次の目標は
小説のタイトルとあらすじを変更しました。
引き続きよろしくお願いします。
草原で思う存分身体を動かし気持ち良い疲れを感じ
お風呂上がりに屋敷の縁側に座りお茶を飲んでいた。
「はぁー、お茶が美味しい。」
「そうですねー。」
ナナとティアは『ずずずず』とお茶を飲みまったり過ごす。
大広間でゲームをしているグランさんとアポロさんは
夕暮れの縁側でお茶を飲む2人を見ながら
「何故にお茶を飲みながらまったりしておる。」
「若い者が縁側でお茶って・・・枯れてるのぉ。」
そんな言葉にまったりしているナナはニコリと微笑み
「身体は若くても心は枯れてますからー。」
「・・・え?」
「あははは、見た目以上に経験豊富という事でー。」
「あう?」
グランさんはゲームを一時停止しナナさんの隣に座り
「ナナさんはティアさんが思っているより子供時代が波乱万丈だった。
それに今のナナさんは楽しそうに冒険者をしているからのぉ。
ただ少しだけ保守的な所もあるが・・・それも悪い事では無いのじゃが・・・。」
「なんにしてもナナは思うがままに・・・少しだけ我がままに生きてもいいと思うぞ?」
アポロさんがグランさんにお茶を手渡し話にかける。
「そうじゃのぉ、ナナさんは人目を気にしとる傾向がある。
何事にも目立たず人並みに暮らそうという風に見えとる。」
「問題があるとすればハクトから教わった知識と技術は人並み以上の力を持っている。
12歳の子供が冒険者になり1人で冒険をするのは普通じゃないんだよ?
大抵の初心者冒険者は4~5人でパーティーを組み薬草採取をしたり
街中での依頼をしながら装備を整え草原へ向かう。」
「ナナさんは冒険者になりすぐに薬草採取をし穴兎の毛皮をギルドに収めた。
ギルドの一部の受付嬢やギルド職員はナナさんの実力に目を付けていたはずじゃ。
ギルドからの個別依頼もナナさんなら大丈夫という思惑からじゃし
もう少しギルドの声に耳をかたむけてみてはどうかのぉ。」
「まぁー、俺としてはナナには強くなってダンジョン突入とか見てみたいけどな!」
静かにグランさんとアポロさんの話を聞きながら
ナナは「人の話を良く聞く事。」と「思うがまま我がまま。」と言われ
隣に座るティアに「人の話聞いてないかな?」と小声で聞いてみると
ティアは「ナナは話を聞いてるけど夢中になると・・・話聞かないかな?」と
それを聞いたナナは「そうなのか・・・気をつけねば。」と答えながらお茶を飲む。
「あの我がままに生きるというのは良く解らないんですが?」
「そうじゃのぉ、ナナさんが思うように動いてみてはどうじゃ?」
「何かやりたい事はあるのか?」
「一応はやりたい事をやっているはずなんだけど・・・。
今日は思うがままに穴兎を狩り尽くしたし
これで冬期間消費した穴兎の肉は確保済み~。」
「持てる力を使い食材を集めるか・・・ナナさんらしいのぅ。」
「食材が気になるなら森で大猪を倒すとか考えないの?」
「・・・デカイし怖いかも。」
少しヘタレな意見にアポロさんは苦笑しながら
「いやいやいや、今のナナさんは冒険者として過剰戦力を保持してるんだが?」
それを聞いたナナは首を捻り少し考えてから
「それは無い、13歳の冒険者が大猪みたいな巨大な獲物を狩ろうなんて無理無理。」
「そうなの?」
ナナの全力の拒否に隣のティアは不思議そうに話をする。
決闘で鋼鉄の鎧を『蹴撃』で砕いた攻撃は確実に大猪を倒しそうなものなのだが
ナナはその事を忘れたみたいに「無理無理。」と答える。
「こればかりはナナさんの心意気しだいかのぉ。」
「実際に大猪の肉も濃厚で上手い肉質なんじゃが・・・勿体無い。」
「大猪は焼いても煮ても美味しいから食卓が華やかになるんじゃがのぉ。」
「俺は大猪の生姜焼きが好きだぁ!そして、ステーキも大好きだぁ!!」
グランさんとアポロさんの大猪の料理談義を聞きながら
そういえば『ロースポーツ』収獲祭で食べた記憶があるナナは
「確かに美味しかった記憶があります。」
「わたしは遠目で見ただけで倒した事は無いです。」
「巨大な身体以上に突進力とういうか突貫力が高くて
罠や魔法で足止めをし倒すやり方が一般出来だと記憶しているが・・・。」
「突進を避けるのは命がけ・・・突貫力がずば抜けているから接触したら死。」
「鉄の鎧も砕く威力らしいし下手な攻撃で倒しきれなければ
大猪が飽きる事無く追いかけてくる・・・なんともヤバイ感じしかしない。」
「美味しい獲物は弱い者には手が届かない物と・・・。」
「それなら次に倒す目標は『大猪』にしてみるか~。」
「・・・おぅ?」
「焼き肉祭り以外で大猪が食べれるなら頑張ってみてもいいかも!」
「・・おぅ!」
ナナのやる気が上がった気がする。
そのかわりティアのやる気が下降気味・・・。
ナナ達に思うがままに我がままにと言ってみたが
その矛先が食糧というか美味しい肉にいくとは予想外の事だった。
グランさんは苦笑しアポロさんはにやにやと2人を見つめている。
このナナの大猪討伐宣言によりアリスさんとルナさんは調理場で何を作るか相談を始め
ハクトさんは巨大な大猪に恐れず立ち向かうにはどう教えればいいかを悩み
次の日からの朝錬に大猪対策用に新たな魔法と戦術の修練が始まる。
練習場の真ん中にナナが立ち『結界魔法』を唱え
ティアとハクトさんが攻撃を仕掛ける。
「『結界魔法』は直接遠距離攻撃を防ぐ事が出来る最高の魔法です。
問題があるとすれば防ぐダメージにより魔力を消費する。
それと同時に受け止められるダメージ以上の攻撃で『結界魔法』が破壊される。」
「はぁはぁはぁ、これは我慢比べみたいだ・・・。」
「それにしても全然攻撃が通らない・・・。」
ティアが次々と弓を構え矢を射る。
ハクトさんは『結界魔法』に直接殴り蹴り攻撃を続ける。
ナナは攻撃を受ける度に魔力を消費し『結界魔法』の維持を務める。
「盾にでも『魔法陣』を刻めば少しは耐えられるのかな。
『結界魔法』を刻むという事で防御力を上げるということかのぉ。」
「はぁはぁはぁ、そうです。」
「『結界魔法』に通用しない攻撃は大猪にもダメージは通らない?」
「ふぉふぉふぉ、そうではないのじゃ。
『結界魔法』は不可視な絶対防壁・・・ダメージが通るとしたら
『結界砕き』や『魔法破壊』と言ったスキルが必要じゃのぉ~。」
「はぁはぁはぁ、もしも『結界魔法』が破壊された場合の対処は・・・。」
「ふぉふぉふぉ、破壊された結界は消滅するはずじゃ・・・。
対処法は砕かれ破壊される寸前に再び『結界魔法』を唱える事!
ナナさんは常に結界の状態と魔力残量を考えて結界を維持を第一に考えるのじゃ!」
「はぁはぁはぁ、それなら今は魔力を切らさないように維持する。」
「ふぅー、わたしは結界を砕くスキルは無いけど・・・
せめて結界に傷を付けれる攻撃を目指す!!」
ナナが結界に魔力を注ぎ、ティアが魔力を纏いながら弓を構え矢を射る!
結界に弾かれた矢が結界の周りに散乱している。
ティアの攻撃は『魔纏衣』の効果なのか『結界魔法』の中にいても
次々と矢が当たると『ド!』『ドドドドドドド!!!!』と矢が当たる音には聞こえない。
ナナが魔力残量を考えながら少しでも長く『結界魔法』を維持する為に
魔力の展開をティアの矢が当たる側面に多く消費する。
ナナの『結界魔法』は最初は立方体の様に展開し
気が付けば攻撃を受ける面だけに結界を施し
それ以外の面には『結界魔法』を展開せずに『魔法障壁』を唱える。
それを見たハクトさんは「なるほどのぉ。」と呟き
「ナナさんの『結界魔法』はオリジナル魔法と考えていいものかも知れん。
本来であれば魔法を唱えた前面にだけ展開する魔法のはずなんじゃが
ナナさんの『結界魔法』は自身を囲む様に立方体に結界を施し全方面を護る様だ。
そして、今はナナさんの前面に結界を展開しているみたいだが
それ以外の周辺を『魔法障壁』で包んでいる様だね。」
「はぁはぁはぁはぁはぁ、強化する結界は攻撃を受ける方向にだけ・・・
はぁはぁはぁはぁ、それ以外の場所は最低限の魔法障壁で対応・・・。
消費する魔力が切れる前に魔力が回復するまで耐える・・・。」
「その考えは面白いと思うが・・・残念ながら『結界魔法』を唱えながら
魔力の自然回復は無理じゃよ?消費魔力が多すぎるから別の方法で魔力回復したほうがいい。」
「はぁはぁはぁ、それは魔力回復のポーションとか?」
「そうじゃ、マジックポーションは魔力回復に最も効果がある。
後は『魔法陣』で『結界魔法』を刻み魔力消費を抑える方法・・・。」
この日からの朝錬はナナは『結界魔法』を常時展開し
ティアが『魔纏衣』を用い連続で矢を射る!
ハクトさんも結界に攻撃をしてはナナが魔力量を増やし結界の維持に努める。
朝錬は正味2時間という短い時間ではあるがナナはギリギリまで魔力を消費し
ティアもまた予想以上に魔力を消耗しフラフラしている。
ハクトさんだけ元気な様子で倒れそうな2人を肩ののせ屋敷へ向かう。
屋敷へ戻るとルナさんから『回復魔法』とアリスさんからマジックポーションで
朝ご飯前までには人並みに動けるようになり朝ご飯を満足するまで食べる事になる。
「今日はギルドへ行く前に薬草採取してから行こう。」
「薬草10本1束で・・・5束くらいで?」
「そだね。」
『魔法工房』から『ロースポーツ』へ向かう前に今日の予定を決め
ナナとティアは『ロースポーツ』の草原へ向かう。




