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隠れ家に住む冒険者。  作者: 與吉
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ナナの戦闘スタイルとか

剣鉈と苦無を身に纏い修練場で身体を動かしてみる。

剣修練Lv5の恩恵という事で剣鉈を自在に動かせた。

刀身60cmなので小刀か短剣の様な使い回しになる。

苦無は左右の手に逆手に持ち斬る裂く・・・振り抜く・・・突き刺す。

そして、苦無後部に紐を結び・・・飛ばし戻しを繰り返す。


「『剣修練』の恩恵が凄いな。剣鉈を振りまわしても身体がぶれない。」


次に右手に剣鉈を持ち、左手に苦無を持ち『蹴撃』の動きをしてみる。

ハクトさんと教えなのかナナの『蹴撃』は多種多様な蹴りを用い

空手の上段蹴りから回し蹴りにムエタイのひざ蹴りなど修得する蹴りが多すぎた。

その中でもカポエラの縦横無尽に身体を動かしてからの高速蹴りがナナが好きだった。

ゆっくりしたリズムから高速移動し身体を捻りながら鞭の様に蹴りを放つ!

その動きの中で手に持って剣鉈と苦無を身体を守る盾の様に構え


「攻撃を受け流しながら斬り裂くか蹴り抜くか・・・。

こればかりは日々の修練次第か。」


ナナは仮想敵を思い描き蹴りを放ち剣鉈を振るう。

それは見る人が見たら舞っているように踊っているように見えていた。


30分も過ぎた頃にナナは革の胸当てなどを外し

革の上下に革のブーツ姿になり再び動き始める。


「『蹴撃』用の装備を考える必要がなるな。」


革装備を外して動きやすくなり跳ね上がる高さも上がり

頭の高さで身体を捻り連続で蹴りを放ち回転しながら下段を蹴る!

上段3撃に下段1撃を放ち再び身体を捻り中断上段と蹴り抜く。

蹴りと同時に両手の刃物で身体を守るように構えたり

蹴りと同時に紐を結んだ苦無を前方に放ち再び紐を引き苦無を構える。


「紐を落さないようにしなきゃな。これも要修練か・・・。

1mの長さがギリギリか・・・ゴムの様な伸びる紐でもあれば面白いんだが。」


工房の片隅にあった丈夫な黒い紐を苦無に結んでいたのだが

最初は2mの長さで苦無を投擲していたのだが

投げるのはいいが引く事は出来なかった事から1mの紐を結び

蹴りの合間に苦無を投げては引きを繰り返し・・・

失敗しては紐がナナの身体に巻きつき転げ回り


「むぅ、苦無を投げる時と引く時にもっと早くか・・・。

それとも苦無を構えずに連続で投げた方が効率が良いか?」


ナナはその場に構え紐が伸びきる前に引っ張る動きを連続して行う。

左手の苦無を投げては引くを繰り返し・・・

剣鉈を鞘へ納めてから左手の苦無を右手に構え投げる!

1m伸びる瞬間手元へと引き身体捻りを加え高速で苦無を放つ!!

やはり利き手が右手なのかスムーズに苦無を扱う事が出来る。


次に右手の苦無を構えながら「ふぅ」と一呼吸し

ゆっくりとした動きから蹴りを放つ!

身体を捻り蹴りを放ち!!回転を加えながら連続蹴りを放ち苦無を放つ!!

蹴りの合間に苦無を放ち再び蹴りと苦無を連続で放つ!


ナナの軸足を変えては蹴りを放ち身体を回転しながら護りと攻撃をする。


「はぁはぁはぁ、回転が増せば蹴り数が増える。

蹴り数が増せば攻撃手段が増えるか・・・。

問題は革のブーツの消耗が激しいと言う訳か・・・。」


ナナの使用している革のブーツをみると軸足をしながら蹴りをしていた為に磨り減り

このままでは修練に支障が出るほどであった。

苦無を投げていた革の手袋も磨り減り穴が開いていた。


「革の手袋とブーツは交換した方がいいか・・・。

それと近接用に革装備を新調した方がいいか?」


ナナは修練場に座り込みブーツを外し補強をどうするか考え始める。

ブーツを各パーツにし部分的に鋼鉄製にする。

重さを考えるなら軽く丈夫な軽鉄にするとして

足首の可動域を増やす為にブーツよりも靴っぽい形に作り上げる。

革の上下も脛や膝に丈夫な革を補強したり

暗器として使うはずの苦無は短剣の鞘に1本ずつ入れる事になる。

変わりに革の手甲は予め苦無を2本隠してあったり

革の帽子の変わりに厚手の布を巻き頭部を護り

革の手袋は指貫使用で殴りや掌底打ちをしても支障が無い様に補強したり

これにより数日後には『格闘』スキル然としたナナの近接格闘装備の完成であった。


「突きや掌底打ちは蹴りとのコンビネーションは難しいな。

空手スタイルなら二段突きから上段蹴りみたいに繋げられるんだが

単調すぎる気がするしなきより動きが面白くないなぁ。」


ナナはそういいながらゆっくりとした動きから蹴りを放つ!

やはりカポエラの様な動きがしっくりくる。

高速移動からの激しい蹴りを放ち自身の回転速度を上げていく。


気が付くと修練場の片隅でハクトさんがナナの動きをニコニコしながら見ている。


それから5分後ナナはハクトさんと修練場で踊るように組み手をし

何度もナナは吹っ飛ばされながら組み手を繰り広げる。

装備を一新し攻撃力や防御力が増したはずのナナであったが

ハクトさんを相手では装備を一段格上げしても意味が無かった。

ただ1つ変わった事は革の手袋の補強で蹴りを受け流す事が可能になり

ハクトさんの蹴りを3割を受け流す事に成功し・・・

逆にハクトさんの蹴りの7割の確率で数m飛ばされる事になる。


「受け流しを覚える前に蹴られた後の受け身が上達した気がする。」

「ふぉふぉふぉ、キチンと受け流すか避けるかしないと危ないですぞ。」

「わかっているんですが、蹴りの伸びが半端ないですが

絶対避けるようになります!!」

「ふぉふぉふぉ、さぁ行きますよ!」

「はい!!」


この日もまた修練場は朝からハクトさんとナナが踊るように舞う様に組み手をする。

高速移動しながら蹴り合い避け合う様は誰が見ても熟練の冒険者同士の組み手に見えただろう。



屋敷の2階の窓からアポロさんとルナさんの2人は踊るように舞うナナ達を見ながら


「あの2人は朝から元気だなぁ。」

「ナナは本当にランクFの12歳なのかしら?」

「ランクFの12歳なのは間違いないけど・・・ナナは何になりたいんだろうね。」

「冒険者でしょ?蹴り合う冒険者は見た事も聞いた事も無いけど?」

「『格闘』スキルの派生の・・・なんだっけ『蹴撃』というスキルだと思うけど

あれはナナの部屋にあったゲームの1つに似たような格闘スタイルのキャラがいたはず?」

「それってハクトが独自に考えたスキルじゃないよね?」

「それは違うと思うけどゲームの知識をスキルに活用したんじゃないかな。

ナナの部屋にあったゲームの影響でスキル内容が変化したりして・・・。」

「料理やお菓子が豊富になった事は嬉しい限りだけど

あの2人には悪いけど冒険者的に無手のしかも蹴り技で魔物を倒すのは無理があるんじゃ?」

「そうでもないよ。ハクトは余裕でナナの攻撃を受け流しているけど

蹴りの威力は鋼鉄の鎧をふっ飛ばすと思うよ。

しかも、連続であれ程多彩な蹴りを繰り出されたら初見であれば避ける事は叶わないだろう。」

「確かにあれほど接近されては剣を振る前に蹴られますね。

それにあの高速移動では弓矢や魔法も狙いを付けるのは難しいです。」

「気が付いてると思うがナナは『身体強化』や『速度強化』を唱えてないし

あれの動きが魔法無しという方が信じられん。」

「本当にナナは何になりたいのかなぁ。」

「冒険者じゃないの?」

「工房に篭って物作りを嬉しそうにしていたと思うけど?」

「いい意味でナナ作の作品は外には出せない。

あれはいい意味で高性能すぎるし店売りの物より斜め上過ぎて・・・。」

「ナナが作った物はナナが使えば大丈夫でしょ。

革細工でアクセサリーくらいなら店に卸しても大丈夫かな?」

「それくらいなら大丈夫かな・・・。」


修練場を見るとナナがふっ飛ばされ受け身を取り即座にハクトへ向かう。

ハクトもまたナナの動きが一段上の物になるのを嬉しく思い再び踊るように組み手を開始する。


「『オールグラウンド』には格闘家という職業は無いはずなんだが

ナナはまんま格闘家っぽいスタイルになりそう。」

「弓矢を使うし猟師やレンジャーっぽいんじゃないの?」

「どちらも『オールグラウンド』には無い職業だし・・・。

どういう戦闘スタイルでも名称冒険者だしなぁ。」

「そういえばそれ以外は商人やら神官しかいないか・・・。」


ナナの部屋にあるゲームの影響で2人の神様はゲーム脳というか中二病脳になりつつあった。


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