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彼女の声が聞こえない。

作者: 神林 醍醐郎



彼女の声が聞こえない


暗い淵で膝を抱えていた頃


彼女は私に寄り添って


此の世の真理を語ってくれた


内鍵の檻で俯いていた頃


彼女は私を後ろから抱き


世界の秘密を囁いた


その声が 聞こえない


彼女の声が聞こえない




住みよい闇から 引きずり出され


光に焼かれ 鞭打たれ


奴隷となった その日から


彼女の声は 消え去った


奴隷であるのに耐えるため


奴隷であるのを誇りとし


奴隷でないのを見下した


奴隷が驕り高ぶった時


彼女の声は 消え去った




暗い淵に 彼女は居らず


檻の中にも 彼女は居ない


ある友人は 私に言う


「君の呪いは解けたのだ」と


それでも 私は彼女を求め


陽射しを避けて 耳 澄ます



彼女の声は 聞こえない


闇夜の声が 聞こえない




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