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入学 エント編

いつもより少し長いです

「ここか…」


と俺は呟き見上げる

そこにある建物は予想以上に大きい


「意外と…っていうかめちゃくちゃでかいな」


建物の大きさは俺がこの世界に来てから見たどれよりかも大きい

さすが世界に唯一の魔法が学べる学校…

この異世界でも魔法は珍しいらしく

学べるのはここしかない

と思っていると


「おーい きみー」


爽やか系お兄さんが走ってきて俺の前に立つ


「アミヤ・エントくんだね」


「は…はい そうで…す」


唐突に呼ばれた自分の名前に驚きながらも答える


「他の編入生はもう来てるから 案内するね」


「はい お願いします」


――――――――――――――――――――――――


ガラガラガラ


教室にドアの音が響く

中には二人…

一人は金髪のよく顔立ちが整っている いわゆる美少女といわれる 少女


もう一人は見る限り黒髪で俺と同じくらいの年にみえる

それはいいのだが 問題はその二人が教室で見つめ合っているということだ


なに あいつら恋人どうし? 公共の場でイチャつかないでくれるかな!!


「コホン!!」


俺は思わず強めに咳払いをする

二人は肩をビクッと上げ驚いたようにこちらを見る


「なにー今の咳払いー感じわっるぅー」


そう言い放ったのはさっきの二人でも案内してくれた爽やか系お兄さんでもない


「っるせぇ…」


「うるさいとはなによ!! そんなんだから友達できないのよ」


グッ!!

胸が痛い…くそ こいつ俺の言われたくないランキング上位を言いやがって…


「お前だっていないだろ 他の精霊に毛嫌いされてるんだろ」


「なっ…なによ!! それを今いう…?」


「人間相手は俺しか声が聞こえないみたいだが 声が聞こえる精霊どうしはしっかり嫌われてるじゃねーか」


そう さっきから話しているこいつは精霊

正確には見習い精霊 リア

俺と契約した唯一の精霊だ

どうやら俺以外に声は聞こえないらしく

そのせいか調子にのって 俺の調子をくるわせることが

多い …まぁ一応契約者だしメリットもそれなりにあるので一緒にいる


「あんただって 陰口言われてるじゃない」


「はぁ そんなことあるわけ――」


リアは俺の方に指を指す

人に指を指すのは失礼だぞと言いたくなったが

どうやら指を指すのは俺の背後にいる

さっきの二人組だった


「ほんとに言ってる…」


さっきの二人は俺に聞こえないようになにか話している…

なにあれ!!傷つくんだけど!!


「ほらねー 言われてるでしょ」


陰口とは限らないが何を話しているのか気になる


「やっぱりねだってあんた見た目くらそうだし」


リアは地味に傷つく言葉を言う

なんでこいつは的確に俺の言われたくないことをいってくるんだよ…


「あのなぁ …」


と話したところで


「あっ…あの!!」


「ん? あぁなんだ?」


「俺 ユウ ユウ・クサロって言います」


先程の少年が俺達が話している間に側に来ている

あぁなんだ自己紹介か

急に名前を言うあたり 割とコミュニケーションは苦手に見える

俺は親近感を覚えていると


「ねぇこの子カッコいくない!!」


とクソ精霊見習いが関係ない事を言う

しかもテンションがかなり上がっている

うっ…うぜぇぇ

俺は思わず「チッ」と舌打ちする


「ああ 今舌打ちしたー 自分がモテないからってー」


「ったくうるせぇな」


「なにーうるさいって!!」


「俺はアミヤ・エントだ」


俺はリアを無視してユウに手を出す


「あぁ よろしく」


ユウはなぜか顔をひきつらせながら手を握って握手する…とその時


「自己紹介もしたところでそろそろ移動しようか」


口を開いたのはさっきのお兄さんだった


――――――――――――――――――――――――


「ねーねー」


リアは無視されたのが気に入らなかったのかずっと話しかける

うるさい…とにかくうるさい…


「君たちは学校とか初めてかな?」


唐突にお兄さんが質問をする


「俺は…割と小さい頃から」


急な質問だったので思わず元の世界の感じで答えてしまった

お兄さんとユウは驚いたように顔を見合わせる


「ちょっ…ちょっとエント! この世界で学校に行けるのは上流の家だけなんだよ」


リアはかなり焦っている

なぜなら 俺が異世界人と知られてしまえば禁術「異世界召喚」を使ったのが分かってしまい

リアも俺も互いに契約者がいないことになる


とにかくヤバイ…


「意外だな 貴族かなんかなの?」


貴族?…どうする誤魔化すか…貴族とかならすぐバレるし正直に…いやでも


「…えっえーと」


「あっ 言いたくなかったら別に言わなくていいからね ここはそういう境遇の人が多いから」


「はっ…はい…」


危なかったぁ…よかったぁ特殊な学園で


「エント!ここはもうあんたの住んでた世界とは違うんだから気を付けなさいよ!!」


「ごめん…」


先程のピンチで申し訳なくなったので

素直に謝る


それからは小5分くらい歩いた

流石の広さだ教室に行くのにも割と時間がかかる

途中で学園の説明をしてもらったり

この世界の事を少しだけだが知ることができた

もっともずっと話しかけてくる見習い精霊がいなければもっと集中できたはずなのに…


――――――――――――――――――――――――


1Aと書かれた教室の前に一人の女性が立っていた

女性はミラ・アヴァルといって俺達の教官だ自己紹介をして

ユウと握手する…

なんかそのまま盛り上がり

俺の自己紹介は後回しにされてしまった…


「プークスクス エントほっとかれてる ださー マジうける」


またもや見習い精霊が俺を馬鹿にする 他の人に聞こえてないから余計たちが悪い


「くっ うるさい!! ほっとかれてない後回しにされただけだ」


あと精霊がマジうけるとか使うな

ボキャブラリーの少ない高校生か…それを言ったらなにか批判がきそうなのでやめておいた


その後 爽やか系お兄さんが自己紹介をした

ドラコ・アストロトといって この学園の副会長らしい

ユウは目を見開いて驚いているが…

そこまで驚くようなことか?


「みなが戻って来るまで一時間程度あるがどうする?」


教官は俺達に相談した


「「………」」


俺とユウは返事につまる

当たり前だ 入学初日にどうする?と提案されても

何をしたらいいか分からない

先程のユウ達とのやり取りの時もそうだったが

どうやら教官は適当らしい…

それも過度の…どうやって教官になれたんだよ!!


「それなら僕と模擬戦しない?」


提案してきたのは爽やか系お兄さんことドラコ副会長だ 模擬戦かぁ この世界にきてから戦闘といえばチンピラぐらいしかやったことないなぁ

俺 まあまあ強いから余裕で倒したけど

相手は副会長か まぁそれなりに強いのだろう…

面白そうだ


「どうする?」


副会長は再度問いかける

返事は決まってる…


「「もちろん やります」」


俺とユウの声が重なった


――――――――――――――――――――――――


精霊リア…その声は契約者であるエントにしか聞こえない しかし当然のごとくエントの声は皆に聞こえる

つまりエントが話しているのは全部一人言で周りからはかなり変に思われている

その事に本人が気づくのは かなり先の話


エント編書けたぁ

意外と時間かけちゃったぜ

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