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形無し勇者の英雄伝  作者: ネコムン
3/5

最初の町の形無し勇者

冒険者ギルド到着

さてミストラルの記憶を頼りに森を抜けホープは村にたどり着く村の入り口で簡単なチェックを受けた後


村の中へ村にある冒険者ギルドにいくとホープは背負ってきたフォレストウルフを床におろしカウンター


に向かう、ちょうど空いていた受付に行くとそこには大きな尻尾にワンコ耳の女性が座っていたその女性


に声をかけるホープ「すまないんだが冒険者登録とフォレストウルフ買取を頼む」


ワンコ耳の女性は耳をぴくぴく動かすと「あの登録と何の買取ですってもう一度お願いします」


「だからフォレストウルフだってそこに寝かしてあるやつ」そう言って床のフォレストウルフを指差す背


伸びをして床のフォレストウルフを確かめたワンコ耳女性は「すみません私の聞きちがいかと思いまして


改めましてこのギルドの職員で犬の獣人族のワノンと申しますそれではまず登録のほうから済ましてしま


いましょう、最初にこの書類を確認の上必要事項にご記入ください代筆が必要な場合はお申し付けください」


とワノンは尻尾をパタパタ動かしながらホープに書類を渡すホープは記入しながら何でこの世界の文字が


読めるんだと疑問に思いながらも神様からのプレゼントかなと考えていたそして書き終えた書類をワノン


に手渡すと「エーとお名前がホープ・ジェイムスさん年齢二十代ホントですか後でステータス診断が有る


ので嘘をついてもわかりますよ」とホープの年齢を疑うが次の項目に移る「それでと得意武器が無しとありますがこれは?」


「目だってこれってのは無いんだああ親にむやみに人を傷つけないように手加減できるレベルまで一通りマスターさせられたんだ」


「それはかなり厳しい親御さんですね今はどちらに」


「俺が20になったのを見届けるように二人ともあっけなく」


「すいませんつらいこと聞いたのでは」


「きにするな二人とも笑っていたんだ悔いはなかったろう」


「わかりましたさてと次はステータス診断ですねまずはと」


そう言って受付の上に三つの透明な玉を置いたそしてホープに向き直ると「ではホープさんこの三つの玉

にそちらから見て左から順に触ってみてください」


「この玉はいったい」


「ご説明しますと左から虚偽と罪悪を映すカルマの玉真ん中がその人物のステータスを調べる心体の玉右がその人物の適正・スキルを調べる技の玉です」


こんなものでわかるのかと疑問に思いながらもホープは順に触れていく


カルマの玉反応なしワノン書類に虚偽のないことを確認


心体の玉まぶしく光るワノン驚いて口が開く


スキルの玉まぶしく光ると木っ端微塵に砕け散るワノン手を上げ先輩職員を呼ぶ


そして両脇をワノンと先輩職員シェーラに抱えられギルドマスターの部屋へ連れて行かれた


部屋に入るなりシェーラは「マスターマルガリーテとんでもないステータスの新規登録者がいましたので連れてきました」


「とんでもないどの程度現時点でどの程度なのかしら貴方達ちょっと有望程度で騒ぐから」と部屋の主である妙齢な女性


「論より証拠これを見ればマスターでも驚くと思いますよ」


そう言ってマルガリーテの机の上へホープのステータスの写しを広げる


最初は寝ぼけ眼だったマルガリーテの目が開かれ興奮しだす


そして姿勢を正すと「新規登録者ホープ・ジェイムス君この冒険者ギルドへようこそ君の登録をうれしく

思います、そして君が冒険者として活躍していってくれること祈っています」


「それでなぜここに連れて来られたのでしょうか?」


「さすがにそれは説明するべきでしょうねわかりましたまずはこのあなたのステータスを写したものを見てもらえるかしら」


そう言って先ほどシェーラが広げた紙を指差す


ホープが言われるがままに目を向けると


名前ホープ・ジェイムス


年齢 25


レベル 4


HP 500/4000


MP 100/800


STM4000


STR800


INT800


DEX1600


LUK100


特性


自然治癒S


精神強化S


魔力強化EX


身体強化EX


スキル


武器術EX


格闘術EX


常在戦場EX


戦場支配EX


我流習得術EX


軍師の眼EX


鑑定EX


紅蓮魔法F


称号


神々の寵児


不死の戦士


力無き者たちの剣


不正義を打倒する者


武器を選ばぬ者


「見てのとうりあなたには物理攻撃系最上位スキルと火魔法の最上位スキルを習得している」


「それがどうかしたのですか?」


「解ってないようなので説明させていただきますとあなたが親御さんに身につけさせられた技術は間違い


なく地上最強レベルのものですつまり簡単に敵を殲滅できますなので親御さんも手加減をできるようにな


るまで習得させたのでしょう逆に周りが危険ですのでそれともうひとつの理由が火魔法の現状最上位とさ


れている紅蓮魔法これをFランクとはいえ習得しているもしこれが魔術士ギルドにばれるとわれわれの強


制を疑われる事態になります」


「どうやら紅蓮魔法の方は習得しているなんて知らなかったみたいだなその感じだと」


「あのマスターマルガリーテ、紅蓮魔法なんてとんでもないもの知らずに習得なんてできるわけが」


「一つだけだがあるんだそれが本人に魔力適性があり高位の精霊武装を使用するそれを充たせば習得できるんだ思い当たる節があるようだぞ彼には」


「あのホープさん?」


「えともしかしてなんですが一度だけサラマンダーナイフを振ってみた事がありましてその時に目の前の木が一瞬で灰に・・・」


「それだなあきらかに」


「はじめて触ったサラマンダーナイフを発現させるなんて」


「そんなすごいことなんですか?」


「精霊の宿る武器を発現させるのに普通は最短でも2年はかかるそして精霊によっても発現させるのに難


易度があってわれわれの生命に近い土と水の精霊がたやすく次に風の精霊そして一番難易度が高いのが火


の精霊の武器だしかも現象名ではなく精霊名の武器で気位の高いサラマンダーが力の行使をする普通に考


えればありえないがこうしてここに証拠もあっては信じるしかない」


「つまり規格外と」


「まあ一言で言えばそうなるよっぽど君の魔力をサラマンダーが気に入ったのだろう」


「もし似たようなほかの精霊武器を振るってみたら」


「可能性で言えば最上位魔法を授かる可能性は無いとは言えんな目指してみるかクワトロマジックユーザー」


「マスターめったなこと言わないで下さいそんな事になったらまた魔術師ギルドのギルドマスターであなたの夫のマスタージルンに怒られますよ」


「おいおいつげ口する気かお互いいい関係で夫婦生活を楽しみたいだからやめておくれよ」


「そう言われましてもマスタージルンからも問題があるときは教えてほしいって頼まれておりますし」


ホープをほって置いて二人で揉め出す


「それで登録のほうはどうなるんだ?」


ホープが切り出すと


「登録は完了だ問題があれば両方登録してもらえばいいし」


「それでいいんですかマスター?」


「いいさ今はあくまでも将来有望な新人冒険者だ」


「わかりましたそれでは下でカードの発行をして終了になります」


ワノンと一緒に部屋を出ようとするホープに


「ホープ、君の活躍楽しみにしているよ」


にこりと笑みを浮かべ声をかける


下に戻って


「ではホープさん先ほどの魔術師ギルドにも登録が必要になるかもしれないことは覚えておいてもらえま

すか」


「なにかあるのか?」


「なにかとは?」


「戦争・襲撃・氾濫」


ホープが続けて例を挙げるそして一番顔色の変わった


「モンスターの氾濫が迫ってるんだな」


「なぜわかったんです」


「あんたもう少し表情に出さないようにしたほうがいい」


そう言うとワノンはうなだれる


そしてそのまま


「まだ魔獣が多くなってきてるって段階なのですが」


そうあきらめたように話すそして顔を上げると


「なので即戦力は大歓迎なんですどちらでも」


そしてホープの手に大きくGとランクが記載されたギルドカードを渡し


「ホープさん来ない事を祈りますがそのときには協力をお願いいたします」


そう言って頭を下げる


「わかったどちらも頭に入れておく」


そう言ってホープもうなずく


だがホープを転生させた神々は彼に平穏を許さなかった


ホープが冒険者登録をしてきっかり一週間が過ぎたその日いつものようにフォレストウルフを担いだホー


プがギルドに現れると中にいた冒険者たちが声をかける


「ようホープせいがでるな程々にしてやらないとそのうちこの辺からフォレストウルフが逃げ出しちまうぞ」


「大丈夫だろこの辺には餌になるラビット類の数が多いからご馳走をほって逃げやしないさ」


この一週間でホープはこの町のほかの冒険者たちと完全になじんでいた


最初はとう巻きに見ていたほかの冒険者たちも裏表なく誰にでも接し


子供達のにも好かれる酒好きの気のいいホープに


この町に来た新しい仲間と認めていた


そんな日々を危機が襲う


「大変だ森にスタンピートタートルがいた」


青い顔をしてギルドに駆け込んできた若い冒険者がそう叫ぶ


途端に張り詰めた空気が流れるギルド内


ワノンが受付の中から出てその冒険者に再度確認する


「落ち着いて、もう一度確認します間違いなくスタンピートタートルだったんですねランドタートルではなく」


その若い冒険者は数回深呼吸をしたあと


「ああ間違いなくスタンピートタートルだ説明どうりあいつは捕らえた獲物に噛り付いてやがった」


ギルド内を重苦しい空気が流れる


「なあ、ワノンさん俺その説明受けてないんだが」


ホープが声をかけると


「え、していませんでしたっけ?」


そう言うワノンの肩を掴むマルガリーテ


「ワノン、君は有能な彼が被害にあったらどうするつもりだったのかな?」


その言葉には怒りが少なからず込められていた


「すみませんホープさん今さらで済みませんがご説明させていただきます」


ワノンの説明


通称スタンピートタートル


正式名ブラッドタートル


タートル種ののほとんどが草食の中で唯一の肉を好んで食するタートル種


甲羅を獲物の血で濡らす事からこう呼ばれている


獲物は肉であれば動物でも魔獣でも何でも食べる


記録上では腹をすかせたブラッドタートルが村を襲い


逃げ遅れた村人を食い尽くしたことも


そしてもうひとつの特徴が


「ブラッドタートルは自分が獲物を捕り易くするために体から特殊なフェロモン出すんですが


それが人間以外の生き物を著しく刺激して凶暴化させるんです


そこから通称スタンピートタートルと呼ばれ第一級の有害指定され見かけた場合は最寄のギルドに報告す


る義務があるんです」


「そして奴が森に居たということはいつ氾濫が起こっても不思議はないんだ」


そう言ってマルガリーテが締めくくる


「今から全員氾濫に備えてもらうよ町の外に依頼で出ているものは呼び戻しな町の中のほうが生き残れる


確率が高い誰か魔術師ギルドの私の旦那のところへ使いに出ておくれ防衛戦に力を貸してくれってね」


そう言ってマルガリーテは次々に指示を飛ばす


武器を確認するもの


足りない物を調達に行くもの


それぞれに分かれたが皆絶望しては居なかった


ホープはその姿に尊敬の念を抱いていた


そして前世にてともに戦った戦友達を思い出していた


そんなホープの肩をマルガリーテが掴むと


「頼りにさせてもらうぞホープ君」


そう言ってくるのだが


にやりと笑ったホープは


「俺はまだFランクなんだから期待されても」


そう答えるが


「お前はそう言うところはほんとに食えないやつだな」


そう言ってマルガリーテは見透かしたように肩をすくめる


この一週間の間にホープがこなした依頼の数は百件をゆうに超えるしかも中には


難易度の高いものも混ざっており実質的には3ランクの昇格の資格があるのだが


それには本部のある王都に行かなければならない為


この町を離れることを渋るホープはFランクに留め置かれたのだったが


状況的にだが彼がここに居ることがほかの冒険者たちの支えになっていた


マルガリーテは


「このことが気になってこいつは王都行きをを渋っていたのか」


その考えにいたって納得がいった


「冒険者でありながらランクアップより気に入った町の安全を優先するなんて」


口にしてみて好ましさがこみ上げてくる


「旦那の前に会っていたら惚れてたかもしれないな」


愛する旦那の顔を思い浮かべながらマルガリーテはやさしく微笑んだ





氾濫に立ち向かう冒険者たち

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