表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
隠れ家に住む冒険者。  作者: 與吉
28/87

依頼終わりは

浅い森での3日間の薬草採取を終えナナ達は『ロースポーツ』へ戻ってきた。

毎日の様に虫除けのお香を焚いたせいかナナ達からお香の匂いがする。

浅い森での薬草『ポポリス』も10本1束の物を63束採取し

ナナの背負うリュックには薬草の束が丁寧に保管されていた。

他の冒険者と違い食糧は『魔法工房』から取り出す事が出来るので

食事の度に調理不要ですぐさま食事が出来るので

ナナとティアは食事の度にアリスさんに感謝の言葉と共に美味しい料理を頂いていた。

3日目のナナ達は昼ご飯を食べてから真っ直ぐ『ロースポーツ』を目指し歩き続け

夕方頃になんとか『ロースポーツ』に到着しギルドへ向かう。


3日ぶりにギルドへ赴くと受付嬢の前に冒険者達が並んでいたので

ナナとティアは待合室の隅の方に座りリュックから水筒を取り出し

覚めてしまったお茶を飲みながら「今日はゆっくり眠れそう。」と呟くと

ティアは「明日は休日にしませんか?」と言われ

水筒のお茶を『ずずずずず』と飲みながら「そうしよっかー。」と

ナナはにへらと笑顔でティアの話に賛同した。

ティアも水筒のお茶を『ずずずずず』と飲み


「ハクトさんとアリスさんにお礼を言わないとー。」

「そうですね。何事も無く浅い森での採取を終えましたしー。」

「安全に怪我無く3日間過ごせたのはハクトさんのおかげだし

食事に関してはアリスさんに尽力あっての事だしねー。」

「美味しい料理が一番大事。」

「問題点は夜の『結界魔法』の魔力残量かな。

魔法陣でのサポートも考えてアリスさんと要相談かなー。」

「はい、明日ゆっくり考えましょ。

今日はなんだか眠くて思考停止しそうです。」


それから30分後にナナ達は昨日まで採取した薬草を納品し

受付嬢が1束ずつ薬草を『鑑定』し毒草や雑草が混ざっていないか調べ

問題無いという事で薬草10本1束の物をナナは50束納品する。

『魔法工房』へ13束を送り後日ポーション調合予定である。


「はい、『ポポリス』50束問題ありません。」


受付嬢が薬草の束を後ろの部屋に運び・・・代わりに小さな布袋を手にし戻ってくる。


「『ポポリス』10本1束の物を50束という事で『薬草採取』依頼50回分の報酬になります。

相変わらず丁寧に採取なさっていてギルドとしても助かります。」


受付嬢はナナの丁寧な仕事ぶりにニコリと微笑み小さな布袋を手渡す。

ナナは布袋の重量に驚きつつも「これで帰れる。」と思い


「明日は休日にする予定です。また数日浅い森へ向かう予定ですから

次に冒険者ギルドへ来るのは不定期だと思って下さい。」

「わかりました。浅い森では獣や虫が多いと思いますので無理なさらない様に。」

「はい、それは経験済みです。3日間は長かったです・・・。」

「そうですね。」


ナナとティアはぺこりと受付嬢に頭を下げギルドを後にする。


ナナ達がギルドを出て暫らくすると受付嬢達が集まり

先程ナナ達が納品した薬草について話し合いが行われる。


「まさか3日間も浅い森に篭るとは・・・。」

「本当に初めて森に行ったのかしら?」

「それよりも疲れきっていてティアさんなんか眠そうだったね。」

「ナナさんとティアさんの背中のリュックを見た限りキッチリ準備したみたいだけど?」

「2人ともマント装備でリュックにもマントを持っていたし

初めての野営で緊張と疲れで眠れなかったのかも?」

「寝ても覚めても虫に刺されたりするし

突然大猪から襲われる可能性もあって寝れなかったとか?」

「なんにしても明日は休日にするみたいだし大丈夫なんじゃないかな。」


「それよりも『ポポリス』が50束ですか・・・

一度に納品された量で言えば過去最高ですね。」

「『ポポリス』の状態も問題無いしギルドとしては嬉しい限りです。」

「ポーションの一段上のポーションが調合可能なハイポーションが調合出来ますね。」

「薬草不足でハイポーションも在庫切れの状態でしたから・・・。」

「明日からギルド内でもハイポーションの調合を始めれます!」

「定期的に『ポポリス』が手配出来ればいいんですがねー。」

「「「確かに。」」」


受付嬢達はナナ達が3日で50束の薬草を納品したという事で

1月で200束以上の『ポポリス』がギルドに納品するかもと思いながら

冒険者のいないギルド内で終わらない話を続ける事になる。



報酬を受け取ったナナ達は冒険者ギルドを出てすぐに『魔法工房』へ戻り

『生活魔法』で身体を綺麗にしてから装備を外し

今日まで3日間の浅い森での薬草採取や丈の長い草木での野営の過ごし方

そして、野営時に常時結界魔法展開していた事を話し

晩ご飯を早々に頂きナナとティアはお風呂に入る間もなく

工房へ戻りナナ達は「だめだ・・。」「もうねむい。」と呟き

布団に倒れるように横になり・・・気が付けば寝落ちする。



ナナ達が眠り始めた頃、屋敷の大広間ではグランさん達がゲームをしながら

3日間浅い森で薬草採取をしていた状況について話し合いをしていた。


「周囲の安全を確保してから薬草採取をしていたか・・・安全第一のやり方じゃ。」

「落とし穴と革紐に魔法障壁ですか・・・過剰防壁っぽい気がしますが?」

「幼い2人組だから過剰に厳重に構えた方が安心出来る。」

「そうじゃのぉ、採取する方も警戒する方も大変じゃと思うが

冒険者として活動するには怪我も無く依頼を完遂出来れば問題無いはずじゃ。」

「ナナさんが夜に展開していた『結界魔法』は寝ずに魔法を維持する必要があるから・・・

どうにかナナさんも寝れれば一番いいんだけどね。」

「ナナさんがぼそりと『魔法陣に結界魔法を・・・。』とか言ってたから

明日あたりアリスにでも相談するかもしれないわね。」

「それでは私の方でもナナさんに相談されてもいい様に副案を用意しておきましょう。」

「後は野営時に焚き火をしながら寝ずの番をしていたから・・・

『土魔法』でシェルターでも造り上げればナナさんも安心して寝れると思うんじゃが?」

「土魔法でシェルター・・・小屋みたいな感じでならナナさんでも作り上げる事は可能でしょうね。」

「魔法のシェルターに魔法陣に魔法を刻めば安全な場所を浅い森に作れるか・・・。」

「明日の朝錬にでもナナさんとティアさんにお教えしようと思います。」

「ナナさん達の実力はギルドでも注目してますが経験という点ではまだまだです。

それと初めてやる事には魔力を多く消費したり精神的に疲弊している気がします。」

「その辺は慣れと思うしかないのではないでしょうか。」

「ナナさんは1年かけて草原で薬草採取や穴兎を倒していましたし

次に浅い森でのクエストをしていけば自然に慣れてくると思うのですが・・・。」

「人間慣れれば大丈夫という事か・・・。」


ナナとティアが安全にクエストをしているのだが

グランさん達はそれ以上の安全を考えていた。


明日は休日を予定していたナナ達であったがハクトさんとアリスさんは

明日は朝から晩までじっくりと持てる知識と技術をナナさん達に教え込む気でいた。


グランさんとアポロさんは魔法陣を刻むとカッコイイ装備や道具について話し合い

結界魔法を刻むには小型な物より大きめの物が良いという事で

大きな盾に刻むか、大きな旗に刻む悩み・・・

見た目重視でグランさんとアポロさんから『魔法陣を刻んだカッコいい旗』を作る事になる。


アリスさんとルナさんは3日間野営する場合の食事のメニューを話し合い

肉料理ばかりにならない様に肉と野菜の組み合わせで

毎食同じ料理にならない様にかぶらない様にメニューを決めていく。

グランさんとアポロさんが考えた恰好良い旗は

ナナが『魔法陣』で『結界魔法』を刻み離れて見ても素敵なフラッグとなる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ