入学(戦闘) エント編
楽しんでいってください
「それじゃ 服と靴…あと模擬刀も置いとくからな」
教官は制服だった俺達に実習用の服と靴を用意してくれた
俺はそれを着て鏡の前に立つ
「うっわぁぁ 似合ってねぇ…」
思わず言葉をこぼしてしまう
元の世界でも地味な服しか着てこなかった俺は自分の今の格好に正直…引いている
服は異世界のものとしか言い表せない なんかRPGの戦士が鎧なしの時に着るような…なんとも言いずらい
なにこれ…コスプレにしか見えないんだけど…
「そうかな 僕は似合ってると思うけど」
声のした方に向く
ユウは座りながら靴を履いている…それより
「お前…様になってるなぁ…」
「え?僕?」
ユウは戸惑っている 相手のことを言ったのに急に自分が誉められたからだろうな…多分
それは置いといて…なんだこいつめちゃくちゃ似合ってる
制服の時とは違って独特の着こなしから慣れている雰囲気もある
「そうかな いつもこういう服しか着ないからかな」
ほへー流石異世界人と俺が感心していると
「二人とも準備は出来た?」
対戦相手であるドラコ副会長が出てきた
ユウは一度俺に確認してから答える
「はい いつでも大丈夫です」
――――――――――――――――――――――――
「うわー でけぇ」
俺は感嘆の声をもらす
模擬戦場はコロシアム?的な雰囲気で客席もある
いわゆる東○ドームと同じくらいの大きさだ
俺の反応に対して教官と副会長は見慣れているのかほとんど表情が変わらないのは分かるのだが…
「…」
ユウも無言で冷静だ
どこか慣れた雰囲気で…
「それじゃ ルールを確認する」
教官が少し声を張る
模擬戦内容はこうだ…2対1の変則マッチ 新入生側は魔法 武器の使用は自由 逆に副会長は武器はなし さらに魔法もかなり制限されたらしい
勝敗の詳しいルールが無いのが気になるが…まぁルールを考えたのは適当と言われていた教官だし 黙っておこう
「エント準備は出来た?」
「おう」
ユウは作戦を提案してきたが俺はいつもの戦闘スタイル`見る´ことに専念するため時間稼ぎを要求した
ユウは少し迷ったのちに快く了承してくれた
こいつ…いいやつだ
普段俺の意見を無視する精霊と一緒にいるせいか
ユウの優しさが際立つ
「それじゃあ行くよ」
それからユウと副会長はいくつか会話を交わし
教官の「はじめ!!」という合図で
俺とユウの初の共同戦線が開始した
ご閲覧ありがとうございました