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入学 ユウ編2

楽しんでってください

コツコツコツ…


コツコツコツ…


コツコツコツ…


廊下に三つの足音が響く

一つは自分の足音 一つは案内してくれたお兄さんの足音 もう一つは…


「………」


うわぁぁぁあ なんかブツブツ言ってるよこの人

っていうかきまずいぃぃい

そう 先程声をかけておもいっきり舌打ちされて 迷惑がられた あの青年だ


「君達は学校とかはじめてかな?」


その静けさに耐えかねてかお兄さんが声をかける


「はっはい…そうです」


僕は勇者の王族まがいな公務などで教育は城内で受けた

まぁ身分を隠しているためそういうことは言えないが


「君は?」


「俺は…割りと小さい頃から…」


「へぇ意外だな 貴族かなんかなの?」


僕もお兄さんと同じ疑問を持った

確か小さい頃から教育を受けるのは ある程度裕福で家に縛られない限られた人たちのはず 例えば…お兄さんのいったように貴族とか でも貴族はある程度 雰囲気でわかることも多い エントにはそういう感じはしない


「…え~と」


「あっ!ごめん答えたくなかったらいいからね この学園は人には言えないような境遇の人もいるからね」


「…はい………」


エントはテンポの悪い会話を終えてまた一人でブツブツ言ってる


「それじゃ 一応この学園について説明しておこうか」


「はい お願いします」


「まず この魔法学園は世界に3つある大国と10こある地域や町などに唯一含まれない いわば独立国家みたいなものだ」


「だからいろんな境遇の人が集まるんですね」


「そうだね」


「…でも そういう人が集まってるって分かってたら国の人とか調べに来たりしません?…」


エントは独り言を言いながらも的を射た質問をする


「んーその可能性はほぼ無いと思うよ」


「何故ですか?」


僕も国から亡命するときにここを勧められた だけど理由は分からなかっため 少し食い気味に質問をする


「学園は現在加盟している12の国や地域つまり小国ルキナ以外で資産などの提供をしているんだ」


「つまり 一つの国が調べようとすると他の国が黙っていないと――」


「そういうことだ」


「なるほどな……」


エントも独り言混じりに理解した様子だ


「ところでさ 君 あの二年の子とは知り合いなの?」


お兄さんは僕の方を向いている


「え? えっと… メイさんのことですか?」


「うん そのメイって人」


メイさんは二年 僕は一年としてこの学園に入学した

もともとメイさんは魔法に長けていたため

わざわざ一年から編入する必要もない

かといって三年はいきなりの編入で入ることはできないため二年ということになった


「それで どういう関係?」


「うーん なんていうか 昔からよくしてもらっている…お姉さん?みたいな感じですかね」


「へぇ…」


「あの? なんか用がありました?」


「いや…そんなことは無いんだけどね…あの子さ!!」


「はっ!はい」


お兄さんは凄い迫力で迫ってくる

やばい…何かばれたか? もしかするとさっきの勇者とかメイドさんとか言っていたのがばれたか?

とにかくや…


「可愛いよね!!」


ばい?と思ったが どうやら見当違いだったらしい


「はい?」


「いやー 最初見たときから思ったんだよね あの子可愛いなぁって」


「え?えっと もしかして好きになったり?」


いきなりメイさんのことをべた褒めしたので 理解が追い付かず思ったことをそのまま言ってしまう


「は? あーいやー惚れたりとかそういうのは無いよ」


「はあ…」


「ただ俺さ…」



「可愛いと思った女の子を好きとか関係なしに一緒に遊びたいなと思うんだよね」



たらしだ 絶対この人女たらし…女の敵だ(女じゃないから分かんないけど!!)


「金髪美少女…一緒に遊びたいなぁ…」


なんか言ってるよ!! このお兄さん!!

僕の直感がこの人にメイさんを近付けたらダメって言ってるよ!!


「あの! メイさんの案内ってお兄さんがするんですか?」


教室から出るとき一年の僕らだけ先に出て二年のメイさんだけ残された


「違うよ 残念ながら――」


ふぅ…ひと安心


「うちの会長がする予定だよ」


「会長?会長って生徒会長ですよね」


「そうだよ 他になにがあるの?」


「なんで?…ですか?」


「なんで?ってそりゃあ転入生の案内は僕ら生徒会が担当だからだよ」


ん?…んん??今僕らって言った…?

じゃあこの人はもしかしてアルバイトとかじゃなくてこの学園の――


「おーいこっちだ」


そう思ったところで数メートル先にいる若い女性が声をかけてくる

よく見れば近くに1Aと書かれた教室がある


「あっ先生」


お兄さんは小走りに先生と呼んだ人のもとに向かう

僕とエントもそれにならう


「お疲れ様 副会長」


副会長!?この女たらしお兄さんが!?






ご閲覧ありがとうございました

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