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第15話〜安らぎの面会者〜

「アンドさん、ロイドさん、いらっしゃいますか?」

 いつもだったらチルドがにぎやかに帰宅するころ、城に来客が訪れた。 

「これはこれはアリス様、ようこそいらっしゃいました」

「学校はどないしたんですか?」

「もう終業時間ですよ」

 アリスは壁掛け時計を指差しながら言った。

「ほんまや。もうこんな時間や」

「いつもはチルド様がやかましく帰ってくるからな」

 アンドとロイドは愉快そうに笑った。

「もしかして、アリス様はチルド様の…」

「はい。大丈夫かなと思って。何か悪い病気なんですか?」

「いや、ちょっとした風邪ですわ」

「風?」

 やはりアリスも同じように首を傾げたので、アンドとロイドはチルドにしたのと同じような感じで説明をしてやった。

「そうでしたか。人間界には怖い病気があるのですね。普段あれだけ元気な人をそんなにしてしまうなんて」

 アリスは大層驚いた表情をしていた。

「わしらもびっくりですわ。普段は寝起きが悪うて、いつも起こしに行ったら殴るわ蹴るわ暴れるわ……」

「そやけど、今日はそれがぴたっと止みましてん。それどころか、わしらがチルド様の部屋に行く前にあの人が自分でわしらを呼んだんです」

「まぁ、それはすごいですね」

 アリスは手を口にあてる仕草をしながら仰天していた。

「それで、今チルド君は……」

「おとなしゅう寝ておられればええんですけど、多分寝ておられんでしょう」

 どこか諦めた表情でつぶやくアンドとロイドにアリスは苦笑するしかなかった。

「とりあえず、面会はしても大丈夫なのですね」

「相当暇をしておられるはずですから、お話の相手でもしてやってください」

「ありがとう」

 アリスは優しい笑顔でにっこりと微笑むとその白い綺麗な羽で飛び上がり厨房を去っていった。

「あん人はほんまにええ人やなぁ」

「ああ、わしら悪魔でも、あん人の笑顔にはどこか安らぎを感じるわぁ」

去っていくアリスの背中に見とれながらアンドとロイドはそんなことをつぶやいた。


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