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隠れ家に住む冒険者。  作者: 與吉
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冬期間前の草原とか

季節が秋になる頃にはナナは野犬の群れを相手にしても

落ち着いて対応出来るようになる。


狩り場は相変わらず草原で穴兎の毛皮と薬草採取ばかりであったが

最近では野犬の群れを見かける事が減り

繁殖過多の穴兎を討伐する冒険者が増え始める。


ナナは草原の真ん中で昼ご飯を食べながら

100m先で片手剣や槍を構えながら冒険者達が走っている。


「武器を構えながら穴兎を追い掛けている?」


暫らく4人掛かりで穴兎を狩るのを見ていると

3人が追いかけまわしながら隠れている1人の前に誘導していく。

穴兎発見から討伐まで30分掛かりであったが

4人とも30分走り続け討伐後には解体もせずに座りこんでいる。


ナナは『周辺感知』で草原の至る所で穴兎の存在を感知している。

4人の冒険者達の周辺にも穴兎の反応があるが・・・


「『周辺感知』とかのスキルは覚えてないのかな?」


休んでいた冒険者の1人が穴兎を目視で発見し再び走りだす。


穴兎は攻撃力こそないが移動速度が速く事により

発見こそすれ討伐する事は難しい・・・。

ナナの様に弓矢などで遠距離で討伐可能な為に

ランクFでの可能なクエストになっている。


目の前の冒険者達もランクFだと思うが

遠距離での攻撃方法が無いのか逃げる穴兎に槍を投げたり

攻撃範囲の狭い魔法を唱えたりしている。


「槍を投げるのもありか・・・。

魔法の攻撃範囲が狭いのは魔法の修練不足なのか。」


まぁ、人は人。

草原で4人で討伐する分には大丈夫だろう。



冬期間前なのか薬草の分布に変化があり

薬草が予想以上に採取する事が難しくなっていく。

冒険者ギルドへの納品とは別に自分用に薬草を保管している。

冬期間に部屋に篭って『ポーション調合』をするつもりだったので

出来れば薬草10本1束で200束は確保したい・・・。


冬期間は穴兎を見つけるのも苦労すると言う事で

ランクE以下の冒険者は冬期間は安宿の大部屋に雑魚寝するらしい

『ロースポーツ』は冬期間中には雪が降り

草原や森では月2回の大型討伐以外での討伐依頼も無く

薬草採取などの採取系の依頼も皆無ということらしい・・・。


冬期間中の安宿で1日2食の生活もランクE~Fの冒険者では当たり前らしく

夏や秋に冬期間中の生活を貯め冬に篭り春に再び活動を再開する。

それ以外に比較的野獣の被害の少ない南の森に小屋建てする者もおり

『ロースポーツ』に拠点となる家などを持たないランクC以下の冒険者達も

南の森で期間限定で小屋建てをし暮らす事になる。


ナナも冬期間中は安宿で暮らすか南の森での小屋建てを考えたが

神様らに相談し冬期間中は『魔法工房』で数カ月暮らす事が決定した。

その前に食糧の買い出しに薬草の確保などやる事はいっぱいあり

ギルドの報酬の殆どは食材や調味料に変わる事になる。

穴兎や野犬の毛皮は敷物や冬期間の衣装へと姿を変える予定である。

ギルドへの納品以外の毛皮は数こそ多いが

小型獣の毛皮1つでは使い道も無く毛皮10枚を用い敷物とする。

衣服も同様に毛皮10枚ではナナの衣装一式を揃える事が出来そうになく

ナナはせっせと穴兎と野犬を討伐する。


『魔法工房』では野犬や穴兎の解体をお願いし

解体済みの毛皮はナナが冬期間中に加工予定。

ナナの装備する革の上下の補修をし新たに『革細工』を修得した。


小柄なナナは革の上下よりも重い装備は動きを難く

革の上下に部位を補修し強固にし店売りの装備よりも強固な物を使用し

新たに『革の胸当て』と『革の籠手』に『革のレガース(脛当て)』

この3つの装備を『革細工』で作り上げる。


ナナ製の『革細工』による装備品は軽く丈夫な物が多く

弓を射る動作を防ぐ事が無い様に薬草を採取するのに邪魔にならないように

そして、音もなく動けるように金具を使わずに考えられていく。



気配を殺し近づき弓を射る。

もしくは、魔法を唱え高速移動しつつ『土弾』を撃つ!


「穴兎や野犬相手では問題無いが森では通用しないかもな。」


森の深部では大猪などの大型野獣相手では弓矢や『土弾』は通用しないだろうな。

防御力が高い野獣には木の矢は刺さりはするが毛皮を通すのは難しそう。

大蛙の表皮もまた矢を通し難いと言うし攻撃力の向上は追々考えればいいか・・。


実際に『剣修練』を修得しても接近戦は怖いものもあり

ナナは実戦でも剣を構える事は無かった。

『結界魔法』で防御面に問題無くても心構えが無く

出来れば離れた位置から攻撃をし倒す事しか考えていなかった。

この辺が戦闘に対する恐怖でありナナの弱さでもあった。


冒険者になって半年たった今でもランクFなのはナナしかおらず

気が付けば冒険者ギルドでランクFなのはナナだけになっていた。

依頼やクエストに拘らなければ1月あればランクEになる事が可能だった。

ランクアップは依頼とクエストの定数をこなす事で

ナナも受付嬢からランクアップの話を聞いていたのだが

ランクアップ後も草原で穴兎と薬草採取しか興味が無かった事もあり

ランクアップを断り半年経った今でもランクFのままだった。


ギルドの受付嬢からは薬草の採取状態が良く

ギルドから専属で薬草採取をお願いしたいのだが

何度か個別依頼を断られた事もあり

薬草を10本1束を毎日ギルドに5束納品していたので

冒険者ギルドとしては今のままでも良いかと考えていく。

冬期間までにどれだけの薬草を確保出来るか

それを用いてどれだけのポーションを調合出来るか

月2回の大型討伐でポーション不足が無い様に考えなければいけないので

秋頃の薬草採取は少しだけ報酬額が高かったりする。


冬になり雪が降り始める頃にナナはギルド直営の宿屋に泊る事を止め

ギルドには冬期間『ロースポーツ』を離れる旨を伝え

ナナは『魔法工房』へ引っ越しをする。

遠野七雄



ナナ 12歳



『身体強化』Lv5



『速度強化』Lv5




『生活魔法』



『鑑定』Lv5



『調合』Lv5



『錬金』Lv5



『鍛冶』Lv5



『細工』Lv5



(new)『革細工』Lv1



(new)『魔力操作』Lv2



『気配察知』Lv3




『剣修練』Lv5



『弓修練』Lv5




『火魔法』Lv5



『水魔法』Lv5



『土魔法』Lv5



『回復魔法』Lv5



『結界魔法』Lv5





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