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俺の先生  作者:
6/7

5.衝撃の事実


「なんで言わなかったんだよぉ!!」

 神城さんが帰宅した午後4時。俺は玄関で神城さんに怒鳴った。

「だって、言ったらつまんないじゃんか」

 へらへら笑って誤魔化す神城さん。別に怒ってる訳では無いが、神城さんを睨んでみせる。

「祐樹が俺の仕事を聞いてきたら、言うつもりだったんだけど」

 俺の頭を撫でながら靴を脱ぎ、家に上がる。俺は大人しく神城さんについていく。

「なんか悔しい……神城さんの馬鹿」

 憎まれ口をたたく。神城さんはくるりと振り向いて俺の口に人差し指をあてた。

「『先生』な。神城さんじゃなくて」

 意地悪く笑う。

「はぁ?なんで?家では神城さんでいいでしょ?」

 まさか家でも先生なんて呼んでたら学校にいる気分じゃないか。

「だーめ。命令な」

 ますます意地悪くわらう神城さん。こうなったらきかないからな…。そんなところが子供らしい。

「………………わかったよ、『先生』」

 そう呼ぶと、『先生』は目を糸のように細めて笑った。そして頭をくしゃくしゃ撫でる。

「良くできました。花丸」

 先生口調にほんのちょーっぴり嬉しかったり。

「ところで神城……じゃなくて先生はなんの教科担当なの?」

 スーツのジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩めて、いかにも疲れてますオーラの先生。ソファーに座って溜め息をついている。

「ん、数学。イタリア語は副」

 そう、S高には他の学校にはない『イタリア語の授業』がある。

「嘘っまじで!?」

 日本以外の国の言語がからっきしの俺にはとてもありがたかった。いつでも教えてもらえるっ♪

「…つか副ってなに?先生は2つも教科持ってるわけ?」

 しかも本職(?)は数学だし。

「そう。たまにイタリア語で入るときある」

「ふぅーん。イタリア語とか、先生かっけぇ!」

「だろ」

 にぃぃ、といたずらっぽく笑う。子供っぽくで可愛いと思ってしまった。

 ぽん、と先生は俺の頭に手を置いた。

「ちゃんと勉強するんだぞ?」

「わかってるよ!」

 ならいいけどね、なんて言いながら先生は部屋にいき、スーツを脱ぎ始める。くそ…憎たらしいな。







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