と魔法陣と魔法の重ねがけによる奇跡か・・・。」

「ティアさんも『アレ』にふっ飛ばされたはずなのに怪我しかしとらんかった。」

「瞬時に魔法障壁を展開したはずですが・・・あれほどの強度になるとは・・・。」

「もしかしたら魔法障壁では結界魔法だった可能性が・・・。」

「その辺は確認をしてから考えようかのぉ。」

「結界魔法を扱える者は稀少ですし今後が楽しみですね。」

「再び『アレ』と同等なモノと巡り合う事は無いと思うが

もしもに備えてナナさん達の装備を何とかしないと・・・。」

「革装備以外では重くて動けない可能性もありますし・・・

他の素材は森の『深部』に生息している蜘蛛の糸くらいですが

あの糸はナナさん達では採集は勿論ですが加工は不可能ですよ?」

「そうだよな・・・あれは蜘蛛と言っていいモノなのか?

魔獣の類いよりも凶悪であり最凶なイキモノだろう??」

「無理をせずに革の上下を少しずつ強化していくしかないかな。」

「ナナさん達は目立ちたくないようですし

普通の装備の普通の冒険者としての依頼をすると考えてます。」

「『アレ』に立ち向かう段階で普通では無いんだけど?」

「それでもですよ。彼は今もまだ何が正しいのか模索中だと思います。

今回の大討伐も逃げようと思えば逃げれたはずですが

ティアさんと一緒に行動し何か思う事があったのか

それとも知り合いが増えた事により護る事を優先したのか・・・。」

「ティアさんの影響か・・・隣町への護衛もティアさんからだっけ?」

「はい、お願いされた形です。」

「『アレ』との対峙も最初はティアさんを信頼して行動してましたが

ティアさんが倒された時は全てを優先してティアさんの元へ向かいました。」

「ナナさんは記憶喪失で少しだけ人より感情が希薄になっておったが

今回の事で少しずつ感情を思い出したようじゃ。」


記憶喪失で感情が希薄になったナナであったが

『アレ』との遭遇で何かを思い出した・・・

いや、『アレ』との対峙でナナの中ではっきり何かのスイッチが発動した。

それは『アレ』に対しての怒りなのか・・・

自分自身不甲斐なさへの怒りなのか・・・

感情の爆発によりナナは剣鉈を構え『アレ』に突き裂き突き斬り突っ込んだ!

普通なら弓を構え矢を射るはずなのに

いつもなら離れた位置から土弾を放つはずなのに

あの時は感情に任せ剣鉈を構え全身で全力で突っ込んでいった!!

それがいい事なのかわるい事なのかは神様でも解らなかった。

解っている事は全力で力の限り魔力が尽きるギリギリまで『アレ』と対峙し

『アレ』を蹴り抜き蹴り続け蹴り砕いた事だけ

ティアもまた弓を構え魔力を纏い矢を射る。

魔力が尽きるまで魔力を纏い連続で矢を射る・・・それだけだった。

2人は『アレ』を倒した時は感情が爆発した様にハイタッチをし

共に叫びながら倒れていた。


「ルナの祝福によりナナさん達は冒険者として人として成長してしまった。」

「少なくとも教会からは目をつけられますね。」

「聖王国からもナナさんの存在を無視出来んじゃろうし・・・。」

「一応は使徒が『アレ』を鎮めた事にしているけど

白い神々しい姿を目撃しているはずだから革装備のナナさん達では対象外なんじゃ?」

「それこそ神の奇跡として考えれば姿形はどうにでも言い訳がつく。」

「何にしてもナナさん達は面倒と思えば一蹴するじゃろう。

聖王国じゃろうと教会じゃろうとハッキリ拒否しそうじゃが・・・。」

「その可能性の方が大きいかもな。」

「教会を嫌いにならないでほしいけど・・・。」

「それに関してもナナさん次第じゃよ。

ルナはキッチリ聖女にナナさんの事を伝えておけば大丈夫じゃろう。

下手に囲もうとすればナナさんは離れて行くと思うぞ。」

「はい、ちゃんと伝えます。」


グランさんアポロさんルナさんは今後のナナ達の対応について話し合いをし

ハクトさんとアリスさんは革の上下を手にし新たな装備について協議している。


「革の上下は基本装備として補強や補修以外で強化するとしたら

魔法陣を刻むのが一番だけど他にはどうすれば・・・。」

「小物のアクセサリーにも魔法陣を刻めば

複数の魔法陣により瞬時に魔法発動が可能になるはず。

魔力の消耗が激しい気がするけど?」

「そこは魔石で補えば・・・いけるか?」

「魔石を購入するにもナナさんの所持金では購入すらあやしいですが?」

「自分で魔石を回収するのは・・・ダンジョンに篭らなければ不可能か・・。」

「聖王国に確認されたダンジョンは4つか・・・

国の管轄だからナナさん達が利用できる確率は・・・皆無か。」

「ランクEの冒険者なら当然かと・・・?」

「今の装備でも活動する上では使い勝手がいいはずじゃが

『アレ』のような高位のモノが現れたら・・・難しいのぉ。」

「『アレ』との対峙は私達の予想外の事例です。

それこそ『アレ』向きの装備を創ろうと思えば神器クラスの装備でなければ・・・。」

「一介の冒険者が装備する物じゃないか・・・。」

「まずはナナさん達の実力の向上を第一に考えてから

実力に合った装備を鍛え創り上げた方が効率がいいと思います。」

「装備を使う事か・・・今のままでは装備に使われてしまう・・と。」

「はい、ナナさんのLvUpをしながら装備もLvUpする。」

「時間がかかるがその方がいいか。」

「はい、とりあえず破損した革の上下を直しましょう。

魔法陣も刻みなおしてナナさん達が装備出来るように。」

「そうじゃのぅ、今の装備を直せば暫らくは大丈夫なはずじゃ。」

「明日からの朝錬を頑張りましょう。」

「了解じゃ、ナナさんが全てに抗えるように鍛えよう。」


ハクトさんとアリスさんは革の上下の補修をし

破損し破壊された革装備は次の日には新品のような輝きを取り戻し

練習場で倒れるまで朝錬での組み手を繰りひろげるのであった。


第二次大討伐の最終回。


次回から新しい話しが続きます。

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