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RE:collection of Justice  作者: カザハラ
chapter1 悠久なる聖国ヴァルクォーレ
2/17

chapter1-2

「やっと出れましたあー!」


 フレアとフロレアが、地下通路を抜けて地上に出てきた時には、すっかり夜が明けていた。

 出口は神殿の裏にある小さな森に通じていた。

 朝日が眩しい。


「フレア様、わかってるとは思いますが…」


「侵入した罰だろう?わかってる。レイス教団の好きにすればいい」


 フレアは軽く自分の体をはたく。小さな土煙が軽く舞う。


「それよりもだ。祭壇が破壊されたってどういうことだい?」


 フレアは、地響きが起こった直後の会話を思い出す。

 あの時フロレアは、祭壇が何者かによって破壊されたと言っていた。

 もしそれが本当ならば、忌々しいかの魔竜を封印する8つの鍵のうち、一つが解かれたことになる。


「その通りですよ、祭壇が破壊されたんです」


「なんで破壊されたってわかったんだ?」


 フレアが訝しげに尋ねる。

 確かにあの時は地響きはしたが、祭壇が崩れる音等は一切聞こえなかった。

 ましてや、祭壇が壊される現場を見たわけでもない。なぜ彼女は祭壇が壊されたとわかったのだろうか。


「その…信じてもらえないかもしれませんが、私にはわかるんですよ…」


 フロレアが自信なさそうにそう告げる。


「その、神殿の神官は、配属が決まった時に、そこの祭壇と意識を共有させられるんです」


「意識を…共有?」


「はい。例えば…」


 フロレアは、手頃な石を拾い、フレアに見せる。


「これが祭壇だとしましょう。もしこの石をフレア様が蹴ったり、投げたり、地面に叩きつけたとします。

 その時、私にもフレア様に蹴られたり、叩きつけられたような痛みが走るんです」


 フロレアは、そう言いながら石を地面に置き、持っていた魔法杖の持ち手側の細い先端部分で思いっきり突く。

 すると石はきれいに二つに割れた。


「こんな感じで祭壇が破壊されると、私にも一瞬ではありますが、引き裂かれたような激痛が走ります。だからわかるんです」


「なるほど…」


 フレアは綺麗に割れた石とフロレアを交互に見つめ、神官とは思っていた以上に大変な誓約を結ばされているのだなと思った。

 フロレアがまた自分の頭をクシャクシャと掻きむしり出し、地面にドサッと座り込む。


「あああ…もう最悪です!なんで派遣されてすぐにこんな目に合わなきゃいけないんですかもうぅ…!」


 今にも泣き出しそうな声で弱音をポロポロと溢す。

 そういえばつい最近来たばっかりだと言っていたな…とフレアは思い出す。

 確かに来たばっかりでこんな事態に巻き込まれるのは気の毒だとは思うが、今はそんなことを嘆いている場合ではないはずだ。


「気持ちはわかるが、今はそんな弱音をこぼしている場合じゃないだろう?

 一刻も早く事態を把握するためにも、急いで町に戻ろう」


 フレアはフロレアに手を差し出し、そう言った。


「うう…そう…ですよね」


 フロレアがフレアの差し出した手を受けとる。

 そしてそのままグイっとフレアがフロレアを立ち上がらせる。


「じゃ、急いで戻るぞ」


 フレアとフロレアは町に向かって走り出した。



 *



 町に戻ってきた頃には、すっかり日が高くなっていた。

 大通りを歩き、町の中心へ向かう。

 町はいつもと変わらない日常を描いていた。が、やけに人々がざわついていた。


「…?なんでこんなにざわざわしてるんですかねえ?」


 フロレアが呑気にそう呟く。

 すると向こうから、城の兵士が慌ただしく駆け寄ってきた。


「フ、フレア王子!こちらにいましたか!」


「!、どうした?」


 ぜえぜえと息を荒げながら、兵士が用件を伝える。


「ア、アルテミス殿がいらしております!王子に会いたいと…!」


「アルテミス…さんが?」


 アルテミスはレイス教団の師団長補佐官であった。

 事実上、レイス教団の副師団長のような地位である。

 フレアは幼い頃から彼とは面識があった。そしてよく世界のことや、いろいろな話を聞かせてもらっていた。

 しかし彼はそんなに暇な人間ではない。やはりレイス教団の幹部なだけあって、あちこちへ趣いては様々な問題の解決をするために動いているような人間だった。

 そんな彼がここに来るということは、よほど重大な何かが起きたということだ。

 フレアも彼が来ていることには少し驚いたが、それ以上に自分の上司かつ班長である人物が来ていることにフロレアは驚いていた。


「ええっ!?アルテミス師団長補佐がいらしてるんですか!?」


「…フレア王子、こちらの方は…?」


 アルテミスの名前を聞いて大きな声を出したフロレアを、兵士は警戒しつつフレアに尋ねる。


「ああ、彼女はフロレア。神殿の新しい神官だ」


「そ、そうでありましたか!失礼致しました!」


 兵士は慌ててフロレアに敬礼する。

 そんな兵士の行動にフロレアも慌てる。


「い、いいんですよう!私なんてしがないただの神官ですから!敬礼なんていらないですー!」


 両手をブンブンと降って、敬礼はしなくていいですと訴える。


 その様子に、ゲフンとわざとらしくフレアが咳払いをする。

 兵士が慌てて、「あ、すいません!」とフレアの方に向き直る。

 フレアは改めて兵士をまっすぐ見据えた。


「とにかく、アルテミスさんのところへ案内してくれないかな?」




 *



「うんうん、久しぶりだねえーフレア君!」


 兵士に案内され、城の応接間へ向かうと、そこには見覚えのある人物がいた。

 綺麗なブロンドの髪。サファイアの如く輝く瞳に端整な顔立ち。

 血のように赤いマントの下には薄い群青色の軍服。

 胸元には星のように煌めく勲章が光っている。


「ええ、久しぶりですねアルテミスさん」


 アルテミスと呼ばれた人物は、満足そうにうんうんと頷く。


「いやー、びっくりしたよ。フレア君があまりにも立派に成長してるものだからねえ」


「ありがとうございます」


「出来ればロイ君にも会いたかったんだけどねえ…」


 ロイ。

 その名前を聞く度に、フレアの胸の奥がズキ、と痛む。


 ロイは、幼い頃の親友だった。

 王子と平民という身分も関係なく、いつも一緒にいて、いつも一緒に過ごしてきた。

 沢山辺りを冒険して、沢山新しい発見をして。

 沢山遊んでは、沢山二人で怒られた。


 しかしある時から、ロイはいなくなってしまった。

 噂によれば誘拐事件に巻き込まれたのではないか、ということだったが、

 いつまで待ってもロイが戻ってくることはなかった。

 それ以来、フレアはずっとロイを探していた。


 アルテミスも、幼いフレアとロイに会ったことがあり、二人の仲の良さは知っていた。

 それだけに、フレアがロイを探し求める気持ちも、痛いくらいにわかっていた。


「すまない、余計なことを言ってしまったようだね…」


「いえ、いいんですよ。それより、今回はなんの用で?」


 フレアはアルテミスを真っ直ぐ見つめながら尋ねる。

 アルテミスは少々言いにくそうに切り出す。


「うん、実は……祭壇が一つ壊されたんだ」


「…もう情報が行ってるんですか!?」


「…ん?」


 フレアの言葉に、アルテミスはきょとんとした。

 その反応を見て、フレアも、ん?と首を傾げる。


「いや、だからここの神殿の祭壇が壊されたのでは…?」


「なんだって!ここも壊されたのか!?」


 フレアから告げられた事実に、アルテミスは動揺する。


「…フレア君、私が言っている祭壇はここのことじゃないんだ」


「…なんですって?」


「ここから遥か遠く、周りからは“はじまりの村”と呼ばれている村があるんだけど…」


 アルテミスは言葉を区切る。

 そしてやはり言いにくそうに続ける。


「そこの神殿の祭壇が、何者かによって壊されたんだ」


「!!」


 フレアに衝撃が走る。

 アルテミスはそんなフレアをよそに続ける。


「そしてフレア君、君は今、このヴァルクォーレにある神殿の祭壇も壊されたと言ったね?」


「…はい」


「それが本当なら、非常にまずい」


 うーん、とアルテミスが頭をかく。


「とにかく、私はこの事実を様々な国に伝えなければならない。2つも祭壇が破壊された今、他の場所の祭壇も危ういねえ…」


 どうしたものか…とアルテミスは腕を組み、考え込む。

 フレアも何か策はないかと思考を巡らせる。が、何も思い付かない。

 しばらくして、アルテミスが何か思い付いたかのように顔をあげた。


「そういえば、ここの神官って…フロレアだったよねえ?」


「? はい、そうですけど…」


「ねえそこの兵士さん、ちょっと彼女を呼んできてくれないかい?」


 アルテミスが側に待機していた城の兵士にそう声をかけると、兵士は「はっ」と敬礼し、部屋の外で待っているであろうフロレアを呼びに行った。

 ほどなくしてフロレアが部屋に入ってきた。


「わ、私に何か用でしょうかアルテミス師団長補佐!」


「いいよいいよ、そんなにかしこまらなくてもー。それよりフロレア、君は魔力には自信あるよね?」


「へ?あ、はい…少しですけど…」


「結構結構。じゃあ神殿に行こうか。フレア君も一緒においで」


 アルテミスはそう言うと席を立ち、部屋を出ていった。

 何がなんだかわからないフレアとフロレアは顔を見合わせ、


(何をしようとしているかわかるかい?)


(全然わかりません…)


 と目で会話した。


 そしておそるおそるアルテミスについていき、神殿へ向かった。



 *



「うーん、こりゃ見事に壊れてるねえ…」


 神殿の奥にある祭壇がある間に入り、祭壇の前に立ち状況を確認すると、アルテミスはあちゃー、と頭をかく。

 祭壇の真ん中には見事な亀裂が入り、少しでも触れようものなら今にも2つに割れそうな様子だった。


「まあやってみるしかないかなあ…フロレア、こっちに来てくれないかい?」


 アルテミスが祭壇のある間の入口からこちらの様子をフレアと伺っていたフロレアに声をかける。

 フロレアは少々びくつきながらアルテミスに近づく。


「な、なんでしょうか…!」


「はい、これ」


 アルテミスはフロレアの手を掴み差し出させると、その手のひらの中に何かを渡した。

 渡されたのは、薄い桃色の光を放つ、水晶の破片のようなものだった。


「あの、これは…?」


「んー、魔力を増幅させる結晶、みたいなものかな?」


 アルテミスはへらっと笑う。


「ま、よくわからないんだけどねえ。ただこれを使うと、使用者の魔力がはねあがるってことは確かだ」


 いつの間にかこちらに近づいてきていたフレアが、フロレアの手の中で淡く光る結晶を見つめる。

 なんだか結晶の中で、何かが渦巻いている気がした。


「で、これを使ってなにをするんですか?」


 フレアが結晶を指差し、アルテミスに尋ねる。

 フロレアも何をしたらいいのかわからないと言う顔でアルテミスを見つめる。


「うん、それを使ってフロレアに封印をしなおしてほしいんだ」


「なるほど……はい?」


 アルテミスがあまりにもさらっと言うものだから、フレアは思わず聞き返してしまった。


「今、なんて…」


「だから、その結晶で魔力を増幅させて、フロレアに封印をしなおしてほしいんだ」


 満面の笑みでさも簡単なことかのように、さらりとアルテミスは言いはなった。

 当然フロレアは抗議する。


「そ、そんなの無理ですよう!!私みたいなただの三流神官には無理難題すぎます!!」


 フロレアはギャーギャーと喚きちらす。


「アルテミス師団長補佐が封印しなおしてくださいよ!」


「うーん、それは無理なんだよねえ…」


 アルテミスはわざとらしく両手を肩まで上げ、困り果てたポーズを取る。


「君も知ってると思うけど、私の魔法は闇属性なんだ。封印は光属性。これだと力が反発して、逆にもっと酷いことになるよ?」


「わ、私だって光属性じゃないですよう!」


「でも君は光魔法も少しは使えるんでしょ?」


 そうですけど…としり込みするフロレアを見て、アルテミスはまた笑顔になった。


「じゃあ決まり!早速やっちゃってフロレア!」


「うう…自信ないですよう…」


 フロレアはしぶしぶ祭壇の前に立つと、右手の人差し指と中指に結晶を挟みながら、両手を祭壇にかざし、深呼吸し、目を閉じた。

 コオオオ、と空気の動く音がし、フロレアと祭壇を中心にしてゆっくりと渦が巻かれる。


「アルテミスさん、本当に封印しなおせるんですか?」


 その様子を見ながら、フレアはアルテミスに尋ねる。


「ああ、出来るともさ!…彼女次第だけど」


「そうですか…」


 フレアは少し不安になってきたが、ここはフロレアとアルテミスを信じることにした。

 しばらくアルテミスとフレアがフロレアを見守っていると、背後から物音がした。

 フレアが勢いよく振り返る。するとそこには鎧を身にまとった人間の死体が何体もこちらに向かってきていた。


「…アルテミスさん」


「アンデッド…魔物の類いだね。祭壇が壊れちゃったから、近辺の魔物が活性化しちゃったか…」


 アルテミスはゆっくりアンデッド達の方を向きながら、フレアに指示を飛ばす。


「いいかい、フレア君。フロレアが封印しなおすまで彼らから彼女を守るんだ。手加減も情けも無用だよ」


「わかりました」


 フレアはゆっくりと腰に下げたレイピアに手をかける。

 アルテミスもマントの中から一冊の本—魔導書を取りだし開くと、左手で構える。

 アンデッド達は声にならない呻き声をあげ、アルテミスとフレア目掛けて襲いかかってきた。

 刹那、フレアはレイピアを腰から素早く抜き出し、その勢いのまま向かってくるアンデッドを斬り上げた。紅い太刀筋が残る。


「ぁガ…ァ゛…」


 アンデッドは呻きながら地面に倒れた。

 フレアは振り上げたレイピアをおろし構え直す。


「次は誰だい?」


 フレアが、妖しく微笑む。

 するとアンデッド達は、今度は数人係でフレアに襲いかかってきた。

 剣を持ったアンデッドがフレアに斬りかかる。

 フレアはこれを軽くしゃがんでかわし、アンデッドに足払いを決める。

 思わず体勢を崩したアンデッドの喉元に、下からレイピアを突き刺し、そのまま構え直すと横に流し斬る。

 そしてその勢いで右から迫ってくる別のアンデッドを斬る。

 斬られた勢いで体勢を崩し、よろよろと後ずさるアンデッドの鎧の隙間から脇腹ににレイピアを突き刺す。

 そしてそのまま軽くひねり、斬り上げる。

 ズシャア!と血しぶきをあげながらアンデッドは倒れた。

 と、同時にフレアの背後から多数のアンデッドが各々の武器を振りかざし、飛びかかってきた。

 しかし、フレアは取り乱すことも、振り向くことなくレイピアを腰に戻した。その瞬間、紫の波動弾が背後にいたアンデッド達をかき消す。


「うーん、やっぱり力加減が難しいなあ」


 アンデッドの死体さえ残らず消し飛んだ波動弾の着弾跡を見て、アルテミスはへらっと笑った。


「相変わらずすさまじいですね、闇魔法は…」


 フレアは少々呆れ気味に言った。

 その直後、辺りを強烈な光が照らした。


「なんだ!?新たな魔物か…!?」


 フレアは顔の前で腕をかざし、光が目に入らないようにしつつ辺りを見回した。


「違うよフレア君!封印が成功したんだ!」


 アルテミスがそうフレアに告げると、光はパアッと弾け、そこには壊れる前の元の姿に戻った祭壇と呆然と立ち尽くすフロレアがいた。


「出来…ちゃった…」


「すごいじゃないかフロレア!」


 アルテミスとフレアがフロレアに駆け寄る。

 その後ろで、倒れていたアンデッドの1体がゆっくりと体を起き上がらせる。

 グリュンと首を回し、フレアとアルテミスに狙いを定める。


「危ないです!!」


 フロレアはそう叫ぶと床に置いていた自分の魔法杖を掴み、構える。


「聖なる流れに身を清めよ!“アクアリングフォース”!」


 フロレアがそう叫び、杖をだんっと地面に突くと、アンデッドの足元から大量の水が溢れだし、アンデッドを飲み込んだ。

 ザバア、とアンデッドに襲いかかった水流は、アンデッドの動きが止まると何事もなかったかのように地面へと消えていった。

 アルテミスはその光景に満足そうに微笑んだ。


「流石フロレアだねえ。水魔法ならお手のものだ!」


「こんな力を持っていたんだ、フロレアは…」


 フレアはフロレアが放った強力な水魔法に、ただただ驚いていた。


「でもよくやったよフロレア。そしてフレア君もね。君の剣さばきはなかなかに最高だったよ!」


 アルテミスはフレアの肩をポンポンと叩く。

 フレアはそれがなんだか嬉しかった。


「フロレアが祭壇の封印をし直せるとわかったところでお願いがあるんだけど…」


 アルテミスは改めてフレアとフロレアを見ると、笑顔でこう言った。


「君たち二人で、他の場所の神殿も封印しなおしてきてくれないかな?」


「ええっ!?私たちで、ですかあ!?」


 フロレアが驚きの声をあげる。


「無理ですよう!だって、さっき封印しなおした時に結晶は消えてしまいましたし…!」


 そう言うとフロレアは結晶を持っていた手を前に出して見せた。

 確かに、彼女の手の中には何も残っていなかった。


「大丈夫だよ。さっきのでコツは掴んだだろう?無くても君になら出来るさ」


「でも…」


「わかった言い方を変えよう」


 なかなか納得しないフロレアに痺れを切らしたのか、こういう言い方はあまり好きじゃないんだけど…と、アルテミスは呟きながら、声色を変えてこう続けた。


「これは命令だ。レイス教団第21班フロレア・ヴィオランテ、貴君にはフレア王子と共に世界を旅し、各地にある神殿の再封印作業の任務を命ずる。これでいいよね?」


「うっ…わかりました!」


 フロレアはまだ何か言いたそうだったが、命令には逆らえないと観念したのか、とうとうその任務を受け入れた。


「フレア君も彼女と一緒に世界を廻ってくれないかな?彼女一人だけじゃ心配だしねえ」


「構いませんよ。僕も今、世界がどうなっているのか見ておきたいですから」


 フレアはアルテミスにそう言って笑って見せた。

 それは心強いよ!とアルテミスは満足気に頷く。


「そういうことだからフロレア、これからよろしく頼むよ」


「うう…なるべくフレア様の足を引っ張らないように頑張りますう…」


「若いっていいねえ!二人とも、気を付けて行くんだよ!」


 笑顔で手を降るアルテミスに見送られ、フレアとフロレアは長い長い旅へと足を踏み入れていった。

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