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第6話〜アリスの願い〜

 六年生になってから初めての冬が訪れた。

 これだけだと大抵、夏はどうした秋はどうしたチルドとの関係はどうなった、アリスが好きなのはチルドか俺かどっちか、または俺達以外の第三者かなどと疑問に思うことだろう。こんな質問に答えるほど俺はいちいち暇じゃないんだが、おまけとして話しておくことにしよう。



 春のあの日の翌日、俺はチルドに一緒に下校しないかと誘うと、あっさりと承諾してくれた。下校中は特に会話とかすることもなかったが、あいつは自分の歩く道に変化が起こると、すぐに立ち止まってその場をじっくり眺めたりする。大抵、鳥が飛び立っただの、季節が変わって花の色が変わっただのそんなものだが、よく見ないとわからない部分もあった。 

それを真っ先に見つけることのできるこいつはほんとにすごいと思った。一度、そのことを話したら「僕よりも多分カズのほうが詳しい」と言われた。謙遜して言ったのだと思ったのだが、よく考えてみれば俺が小学校に入ったばかりの頃にこいつはいなかった。

確かアリスもいなかったと思う。こいつらが来たのは割と最近――と言っても二年位前だったはずだが――だった。アリスのことはよく周囲から聞いていたが、チルドのことを知ったのは今年が初めてだった。

 俺とチルドは友達となり、たまに猫と戯れ、チルドは俺達がいるときに限り、たまにドッジボールをしにやってくる。そのこともあってか、チルドも次第にクラスの中に溶け込んでいき、少しは喋るようになっていた。それでもまだ人を避けている面は目立つけど、それでもいいんだ。チルドがクラスの中に溶け込むようになること、それこそがアリスの願いだったのだから。




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