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入学 ユウ編1

楽しんでいってください

「それではここで待っていてください」


と案内されたのなんのへんてつもない

現在使われている様子がほとんど無い教室だった


「では僕は他の人の案内もあるので」


この教室まで案内してくれたお兄さんは部屋から出ていった


「ふぁぁぁあ 緊張してきたぁ~」


僕は近くの椅子に座ると ため息とも叫びともとれる微妙な声を出す


「どうしたのですか勇者さま 公務で散々人の前に出てきたじゃないですか」


隣にいる まだあどけなさが残る金髪美少女が声をかける


「メイドさん そうは言っても…」


公務とは国の行事ごとに挨拶したりするあれだ

この国の勇者は王様まがいなこともしないといけない

…まぁ…本音を言うと…つまんないよね

大抵の公務のあとはそれを見た人に会うことはほぼほぼ無い だからその場の建前?的なものでなんとかなる


「うまくやれるか心配でさ…」


「そんなこと無いですよ 勇者さまは大丈夫です なんのためにここに来たかを思い出してください!」


僕が言葉を続けると金髪美少女ことメイドさんがすかさずフォローする

僕がなんのためにここに来たかって…そんなの決まってる国を見返すためだ

そのためにたくさんの人に助けてもらった

その人たちのためにも頑張らないと


「メイドさん…分かった 僕やるよ」


「はい! 勇者さま」


「コホン」


急に咳払いが聞こえたので僕とメイドさんはビクッてなって振り向く

そこには僕らと同じ制服を着た 少し珍しい髪型をした青年が立っていた

いや 色々な国の人が集まる学園だから僕が知らないだけで珍しくは無いのかも??

それはそうと


「やっ…ヤバイですよメイドさん!」


僕らは慌てて視線を戻し 青年に聞こえないように会話する


「そのようですね 勇者さま」


かなり焦っている僕に対してメイドさんは意外と冷静に応じてくる


「身分を隠している以上これ以上 役職で呼ぶのは止めましょうか」


「そうですね 昨日決めた名前で呼びましょう」


「ですね えっと…」


僕は昨日決めた名前を思い出す


「メイさん」


「はい ユウさん」


「…あのメイさん 流石に安直過ぎませんか?」


昨日 あんまり考えるのに凝りすぎても呼ぶのが大変だから 互いの役職の文字をとった


「そうは言っても…ユウさん この名前で学園に登録したのですから 今さら変えられませんよ」


確かにそうだ 実際学生証にもそう書いてある


「そうですね しょうがないですね…」


「それよりユウさん!」


「はっはい」


さっきまでの冷静とはうって変わって興奮気味にいきなり メイさんが話してくる


「これはチャンスですよ」


「チャンス?」


言葉の意味が分からず思わず首をかしげる


「はい 友達づくりですよ!!」


「友達だちって…メイさん …子どもじやないんですから…」


「なにを言ってるんですか ユウさん!」


あまり気が乗らない僕に対してメイさんは迫ってくる


「友達はいくつになってもつくれるものです それにユウさん 思い出してください ここに来た目的を」


目的…それはもちろん友達づくりといった物ではないしかし友達づくりといった普通の学生ライフ必ず必要になる…かもしれない


「分かりました メイさん やってみます!!」


「はい」


メイさんは優しい眼差しで見送ってくれる

僕は先程の青年に歩み寄る


「あっあの…こんにちは」


「…」


あれ?おかしいな青年が反応しない 聞こえなかったのかな


「こんにちは!!」


「…」


さっきより大きな声をかけるが返事はない


「あっあの ちょっと君」


「…チッ」


今度も返事はないが代わりに舌打ちが返ってきた

…なんで?


「あっ…あのぉ…」


「…ん? あぁなんだ?」


やっと返事が返ってきた

僕は間違えないようにしっかり言葉を続ける


「えっと…僕 ユウって言います ユウ・クサロです」


「ったくうるせぇなぁ… あぁよろしくな 俺はアミヤ・エントだ 」


ん?ん?今なんか小声で最初凄いこと聞こえたような…

しかしアミヤ・エントと名乗る青年は手を差し出してくる


「あっ…あぁよろしく」


僕は急いで手を握り 握手をする


「…チッ よろしくな」



僕たちはこの出会いが後に世界を変えることになるとは思わなかった


それはそうと僕のエントへの最初の印象は…なんだこいつ感じわっるぅぅぅう…だった




ご閲覧ありがとうございました

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