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隠れ家に住む冒険者。  作者: 與吉
12/87

新年のナナとか

『魔法工房』での生活も慣れてきた頃

外の世界では新年を迎えようとしていた。


『魔法工房』も新年の装いとして門松が並んでいたり

鏡餅が工房やら至る場所に鎮座している。


神様曰く日本の新年では必ずやる行事と言われていたが

日本での記憶が無いナナにしてみたら門の両角に飾り物が置かれていたり

工房の神棚と言われる場所に白い置物が並べていたり

理由を聞いても神様らは「そういうものだから・・・。」としか教えてはくれなかった。


実際に『魔法工房』の各工房や倉庫には必ず神棚が設置され

神棚には数体の神像が鎮座している。

数体の神像は神様ら曰く


「この神像は『オールグラウンド』の創造神グラウンド様じゃ。」

「真ん中の神像はグランド様ですね。

右隣の神像は太陽神アポリウス様で左隣は月の神ルナテイク様です。」

「・・・創造神と太陽神に月の神さまですか・・・。」

「この3体が『オールグラウンド』では一番信仰心のある神様じゃ。

『ロースポーツ』でも神殿はあったはずじゃが・・・。」

「初めて知りました。神棚には手を合わせていましたが・・・。」

「ナナさんは創造神様の名を知らずとも手を合わせていたから大丈夫ですよ。」

「向こうに戻ったら神殿に行ってみますね。」

「そうじゃのぉ、それがいいかものぉ。」

「それでどうです?今回はナナさんの世界の新年の飾り付けをしてみたんですが

門松に鏡餅、そして、お雑煮におせち料理です!」


焼き市の食堂には御重に数々の料理が並べれていたり

お椀には初めて見るスープが注がれていた。

『ロースポーツ』で購入した食材以外の物が調理されているのがわかるが


「あの初めて見る料理が多そうですが・・・。」

「はい、神様と相談してナナさんの地元の食材を手に入れました!」

「ふぉふぉふぉ、上司にお願いして購入したんじゃよ。

もっとも対価として同じ料理を渡してあるから大丈夫じゃ!」

「初めて見る食材や料理は心躍りました!」

「そうなんですか、あまり無理はなさらないくださいね。

それでは頂いていいですか?」

「はい、召し上がれ~!」


ナナはお雑煮を一口飲み「おいし・・・。」

中の餅の食感に驚きつつもゆっくりと噛みしめていく。

次に御重の料理を一口食べ「初めての味付け・・・おいし。」と

綺麗に並べられている料理を食べ進めていく。


「どれも美味しいですね。」

「そうじゃのぉ、酒の肴にはぴったりじゃが量が多くて食べきれんぞ。」

「これは新年の・・・数日かけて食べる料理ですから食べきれなくても大丈夫ですよ。」

「そういう料理なんだ。それにしても初めての味付けじゃないですか?」

「そうですね。ナナさんの世界の味噌に醤油を使用しましたし

今回だけでは無く定期的に味噌や醤油は購入可能になりました。

・・・その対価で和食のレシピをお渡しする事になってますが。」

「この料理だけで客が呼べるはずじゃから対価的には過剰すぎる気がすがのぉ。」

「そうでも無いですよ、神界に限らず神様達は食事を取らないじゃないですか。」

「そういえば・・・わしらは食べる事を知ってしまったが

他の神様らは知らんのを忘れとったわい。」


神様2人の話を聞きながらナナは3杯目のお雑煮を静かに食べている。


酒を飲みながら2人の神様らは話をしているのを眺めながら

ナナは改めて自分の今の状況が普通では無い事に気が付き


「僕はこの環境に慣れていいのかな。」と


神様2人はニコニコしながらカップの酒を煽り


「この場所はナナさんの遺産じゃよ。

わしらが場所を借りとるだけじゃ。」

「私も同じですよ、神様としての生活とは別に新たな楽しみを得ましたし

それにね、ナナさんは知らないかもしれませんが

ここにいる私達は神としての力の一欠けらで作られた存在です。

今この時も本体である私の身体は神様としての仕事を役割を果たしてますよ。」

「そうじゃ、『魔法工房』にいるのは力の一欠けらの存在のわしらじゃ。」

「そうなの?」

「神様の仕事を放棄してまでここに入り浸れば創造神様に叱られてしまうわい。」

「この場所は創造神様にも話を通してあるし大丈夫です。

少しばかりゲームなどを複製して渡してありますが・・・。」

「大丈夫ならいいのかな?」

「はい、大丈夫ですよ。」


新年を迎えると言う事で工房や倉庫の各神棚にお神酒を置き

手を合わせて「今年もよろしくお願いします。」とお祈りをし

この日から3日間『魔法工房』はまったりとゆっくりと身体休めをする。


その3日間の間に2人の神様の上司と思われる神様達も『魔法工房』に挨拶に来たり

創造神の一欠けらといわれる神様も訪ねて来たり

『魔法工房』のこの場は無礼講ということで

色々な神様に挨拶したりナナの部屋から大広間にゲームハードを持ち込んで

大人数でレースゲームや対戦ゲームをしたりして

気が付けば『魔法工房』に新たに神様達が住み着く事になる。


『魔法工房』で生活する神様達が増えた事で

神様達に名前というか名称が無いと言う事で

神様の代表の創造神グランド様は新たな名前を神様達に名付ける。

神様達は力の一欠けらを持っていることから

創造神のグランド様は『グラン』と名乗りだし

太陽神のアポリウス様は『アポロ』と月の神ルナテイク様には『ルナ』と名付けた。

『魔法工房』でナナと暮らしていた神様の2人には

白髪の御老人の神様には『ハクト』とスーツを着込んだ女性には『アリス』と名付ける。

この日から『魔法工房』にはナナの部屋には『ハクト』が住みつき

『グラン』と『アポロ』は大広間の巨大なモニタでゲームをしてたり

食堂では『アリス』と『ルナ』が料理を作ったりお菓子作りに夢中になり

料理のレパートリーが増える事に嬉しくなり少しだけ食べ過ぎる事になる。


『魔法工房』の屋敷は神様達が増えた事により

ナナの部屋と大広間は完全防音になったり

食堂には電子レンジや巨大な冷蔵庫が新たに購入し

調理方法も近代化をする事になる。


その中で一番普通なのはナナが使用する工房だけは静かな佇まいとなっている。

最近では修練時や食事以外に工房で過ごす事が多くなり

工房の一画に専用の休憩部屋を作り上げる。


『オールグラウンド』の代表的な神様


『創造神グラウンド様』『オールグラウンド』を創造した神様。


太陽神アポリウス様『オールグラウンド』で太陽と誕生の神様。


左隣は月の神ルナテイク様『オールグラウンド』で月と繁栄の神様。


それ以外の神様も存在している。




『魔法工房』での神様の名称


創造神のグランド様は『グラン』


太陽神のアポリウス様は『アポロ』


月の神ルナテイク様には『ルナ』


白髪の御老人の神様には『ハクト』


スーツを着込んだ女性には『アリス』

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