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第31話〜さよならは言わない〜

 卒業証書授与が終わり、担任との最後の別れも済んだ。

 俺達はこれで本当に最後になる学校への通学路をゆったりとした足取りで歩いていた。

「先生、大泣きしてたね」

 アリスがはにかみながらつぶやいた。

「そうだね…」

「やっぱり、どこの世界でも別れる時は悲しいよね」

「そうだね…」

 さっきからアリスとチルドは笑って俺と会話しようとしない。

「でぇ〜い、ぬるいぞ貴様らぁ!」

 俺は二人の横頭を必殺ギリギリ攻撃で締め上げた。

「い、痛い!痛いよ、カズ君!!」

 アリスはあわあわ言いながらその場でもがき、チルドは攻撃されているというのに相変わらずの無表情だった。

「卒業式だからしんみりするのも多少はわかる。だけど、もう終わったことなんだ。一生会えないってわけじゃないだろうが!」

「カズ君達はそうかもしれないけどあたし達は……」

「だったら!」

 俺は叫んだ。

「だったら、またここにくればいいんだよ。そうすりゃ皆と会えるよ」

「で、でもあたし達が人間界に過剰干渉するのは厳しく禁止されていて……」

「そんなもん、お前らの権限で乗り越えて来い」

「そんなぁ。無茶だよぉ」

「無茶でも、たとえ不可能と言われていることでも、好きな奴らのためになら俺は全国民を敵に回したっていい!」

 そう、こいつらが来たためになにか厄介ごとが起こってもその時は俺がこいつらを守るんだ。

「カズ君……」

 アリスの目が少し潤む。

「人間界にはな、同窓会って言って、クラスの仲間達が集まって一緒に酒を飲んだりする会があるんだ。その時になっても、絶対来いよ!俺、お前らの家に招待状を必ず出しに行くからな!どこにいようと、必ず出しに行くから!」

「カズ……」

「ありがとう、カズ君…」

 アリスがついに泣き崩れた。

チルドも、泣いてこそいなかったが、その綺麗なオッドアイにはうっすらと光るものが浮かんでいた。


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