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隠れ家に住む冒険者。  作者: 與吉
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冬期間中のナナとか

冬期間中のナナは『調合』と『革細工』を繰り返し

『魔法工房』の倉庫には数多くのポーションと革装備が並んでいた。


『革の帽子』『革の胸当て』『革の籠手』『革の脛当て』

ナナの革の上下に付随する装備は動きやすさ重視と軽さ重視の防御力

『身体強化』と唱えれば鉄鋼装備も装備可能だが

魔法強化無しのナナは普通の12歳の身体能力しか無く

革装備しかナナには装備出来ない状態だった。


「『革の手袋』は指貫とし『革の手甲』と同時に装備するとして・・・。」


左右の腕に手袋と手甲を装備し弓を構えてみる。

腕の動きから指の動きを確かめ始める。

次にしゃがみこみ薬草を採取する動作をし

細かな作業をこなせるかを確かめる。


「指や手首の動きは大丈夫だな・・・。

弓を射る動作も大丈夫だし柵そう採取の方も問題無し・・・。」


今作成しているのはナナの弓装備として専用の装備棚に置いておく。

装備棚には練習時に装備する革装備が一番作られ

『革の手袋』と『革の手甲』は一番消耗が激しく

『革細工』で一番多く作成しては修理をし修練で使いつぶしていく。


それ以外にも片手剣や槍を装備時の専用の革装備も作成していた。

『革の手甲』も手の甲から肘まで覆う様にし

『革の胸当て』も胸全体から背中を覆う半鎧となっていた。

『革の脛当て』は『革のブーツ』との一体化を作り上げ

軽量化と可動域を考えられた作りにし高速移動からの一撃を与える装備となっていた。


そして、近距離での戦闘に苦手意識を神様に相談したら

どういう訳か無手の戦闘技術である『格闘』スキルを叩き込められた。

その中でも『蹴撃』という蹴りを主体としたスキルを修得し

朝夕の日課の修練では『土弾』を低魔力で複数放つ事を始めたり

神様との組み手を『蹴撃』同士で蹴り合っていた。


「はぁはぁはぁ、革装備が紙装備なのかな・・・。

はぁはぁはぁはぁ、ダメージが身体を突きささる。」

「ふぉふぉふぉ、『蹴撃』の蹴り技は見た目通りダメージ過多だから

蹴られる前に避けるかダメージを受け流さないとダメだよ。」

「はぁはぁはぁはぁはぁ、そんなこと言われても神様の蹴りは避けきれないと吹っ飛びますが?」

「ふぉふぉふぉふぉ、これでも手加減して蹴り抜いてるんじゃが・・・。」


神様の手加減した蹴りはナナの全力の蹴りより鋭く重い一撃であり

蹴りを受け流したと思った瞬間にふっ飛ばされ

ナナが構えなおした先で再び蹴り抜かれ・・・修練場ではごろごろと転がされていた。

最初の10日間は転がされていたナナだったが

20日後には転がされる前に後ろに自ら飛び神様に反撃する事に成功するが

神様はひらりとナナの攻撃を避け・・・にこりと微笑み蹴り抜くのだった。


「神様の攻撃半端ないです。」

「ふぉふぉふぉ、それは神様仕様としかいえんわな。」

「攻撃よりも避ける事を優先します!」

「ふぉふぉふぉふぉ、それもまた修練じゃ。」


神様の蹴りの一撃を当初後ろへ飛ぶように避けていたが

今では最低限の移動でステップを踏む要領で移動を繰り返していく。

『身体強化』よりも『速度強化』の使用頻度が高くなり

新たに『高速移動』と『見切り』という新たなスキルを修得した。

修得したはずなのに神様の攻撃を避けるのは極稀にあるかないかだった。


『高速移動』スキルは『身体強化』と『速度強化』時に使用可能なスキルで

『魔力操作』を未修得では魔力を大量に消耗するダメスキルと言われていた。

通常スキル消費量はスキルLvに応じて増加していくので

『身体強化』Lv1では魔力消費が10だったものがLv5では魔力消費が50になる。

それは『身体強化』でも同じでLv5の魔力消費は50・・・。

『身体強化』Lv5『速度強化』Lv5を同時に使用時の魔力消費量は100となる。

それに『高速移動』Lv1の魔力消費量10が加わり

戦闘時は攻撃をする以前に常時魔力消費110の状態になり

この魔力消費が多すぎる問題は『魔力操作』で魔力消費110を55まで抑える事になる。

『魔力操作』Lv3になり魔力消費1/2の恩恵により

ナナは『身体強化』と『速度強化』からの『高速移動』となり

修練場を縦横無尽で動きまくり神様との組み手をする。

組み手というか・・・『見切り』による回避は上達し

ナナと神様の組み手は攻撃と回避の応酬で傍から見たら踊っている様にも見え

冬期間中に『高速移動』『見切り』『蹴撃』の3つのスキルはLv5まで向上する。



『魔法工房』は不思議な空間で時間の流れと共に太陽が昇り夜になり朝を迎える。

時折風が吹き雨も降るし木々が生い茂り花が咲き乱れている。

ポーション調合を始める前に薬草を天日干しをしたり

『錬金』スキルでポーション用に瓶を作り上げたり

『調合』を始めるまでに準備期間1カ月かかったが・・・


「それにしても『錬金』でポーションの空き瓶を作る必要があるのか・・・。」


前回は道具屋から中古の空き瓶を購入したけど

自ら作るのがこんなに面倒だったとは・・・。

ポーションの瓶は一律同じ量が入る小瓶が主流になっている。

それは冒険者ギルドへの納品する時に小瓶の本数で報酬額が確定している事と

1度の使用量の上限が小瓶1つと決まっているからだった。

ポーションを大瓶で使用しても回復量が決まっており

無駄に消費するのを防ぐ仕様になっていた。


『ロースポーツ』の宿屋とは違い静かな工房内はナナが自分のペースでポーション調合をする。

『調合』スキルのLv的に失敗もなく順調に調合していく。

『魔法工房』での『調合』は略式で調合が可能なので

ナナが実際に薬草を粉末にし加熱調合する必要が無いんだが・・・

丁寧に1つ1つ手作りで調合していく事により

スキル以外の器用さなどの目に見えない能力が向上していく。



工房の倉庫は調合したポーションの小瓶が大量に保管され

冬期間中にも続々増えていく予定である。

その隣には野犬と穴兎の毛皮も保管されていたり

調理済みの穴兎の串焼きやステーキなどの肉料理も保管箱にポカポカの状態で待機している。

この調理済みの料理は神様が解体し調理した数々の料理でナナが地上で食したり

『魔法工房』での食事として重宝していたりする。

数ある保管箱には解体後の肉塊もあったり

倉庫には木箱に野菜や果実がかなりの量保管されている。

小麦や蕎麦なども麻袋で積まれており『魔法工房』3人では消費できない量を保有していた。

ここにある食糧や食材は神様らによって複製し増やしたものであり

大事な調味料は塩コショウは勿論の事

胡麻油なども数多くストックしており揚げ料理も調理可能になっていた。

揚げ料理といっても芋を上げただけの『ポテチ』が晩酌の定番になり

酒を飲みながら『ポテチ』を肴に神様はニコニコしながら酒を飲む。


冬期間中は修練ばかりではなく3日修練をして1日休むをし

休日は神様ら3人とナナの部屋でゲームをしたり本を読んだりしていた。

ゲームといっても競う物では無く協力して強敵を倒すゲームをしていた。


「このゲームはクリアしてるのかな?」


コントローラーを握りながらモニターを見つめながらナナが呟くと


「ナナさんはゲームを数回遊んだみたいですが仕事に追われクリアまでいってません。」

「そっか、買った記憶も遊んだ記憶も無いけど・・・。」

「ふぉふぉふぉ、記憶は無いかもしれんが買ったゲームは面白いから大丈夫じゃ。」

「そうですね、こんなに熱中するゲームを買った段階で買い物上手という事で。」

「そういうものなのかな?」


首を傾げながらモニターの中の3人は剣や弓を構えドラゴンをフルボッコしている。

よくあるアクションゲームだったが今のナナの生きている世界と酷似しており


「普通ドラゴンを冒険者3人で倒せるのかな?」

「普通には無理じゃな、ドラゴンは神にも近しい存在じゃ。」

「それでもドラゴンを倒そうとする冒険者は存在しますが・・・9割がた失敗しますね。」

「成功率が低すぎる・・・。」

「ドラゴンは強者の証じゃ。

ランクSの冒険者でも倒せる者が数人いるかいないかじゃ。」

「ドラゴンの生き血は万病の元。心臓は不老不死の元。」

「それは本当なの?」

「自称賢者の戯言じゃ。100%戯言の狂言じゃ。」

「ドラゴンの生き血はこの世界の毒その物です。

触る事も飲む事も不可能です・・・。

そして、その毒は世界を侵食していきます。」

「倒した先に絶望しかないのかよ・・・。

世界規模でダメな事しかないのかよ。」

「今から数百年前に勇者と名乗る者がレッドドラゴンを倒した事がある。

その時はレッドドラゴンが倒されたと同時に世界に呪いをかけたんじゃ・・・。」

「4つの国が滅び・・・2つの大陸が生物の住めない場所になり

今では『魔の森』と呼ばれる・・・魔獣が住まう場所になってしまいましたね。」

「自称賢者に自称勇者ですか・・・。」

「その2人はナナさんと同じく転生者・・・転移者じゃ。」

「同じ時代に2人の異邦人。

あの時代が一番『オールグラウンド』が活気にあふれてました。」

「魔法もスキルもあの時代が一番発展しておった。

そして、神様の言葉を無視し世界を壊しおった。」

「レッドドラゴンが倒された後・・・世界の復旧に100年以上かかりました。

人の暮らしも少しばかり良くなりましたがレッドドラゴンの呪いは今も生きてます。」

「そうなんですか?」

「魔獣が突如森に溢れだす事やダンジョンが無作為に発現したり。」

「レッドドラゴンの呪いは年々薄れていくと思うのじゃが・・・。

『ロースポーツ』は比較的呪いの影響が少ないはずなんじゃよ。」

「月2回の大型討伐で何とか現状維持出来ているから大丈夫なのかな?」


モニターの中での3人は必殺技でドラゴンを倒し

ゲームのエンディングが始まっている。


エンドロールを横目に神様は次に遊ぶゲームを考えている。


遠野七雄




ナナ 12歳




『身体強化』Lv5




『速度強化』Lv5




(new)『高速移動』Lv5




(new)『見切り』Lv5




『生活魔法』




『鑑定』Lv5




『調合』Lv5




『錬金』Lv5




『鍛冶』Lv5




『細工』Lv5




『革細工』Lv5




『革細工』Lv5




『魔力操作』Lv5




『気配察知』Lv5





『剣修練』Lv5




『弓修練』Lv5




(new)『蹴撃』Lv5




『火魔法』Lv5




『水魔法』Lv5




『土魔法』Lv5




『回復魔法』Lv5




『結界魔法』Lv5

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