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RE:collection of Justice  作者: カザハラ
chapter4 魔道都市国家スヴェート 2
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chapter4-2

「祭壇こわすなああああああ!!」


 耳がキーンとするような大声をあげながら、ガルはラルフごと詠唱を続けるルノマ族の中へ突っ込む。

 度重なる牽制で少し余裕が出て油断していたのか、ルノマ族はまるでボーリングのピンのように跳ね飛ばされていった。


「ちょ、ちょっとガルちゃん!刺激しないでって言われたのにぃ…!」


 見事なストライクをたたき出したガルとラルフを見て、フロレアはあわあわと手足をわたわたさせる。

 フレアはああ…やっぱりこうなってしまうのかと頭に手を当ててうなだれていた。

 そんな二人の心配をよそに、ハトガヤだけは手をたたいてその光景に大笑いしていた。

 吹っ飛ばされたルノマ族たちが、ゆっくりと起き上がる。


「…よくもやってくれたな。どうやらお前たちを倒さないと、ことは順調に進まないようだ」


 ルノマ族のリーダー格の目がギッと鋭く光り、バッと手を機械に向けた。

 フレアはすぐに反応し、腰に下げたレイピアに手をかけ戦闘態勢に入ろうとしたが、それも遅かった。

 すでに起き上がり戦闘態勢に入っていた他のルノマ族がフレアに光魔法をぶつけた。


「ガッ…!?」


 脇腹に一瞬焼けるような痛みが走る。だが、威力はさほどでもない。

 しかし、フレアの態勢を崩すのには十分だった。その隙にリーダー格は詠唱を終え、高らかに叫ぶ。


「さあ暴れろポンコツ!あんなガキの発明品であるお前は、ここぐらいでしか出番などないんだからな!」


 リーダー格の手から金色の鋭い光が機械へ走り、パアンと弾ける。

 光が当たると、機械の顔のような部分に金色の瞳が現れ、低い音を唸らせゆっくりと動き始めた。

 と、思ったその刹那、機械はその鋭い鎌のような右腕を、態勢を崩しているフレアめがけて振り下ろす。


「フレア様!」


 思わずフロレアが叫ぶが、フレアは反射でレイピアを素早く引き抜くと鎌をそれで受け止める。

 ガキン、と硬い音を辺りに響かせ、フレアは歯を食いしばりながら機械の攻撃をなんとかはねのける。

 その隙に態勢を整え、レイピアを構え直す。その時、自分の手袋が少し焼け焦げているのに気がついた。


「なるほど、あの纏っている閃光は飾りじゃないのか」


 機械はじっとしていた時と同じように、バチバチと閃光を纏わせている。

 あれで守られている以上、体当たりなどすればこちらが感電してしまうだろう。

 さすがにガルとラルフもそれに感づいたのか、低く唸りながら離れた場所で威嚇を続けている。これ以上は近づけない。

 機械はフレアに狙いを定めたのか、再び鋭い鎌を振り下ろしてきた。

 フレアはそれをすんでのところでかわす。ドゴオ!と鎌が地面に深く突き刺さるも、機械は素早く鎌を引き抜くとまたフレアめがけ鎌を振る。

 フレアは鎌をなんとか避け続けるが、相手の方が少しだけ速かった。

 最初はマントを。次は髪の毛の先端を。そしてとうとう服の胸元にスパッと横一本の切れ込みをつけられた。

 速い、近づけない。防戦一方だ。


「フレア様!お助けします!」


 フロレアは杖をくるくると回し、ダンっと地面を突く。


「聖なる流れに身を清めよ!"アクアリングフォース"!」


 フロレアの叫びとともに、機械の足元から大量の水が湧きあがり、ザパアと機械を飲み込む。

 機械は大量の水のせいで、動きが止まってしまった。その隙をつき、フレアはタンタンっと壁を踏み台にし飛び上がると、機械の脳天めがけてレイピアを突き刺す。が、


「ダメですお二人とも!離れてください!」


 マドーの言葉に思わず二人は振り向く。が、勢いは止まらない。そのままレイピアが機械に突き刺さった。その瞬間、機械は低い唸りを響かせると、一気に体内に溜まっていたのであろう雷エネルギーを放電させた。

 あたりはフロレアの水魔法で水浸しだった。漏電し放題だ。


「うぐあっ!!」


「ひぎああー!!」


 フレアは突き刺さったレイピア越しに直接放電攻撃を受けた。

 フロレアも自身の水魔法のせいで起こった漏電から感電してしまった。

 機械が放電を終えると、フレアもフロレアも力なくその場から倒れ落ちてしまった。


「フレアさん!フロレアさん!そんな…」


 マドーは崩れ落ちた二人を見て、悲痛の声を上げた。

 ガルとラルフもそのあまりの衝撃に怒りをあらわにしていた。だが、だからと言って同じように突っ込めば、この二人と同じことになるだけなのは理解しているようだったのか、どうしようもできずに立ち尽くしている。

 ハトガヤも同じく、助けてあげたいが感電するのは嫌なようだ。

 …この最悪な状況、なんとかできるのは自分しかいない。そう思ったマドーは、カンマの言葉を思い出した。



『これね、雷魔法でしかちゃんと起動しないんだってさ。

 他の魔法を使うと中の電気エネルギーと反発して暴走するんだって。

 でもね、もし暴走してしまっても、雷魔法と対になる魔法で押さえつければ中和して落ち着くんだってさ』



 マドーはいつも使っている金色の魔道書ではなく、翡翠の魔道書を取り出し、機械に手をかざすと詠唱を始めた。


「雷魔法と対になる魔法…それを使えばあれを押さえこめる!私が彼らを助けなければ…っ!?」


 突然、体を金色の光のロープできつく締め付けられる。ロープは二重、三重とどんどん重なっていき締め付けてくる。

 あまりの締め付けに、マドーは思わず魔道書を落としてしまった。


「な、にを…するのですか…!」


 マドーがゆっくりと顔を動かすと、ルノマ族たちがマドーに向けて魔法を唱え続けていた。

 どうやら彼らの仕業のようだ。ハトガヤに使ったように、光魔法を今度はマドーへ向けて使っている。


「同じ仲間だろうと、邪魔をするのならば阻止するまで!

 我々の邪魔は誰にもさせない!お前は黙ってそいつらが殺されるのを見ていればいいんだ!」


 ルノマ族たちの魔法の力が強まる。マドーを締め付ける力が強くなる。


「マドー!」


 ガルはマドーを助けに向かおうとしたが、その目の前にザンっと鎌が振り下ろされ、機械がその行く手を阻んだ。

 その間にもマドーはどんどん締め付けられる。苦しそうな声をあげるも、拘束魔法は緩まる気配がない。


「最初からおとなしくしていればいいものを!お前も!あいつらと一緒に!死んでしまえ!」


 ギリギリと締め上げられ、だんだんと意識が薄れていく。ああ、やっぱり私はここでも役立たずで半人前なのか…。とマドーは落胆した—


「あら?これ風魔法の魔道書じゃありませんか」


 ハトガヤはマドーの落とした翡翠の魔道書をひょいと拾い上げ、懐かしそうに見つめていた。


「懐かしいですわー。私も昔はこれで魔法を使ってしましてよ」


 ハトガヤはのんきに思い出にふけっている。

 あまりにも緩い感じで一人盛り上がっていたので、ルノマ族たちは無視をすることにした。

 ひとしきり懐かしがった後、ハトガヤは魔道書をストンと地面に置くと、メガネを妖しく光らせた。


「なるほど、貴方はあの機械に風魔法を当てたかったのですわね。

 もう、水臭いですわ!そういうことなら私に言ってくださればいいのに」


 ハトガヤは機械へ顔を向けると、ニタアと不敵な笑みを浮かべ、両手をバッと広げた。



「私はハトガヤ!”風の白虎”の称号を持つもの!風魔法なら私にお任せあれなんですわ〜!」



 ハトガヤが高らかに声を張り上げると、彼女の両手から激しい突風が巻き上がった。

 ビュオオ!!と突風は竜巻になり、そのまま機械を飲み込んだ。

 機械は最初のうちはなんとか持ちこたえていたものの、その勢いに負け風にあおられ、竜巻の中を回り始める。

 ゴシャ!グシャア!という鈍い音とともに、機械はどんどん形を歪ませる。

 ルノマ族たちは、いとも簡単に機械が壊されている光景を見て、思わず固まっていた。


「うふふふ!まだまだですわあ〜!!」


 ハトガヤはテンションが上がったのか、どんどん魔法の威力を上げていく。

 最初は表面をべこべこ凹ませるような威力だった突風も、今はメシャアと機械を雑巾を絞るかのように簡単に捻じ曲げる威力になっていた。

 機械はあっという間に、クシャクシャに丸められたちり紙のような姿になってしまった。


「で、次は誰がこうなりたいのかーしーらー?」


 ハトガヤは黒い笑みを浮かべたままゆっくりとルノマ族たちに振り向いた。

 あまりの恐ろしさにルノマ族たちはヒッと悲鳴をあげる。その恐怖にマドーを拘束していた魔法は解け、べちゃっとマドーは地面に倒れこみ息を整える。

 ハトガヤはゆっくりゆっくり、笑いながらルノマ族へ近づいていく。ルノマ族たちはジリジリと後ずさる。そんなやりとりの最中だった。

 突然入口の方から乾いた足音が聞こえてきた。


「ゲッ神官…とルノマ族!?」


 足音の正体は、前にフレアに撃退された光魔道士達だった。彼らもまた懲りずに祭壇を壊しにきたようだ。


「くそっ、てっきり入口にいなかったから今回こそは成功だと思ったのに…!

 それよりもルノマ族、お前達も同じことを企んでいたとはな!魔獣の分際で人間にたてつくのか!」


「おい!あれって多分俺たちが次に狙ってたカンマの機械…っぽくねえか?

 なるほど、見つからねえと思ったらお前達が先に持ち出してたのか!

 俺たちの計画を盗み聞きしたんだな!」


 光魔道士たちはぎゃあぎゃあとルノマ族達を責め立てる。


 魔獣の分際で。

 人間でもないくせに。

 人間に刃向かうな。

 魔獣は魔獣らしく大人しく人間に飼われてればいい。


 魔獣ごときが調子にのるな。


 そのあまりの言い草に、ハトガヤは呆れてわざと大げさなため息をついた。


「…貴方達みたいな差別主義者がいる限り、この国はよくなんてなりませんわね」


 その言葉が癪に障ったのか、光魔道士たちは今度はハトガヤに標的を変える。

 お前こそ部外者のくせに口出しするな!

 レイス教団の犬のくせに!

 大人しく神殿を我々に渡せばいいものを!

 早く出て行け部外者め!

 ハトガヤはまた大げさなため息をつきながら、聞き流している。


「あいつら、嫌い。魔獣とハトガヤ、バカにする」


 ガルはムウっと頬を膨らませながら、好き勝手罵倒する光魔道士達を睨みつけている。


「あいつら魔獣いじめる。だから魔獣いなくなる」


 ガルは、アールヴォレの森でのことを思い出していた。あの森も人間が好き勝手していたから、魔獣が、家族が減ってしまったのだ。

 ガルにとって魔獣は家族。たとえ種族は違えど魔獣がいじめられているのなら、許せるはずがない。


「…そうだ。ああいう人間がいるからこそ、我々は虐げられ続けるのだ」


 ルノマ族のリーダー格が静かにつぶやく。


「だからこそ…。だからこそ、こうして力を手に入れたかったのさ…」


 リーダー格はよろよろと祭壇に近づいていく。


「この力で…」


 祭壇の目の前に立つ。


「この強大な力で…」


 虚ろな目で、腕を振り上げる。


「全てを…!」


「いけない!誰か彼を止めてくださいまし!」


 ハトガヤの叫び虚しく、リーダー格は勢いよく祭壇に腕を振り下ろした。

 パキッと祭壇に小さな亀裂が入った。するとそこからパキパキパキと祭壇が割れていく。

 その割れ目から、ゴッと黒い光が溢れ出す。光はリーダー格をスルスルと飲み込んでいく。

 その場にいる全員がその様子を恐る恐る見つめている。やがて闇に飲み込まれたリーダー格はむくむくと体を巨大化させていった。


「な、なにがどうなって…!」


「貴方がたもご存知でしょう!世界にある神殿は、もともと邪竜を封印するために作られたものですのよ!

 その封印を解けば、邪竜の力が溢れ出してしまうのは常識ですわ!

 彼は今その力に飲み込まれてしまいましたの!もうあれは元の彼じゃない、邪竜ネビロスですわ!」


 神殿の吹き抜けで高くなっている天井ぐらいまで大きくなった“元”リーダー格は、その黒く闇をまとった巨体をひねると、まるで虫を叩き潰すかのようにハトガヤたちに重い手を振り下ろした。

 ドゴオと地面が歪み、激しい振動が起こる。


「みなさん!動かないでくださいまし!この中にいれば死にはしませんわ!」


 ハトガヤは攻撃が来る直前に、風魔法でこの場にいる全員を包み込むようなドーム状のバリアを作った。

 ガルやマドー、ルノマ族も光魔道士も、とにかく全員守る形で風のドームが展開されている。


「んもう、最悪ですわ…!フレア様もフロレアもいつまで気絶してるつもりですの!?」


 フレアとフロレアの二人は、先ほどの機械による放電攻撃で完全に気絶してしまっていた。

 隙を見つけてガルとラルフが二人を安全な場所まで引っ張ってきてはいたが、一向に目を覚まさなかった。

 が、たとえ目が覚めたとしても、感電による負傷でしばらくは戦力になれないだろう。


「もう…!どうすればいいんですの…!」


 ネビロスの化身と化した“元”リーダー格は、我を忘れ暴れ続けていた。

 バンバンと地面に拳を打ちつけたり、ゴンゴンと壁に体当たりをしたりと落ち着く気配がなかった。

 その度に神殿が大きく揺れ砂煙が上がり、パラパラと上から小さな石クズが落ちてくる。

 ハトガヤは風のドームを維持し続けるのに精一杯のようだ。彼女は脂汗を額に滲ませながら、魔力を発し続ける。


「これじゃ埒があきませんわ!一瞬でもいいですから、誰かあいつから隙を作ってくださいまし…!」


 ハトガヤが助っ人を求めると、光魔道士とルノマ族は両者とも首を横に振り出した。


「無理に決まっているだろう!

 おいルノマ族!お前らの仲間がやらかしたんだ!お前らが責任を持って犠牲になってこい!」


「なんだと!そもそも貴様ら人間が差別なぞしなければこんなことにはならなかったんだ!

 人間こそ責任を取ってネビロスの犠牲となれ!」


「ルノマ族が!」


「人間が!」


 両者は役割をお互いに押し付け合い始めた。その様子にハトガヤはうんざりする。


「もう!いい加減になさいまし!こんな時に争ってる場合じゃないでしょうが!」


「その通りです。誰も行かないのであれば私が行きます」


 そう名乗り出たのはマドーだった。マドーはハトガヤの横をスルリと抜けると、風のドームから外に出た。

 マドーはそのまま、スタスタと怪物と成り果てた同族の元へ向かっていく。


「マドー!ダメ!マドーじゃあいつ止めるの、無理!」


 ガルは慌ててマドーを止めようと動く。

 今まで行動を共にしてきたが、ガルはマドーがとてもじゃないがあの怪物から隙を作ることなんてできないと思った。

 屋台で見せてもらった光魔法も、それよりは少しマシな程度な風魔法も、どう考えてもあいつに通用するとは思えない。

 それどころか、このままじゃただの無駄死にだ。

 マドーが魔獣の一種であると、1度目に神殿から戻ってくる途中でフレアに教えてもらってから、ガルはマドーに強い親しみを覚えた。それゆえに、マドーには傷ついて欲しくない。

 いいや、マドーだけじゃなく、フレアも、フロレアも、ハトガヤだって。

 だが、仲間を止めようと動いたガルをハトガヤが腕で制した。

 その行動に、ガルは噛み付く。


「なんで!ハトガヤ!マドー弱い!行くならガルが!」


「行かせてあげてくださいまし」


 ハトガヤは短く返す。


「それに、あなたも、あなたのお友達も怪我してるじゃありませんの」


 その言葉にガルはバッと右腕を隠す。

 先ほど隙を見てフレアとフロレアを回収した際に、怪物の攻撃により飛んできた瓦礫がガルの右腕に直撃していた。

 大きな塊ではなかったためそこまで重傷にはならなかったものの、右腕の傷跡からは血が滲み見ていて痛々しい。

 ラルフも同じく瓦礫の破片が当たったようで、足に大きな傷を負い、ガルと同じく血が滲んでいる。

 動くことはできそうだが、それでも歩くのが精一杯だろう。


「そんな怪我をしている方たちに、無理はさせられませんわ。それに…」


 ハトガヤは怪物に向かうマドーの背中を、まっすぐ、不敵な笑みを浮かべながら見据える。


「彼は、変わろうとしていますわ。それを止めるわけにはいきませんもの」



 *



 マドーは、暴れ続ける“元”同族の目の前にやってくると、ゆっくりと見上げた。

 怪物はマドーに気づかないようで、ひたすら神殿を破壊し続ける。

 マドーはふっと視線を下ろし、かぶりを振った。


「…確かに、私たちはこの国でははみ出しものです。私など、更にはみ出しもの。

 力がないから、当たり前に使えるものも使えないから、一族からも除け者にされてきました。

 だけど、私は力が欲しいなんて思ったことは一度もないんですよ」


 マドーは懐から、金色の魔道書を取り出した。


「光魔法を一人前に使えるようになれば、私も認めてもらえる。

 でも、私には素質がない。カンマくんにもそう言われました。

 だけど、私にも一族の誇りがありました。彼の言葉を全て受け止めることはできませんでした」


 金色にキラキラと小さく輝く魔道書を、優しくなぞる。

 その目は、どこか悲しそうで、それでいて力強い目だった。


「それでも力が欲しいと思わなかったのは、きっと心ではわかっていたのかもしれません。

 私は、今日をもってこの力を捨てようと思います」


 そう言うとマドーは、金色の魔道書を地面に強くたたきつけるように投げ捨てた。

 地面に当たった衝撃の反動で、魔道書が軽く弾み、そして地に沈む。


「…そもそも、私たちも光魔法だけにこだわる必要はないのです。

 違う力が使えるようになれば、またきっと我々の立場は変わっていた」


 マドーは、ゆっくりと地面に手を落とす。


「だから、私は選びます!光魔法以外の選択肢を、選びます!」


 地面に転がる、翡翠の魔道書を拾い上げ勢いよく掲げた。

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